百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第八章 亜湖対さくら7

カメラは倒れている二人をそれぞれ撮った―――。
さくらと亜湖の表情は寝ている状態に近く、目を閉じ軽く口を開けていた。二人の頭は近い位置にあったのでワンフレームに入った。ただ、頭と頭を合わせる感じで倒れているので体は別の方向を向いていた。体は亜湖とさくら、別々に撮って行く―――。
亜湖は顔を少しさくらの方へ向けていた。勿論気付いていないが―――。そして、ずっと汗びっしょりの状態が続いているが、どんどん汗が吹き出して、亜湖の体から汗が流れ落ちていた。
その一部が僅かに身に纏っているもの―――ブラジャーやパンティに染み込んでいた。ブラジャーとパンティは勿論、靴下も汗をたっぷりと吸い込んで濡れているのが分かった。さっきまでは湿ってるといった感じだったが、もう濡れている状態だった。
ビクッ……ビクッ
腰、太股、腹を中心に痙攣し、それに合わせて胸も揺れた。その様子は4カメが詳細にとらえ、チャンネル1004で見る事が出来た。
足の方から逆さ撮り、いや、倒れているからその表現は正しくないが―――平行撮りと言った方がいいかもしれない。とにかくそれで追って行くと、濡れて深い白色になってる靴下を左右に見、そして膝から太股は汗でびっしょりになっていて、体と同様に汗が滴り落ちていた。特にビクッと痙攣すると一気に滴り落ちる時があった。そして視界の中心には桜色のパンティが入った。フロント部分はびっしょりと汗で濡れていてそして継ぎ目があり、クロッチ部分は濡れている所とそうでない所がまだらになっていた。そしてバック部分はフロントと同じ様に濡れていたが、汗がどんどん下に落ちて行き、さらに背中の汗も吸い取っているのでフロントよりより濡れていた。
亜湖は、というより、さくらもそうなのだが不透明のパンティなので透けて見える事は無かったが、かえってその方が「パンティ姿」である事をアピールしている感じがした。
一回ビクッと大きく痙攣し、太腿と腰―――パンティが大きく揺れた。そしてパンティのフロントからフロントについている赤いリボンの向こう側に見える胸も揺れた。赤いリボンは普通は少し浮いていてちょろちょろ揺れたりするのだが、リボンも汗を吸ってパンティにピッタリとくっついていた。ブラジャーも、特にベルトの部分はびっしょり濡れているのが分かった。カップの部分は生地が厚いためパンティのクロッチ部分と同様に濡れている所とそうでない所とまだらになっていた。とくにおっぱいに触れている部分が多い所程汗を染み込み濡れていた。ブラジャーの谷間のリボンも汗を吸い込みブラジャーにピッタリくっついていた。
亜湖はさくらの方に顔を向けている為、足―――股間から通してみると首筋から耳、髪が見えるだけだった。顎が上がっていたのでそれしか見えなかった。顔、髪を映す為に少し視点を倒れている亜湖に対して並行から少し上から見下ろす形にすると、開いた足、パンティ、腹そしてブラジャー、首、そして顔と移りボブカットの髪は完全に乱れバサバサになっていた。

一方さくらは亜湖とは逆に全く動かなかった。両手両足を投げ出して、文字通り大の字になっているさくらを、3カメは(4カメが)足から平行に撮ってる亜湖とは逆に頭から斜めに捕え、頭から足へと視点を移動した。顔は天を見ていて顔面も汗びっしょりになっていた。軽く目を閉じ口を開け、呼吸はゼェゼェといった感じで完全に息が上がっていた。ツインテールはだらしなく投げ出された感じで右と左、全然違う方向を向いていた。亜湖とは違い、さくらは髪を縛っているのでツインテール以外の所は前髪を除いて髪も全体的に汗で濡れていた。
亜湖と同様に全身汗びっしょりで時々体から汗が滴り落ちマットを濡らした。肩、胸が乱れた呼吸に合わせて上下しさくらの大きくもなく小さくもなく形の良い、いわゆる"美乳"と言われる胸が呼吸が早くなると軽く揺れた。
その胸をとらえた。ブラジャーのストラップ、ベルトは汗が染み込み、水色と白の縞模様は汗が染みきっていないカップ部分より色が深くなっていた。こうして映してる時にも汗が滴り落ちブラジャーに染み込んだ。
谷間の青いリボンは浮いていたので濡れていなかったが先の方は下側(腹側)に触れていたのでその部分は汗を染み込み濡れていた。
胴を見ても顔や肩と同様に汗びっしょりで汗が滴り落ちてマットを濡らし、さくらの激しい呼吸に合わせ腹が上下していた。臍の窪みに一粒の汗が落ちた。
更に移動するとブラジャーとセットの水色と白の縞模様のパンティを映した。ブラジャー同様汗を大量に吸い込み色が深くなっていた。フロントのリボンは汗を吸っていなかったので、ひらひらしていた。
そして足―――。足も汗びっしょり―――。その足が少し動いた。片方の膝を立てようと膝を持ち上げたが落ちた。その時、ベシャッと鳴った。さくらの汗のため少しマットにも水が浮いてきたのだった。

