百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第11章 凶悪タッグ3

さくらにとって今まで受けた事の無い重い攻撃だった。香はプルトニウム関東よりランクが上の選手だが、打撃自体はこれ程重くない。香の力は相手に力負けしない為のものであり、更には美紗をリングに叩き付ける為のものであるので打撃に関しては、確かに体重の割には強い、実際は60kgあるが70kgの人に感じる、といった感じである。
プルトニウム関東は体重80kgあり、香とは打撃の重さの本質が違う。そしてプルトニウム関東と同じ位の体重のジェネラル美紗とは練習で技は受けてるものの試合で闘った事が無い、つまり美紗の本気の打撃も受けていない。185cmと長身の栄子とはこの間の六人タッグで闘ったが、栄子の本気の打撃を受ける事は無かった。と言うのは殆んどジュディに捕まっていたからである。
と、この様にさくらは亜湖と違い実質重量級と闘っていない為、自分から攻撃する事は勿論、攻撃をうまく受ける事も出来ず、ほんの数分で体力を奪われてしまった。

プルトニウム関東は鉄柵の外に出て背中を押さえて蹲っているさくらをゆっくりと捕まえた。ツインテールを掴み引っ張り起こそうとしたが、さくらは首を振り、抵抗したので、背中を押さえている手を蹴飛ばしてどかしてからストンピングを入れた。
「あぐっっ!」
さくらは声を出して耐えた。プルトニウム関東はその足でそのままさくらの背中に体重を掛けてグリグリと背骨にダメージを与えた。
「オラオラ、立つならやめてやるよ。立たないとヤバイんじゃねーか?」
ヤバイのは別の意味で―――、プルトニウム関東の右足は丁度さくらのブラジャーのホックを踏み付けていた。それで左右にまたは回すようにグリグリと力を入れていたので、力の掛け方如何でホックが外れてしまう。
「ああっ」
さくらは声を出して背骨にホックが当たる痛みに耐えながら、両手を着いて立ち上がろうとした。プルトニウム関東はそれを見て足を背中から退けて、さくらのツインテールを掴み、ついでにブラジャーのベルトも掴んで起こした。良く見るとホックは片方外れていた。そして頭を下げさせたまま鉄柵の中まで引きずり、リング内を見た。
「ああーっっ!!」
良の四の字固めが完全に入り、亜湖は声を上げていた。プルトニウム関東はそれを見ると安心し、それからさくらの頭を股に挟み、胴をクラッチした。そしてそのまま持ち上げた。さくらは抵抗したが持ち上げられてしまったので諦めて足を真っ直ぐに伸ばした。プルトニウム関東は、さくらの太股、そしてかわいいパンティに包まれた尻、股間を見て、
「なかなかエロいじゃんかお前も」
と呟いた。まるで今の様に逆さに持ち上げられてじっくり見られることを想定して穿くパンティを選んでるとしか思えない、と思った。そしてパイルドライバーを決めた。さくらはゆっくりと崩れ落ち、マットの上で大の字になってしまった。片足は鉄柵に当たり、そのまま落ちた。
プルトニウム関東はさくらの表情―――横を向いて軽く目を閉じ軽く口を開けている―――を見て気絶したと判断した。念の為ツインテールを掴んだが反応が無かったのでさくらを放置して自陣に戻った。

良は予定通り亜湖にグラウンド戦を仕掛け、痛みに声を上げて耐える亜湖を見て楽しんでいた。
特に四の字固めが気に入っていた。足の方からじっくり眺められるからだった。しかも亜湖が痛みで暴れれば、巨乳では無いが形が整っていてしかも弾力ありそうな胸―――いわゆる美乳が揺れる。また、背中を反らして顎が上がり、股間〜かわいいパンティの向こうには背中を反らした事でつき出た胸があり、その胸の間から顎が見えて痛みにあえいでいる姿を楽しめる。亜湖が暴れても耐えてもどちらでも楽しめるこのポジションをもっと堪能しようと思ったが、あまりやりすぎると亜湖がギブアップする可能性があるので一旦やめることにした。
良はプルトニウム関東に指示を出した。プルトニウム関東がリング内に入ってから良は四の字を解いた。
「あぐ……っっ」
亜湖は声を絞り出し膝を押さえた。しかし、良とプルトニウム関東は亜湖に休む間を与えず、二人で髪を掴んで起こした。亜湖はフラフラと立ち上がった。
二人はまず亜湖をロープに振った。そして亜湖がはね返って来ると良は上段にヒップアタック、プルトニウム関東は中段にミドルキックを入れた。
「あああっ」
亜湖は胸と腹に同時攻撃を受け、後ろに吹っ飛ばされた。二人は胸と腹を押さえて蹲る亜湖の髪を掴んで起こし、良は左腕で亜湖の首を決めプルトニウム関東は右腕で亜湖の首を決め動けなくしてから、それぞれ空いた手で亜湖のパンティを軽く掴み、そのまま逆さに持ち上げた。亜湖は抵抗せず素直に持ち上げられ、足を真っ直ぐに伸ばした。
二人はその状態で暫く動きを止め、亜湖の頭に血が上るようにして平衡感覚を失わせ、更に精神的ダメージを与えた。亜湖はパンティを軽く掴まれた状態で持ち上げられているのが恥ずかしかった。良もプルトニウム関東もパンティを引っ張ったりはしていないので尻や股間に食い込んだりとか形崩れさせたりとかはしていなかったが―――。
それから良が、
「せーの」
とわざとらしく合図をして後ろに放り投げ、滞空時間の長いブレーンバスターを決めた。
「ああーっっ!!」
亜湖はリングに背中を叩き付けられ声を上げ、それから背中を押さえた。良は亜湖の髪を掴んで起こし、今度はコーナーに振った。亜湖はコーナーに向かって走り、向きを変えて背中から激突した。その瞬間に良がヒップアタックを決め、更に良を陰にしてプルトニウム関東が突っ込んで来た。良が避けると同時にプルトニウム関東のボディアタックが決まった。
「うぶっ!」
亜湖はプルトニウム関東に押し潰され声を上げた後腰から崩れ落ち、足を前に投げ出し尻餅をついた。プルトニウム関東は亜湖の髪を掴み、逆のコーナーに振った。亜湖は同じ様に背中からコーナーに激突し、また時間を置かずに良が今度はラリアットを決めた。兎に角コーナーにぶつかりもたれかかった瞬間に攻撃が来るから避ける時間が無かった。そして良が避けた瞬間にさっきと同様にプルトニウム関東が今度はジャンピングラリアットを決めた。亜湖はコーナーに強く押し付けられ、反動で跳ね返された。亜湖は二歩歩き、膝を付き前に崩れ落ちた。

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