明の復讐
あきよし:作

■ 明と遥6

「次何処つれてってくれるの?」
遥は友達感覚で男に尋ねた。
「いいところだよ。」
遥は黙って男についていった。そこはホテルが立ち並ぶ所謂ホテル街と行った所だ。
「えっ? ここって……」
「どうしたの? あ、そっかお金がほしいんだね?」
「そ、そう言うことじゃなくて……」
「じゃあどういうことだ? まさか遊ぶためだけに俺についてきたわけじゃないだろ?」
遥はやっと自分の過ちに気づいた。そこを偶然にも明と友達数人が通りかかった。
「明君!!」
遥の呼びかけに明たちは気づいた。
「明。あの子お前のコレか?」
と友達の一人が冷やかす。
「何言ってんだよ。ただの元同級生だよ。」
「えっ?」
遥はショックでその場に立ち尽くした。明が遥とすれ違う瞬間にボソッと言った。
「お前。援交なんかしてんのか?」
(援交? そんなつもりじゃ。)
明はそのまま通り過ぎていった。
「じゃあ行こうか。遥ちゃん。」
「い、嫌。明君助けて!!」
明の足がぴたっと止まった。
「おい。明。あの子やばくないか? 助けたほうがよくね?」
明の仲間の一人が言う。
「明君。裕美と付き合ってもいいから。怒ってないから。お願い今だけ助けて。」
明は男の方に走って行き、一発顔にパンチをくらわした。
「いってぇな。何しやがんだ。」
「失せろ!!」
(明君のこんな顔はじめてみた。)
遥も驚くほどに明は怒っていた。男はその場を走って逃げた。
「ありがとう。」
遥が小声で言った。
「お前さっきなんていった?」
「えっ?」
「和田が何だって? 何回言わせるきだ? 俺とあいつは何にもないんだよ。」
「で、でも裕美が明君に告白したって。」
「あいつがそんなこといってたのか?」
「うん。よかったよ。明君が偶然通りかかってくれて。」
「っていうか。ここ俺の今住んでる街だし。」
「そうなんだ。うう。」
遥はいつもにまして大粒の涙を流した。
「ったく。泣きゃいいってもんじゃねぇんだよ。」
「おあついねぇ。邪魔しちゃいけぇんで俺ら帰るわ。」
明の仲間たちは帰っていった。明は全力疾走で駅に向かった。
(明君。何処行くんだろ。)
明は遥の住んでいる駅に着くと裕美の家に向かった。
ピンポーン
「はーい。」
裕美が出てくると明は胸倉をつかんだ。
「てめぇどういうつもりだ?」
「ふふ(^_^) あなたが絵里から手を引くならやめてあげる。」
「なに? お前は絵里の何なんだ!!」
「それは何れわかるんじゃない? あなたが絵里に近づけばね。」
「そうか。ならいい。じゃあな。」
明はそのまま帰っていった。
(遥と仲直りしないとまずいな。)
「明君。」
遥の声が聞こえた。駅で明を待っていたようだ。
「遥?」
「ごめんなさい。私が悪いのに明君に怒らせるようなこと言っちゃって。」
「俺も悪いんだよ。和田とは今後かかわるな。いいか?」
「そしたら私とまた付き合ってくれる?」
「またって何言ってんだ。俺たちはもう付き合ってるだろ。」


こうして俺たちは仲直りした。その後も遥の家に通い遥もたまに俺の家に遊びに来た。そしていよいよ待ちに待った教員免許を取り研修生として私立七色学園に入った。遥よりも一足早くに。

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