ゴスロリ姿のレフリーも汗びっしょりになった。ブラジャーとパンティ、そして靴と靴下以外は肌を晒すいわゆる半裸状態の亜湖やさくらとは違いゴスロリ衣装―――、つまりかなりの厚着だった。そのレフリーが25分間暑いリングの上でカウント取ったり、今は亜湖とさくらの手を取って意識の有無を確認し、脈を取り、声を掛け、頬を叩く等色々やっていたのだから消耗しない筈は無かった。
レフリーはリング下に水を三本要求した。一本は亜湖に、もう一本はさくらに、そして最後の一本は自分が飲む為だった。
リング下の控えから水が投げ込まれるとレフリーはペットボトルの蓋を開けてしゃがみ、亜湖の顔とさくらの顔にそれぞれ水を掛けて気絶から回復させた。亜湖もさくらもビクッと大きく反応し、体を起こそうとした。レフリーは亜湖とさくらの二人の意識が回復したのを確認して止めていた試合を再開させた。そして残りのペットボトルを開け、水を勢い良く飲んだ。それから胸を扇ぎその後スカートをバサバさと扇いだ。

亜湖はゆっくり体を横向きにしてから上半身を起こし、さくらの状態を確認した。さくらは肩を上げ、横向きになろうとしている所だった。亜湖は顔を一回右手で拭い尻に手を回し、パンティで拭いたが汗で濡れていたのであまり意味が無かった。それからその手でパンティを直した。
そして、フラフラと起き上がりながらさくらのツインテールを掴んで起こした。さくらはやっとで立ち上がった。亜湖はさくらのバックを取ろうとしたが、思い直してロープに振った。さくらは力なく走り、跳ね帰ってきた。亜湖はそこに浴びせ蹴りを入れた。汗が飛び散った―――さくらは蹴りを食らい、後ろに倒れた。声は出ない―――。
亜湖は体勢を立て直し、さくらの髪を掴んで起こした。さくらは力無く立ち上がった。そして寄り掛かれる場所が無いかを探すように手でロープを求めた。
亜湖はさくらのバックを取り、脇の下に頭を入れた。そして胴をクラッチして後ろに投げた―――バックドロップ。
完全に決まった。
さくらはさっきジャーマンスープレックスを崩しながらも食らった亜湖の様に、後頭部を打ち付け、体をくの時に曲げ自分の可愛い水色と白の縞模様のパンティを見る体勢になった。
亜湖はさくらの腰に手をやり、さくらを真っ直ぐに―――さくらの体はゆっくりと背中が伸び、それにつられて爪先をマットにつけた足は真っ直ぐ天井に向いた後、仰向けに倒れた。亜湖はさくらの上に覆い被さり片足を取り、完全に固めてからフォールした。
「ワン、ツー、スリー」
レフリーがカウントを取った。さくらは返す処か体を動かす事すら出来なかった。始めから受ける事に徹し、さくらの技を受け続けて隙を狙っていた亜湖と、終始攻めに徹しながら最後に隙を見せ、予測もしなかった反撃を受けてしまったさくら―――そこが勝敗を分けるポイントとなった―――。亜湖はカウントを聞くとさくらの足を固めた腕を離した。さくらの足は落ち、片膝を立てた状態になったが膝が横に落ち足を少し大きめに開いた大の字状態になった。

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