百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第18章 亜湖 vs 香7

「ああっ!」
鉄柵に激突した香は声を上げた。亜湖は香のポニーテールを掴み、鉄柱に振った。香は鉄柱に激突し、その場に崩れ落ちた。
「……」
亜湖は何も言わずに香のポニーテールを掴んで起こし、抱え上げようとした。その時香は亜湖の手を掴んで外し、平手打ちをした。亜湖は頬を押さえて香に顔を向け、平手打ちを返した。香がもう一発、亜湖がもう一発……。互いに五発打った時亜湖がフラついたので、香は亜湖の髪を掴んで頭を下げさせ胸から腹に膝を三発入れ、その後抱え上げ、ボディスラムをした。
「あああーっ!!」
鈍い音と亜湖の叫び声が響いた。香はポニーテールとブルマを直しながら、
「何いっちょ前に場外戦仕掛けてるのよ」
と不愉快そうに言った。それから周りを見ると机が側にあったので、亜湖の髪を掴んで起こし、抱え上げ、今度は鉄柵の外の机の上に投げ付けた。亜湖はまるで展示物の様に机の上で仰向けになって、片足を鉄柵に引っ掛けていた。
香は椅子を一つ用意した後、亜湖の髪を掴んで鉄柵内に戻し、鉄柵に頭を叩き付けた後、用意しておいた椅子を手に取り亜湖の背中に打ち付けた。
「あああーっ!!」
亜湖は大声を上げて背中を押さえ、仰向けに倒れ、足をバタつかせた。
香はその姿を満足そうに眺めた後、マットを剥がしそこに椅子を放り投げた。そして亜湖の髪を掴んで起こし抱え上げ、場外パワースラムを決めた。
桜の板で作られた床とその上に置かれた椅子に打ち付けられ、上から香の体重も掛った分の痛みに亜湖は声を上げた。


「セ……センパイ……」
さくらはモニターを見ながら、心配そうに呟いた。
「また随分とエグいな」
美紗は呆れる様に言った。普段の香の闘い方とは全く違っていた。いつもは場外戦はある程度やれば後はリングに戻して関節技や絞め技でダメージを奪いに行くが、この時の香はラフ殺法を好み、まるでいじめっこそのものだった。


ようやく亜湖をリングに戻すと香は、ギロチンドロップを入れた後、亜湖をうつ伏せにし、亜湖の膝裏に足を乗せて両足をロックした。
亜湖は香がロメロスペシャルを仕掛けに来てるのに気付いたので両腕を体の前に持って来て腕を取られない様にした。
「クスッ。無駄なあがきを……」
香は最初は普通に肩を押さえ、そこから腕を取りに行ったが当然腕は取れない。勿論それは分かっていたので今度は背中に平手打ちをした。亜湖は、
「ああっ!」
と声を上げて耐えるが、腕は体の前から動かさなかった。すると、
「諦めなさいよ。どうせ逃げられないんだから」
とブラジャーを掴んだ。その時亜湖の背中に香の汗が落ちた―――。


「オイオイ、直接かよ」
「そこまでやる!?」
汗を流して戻って来たプルトニウム関東と良がモニターを見て驚いた。さくらは二人を嫌そうに見ていた。


亜湖はブラジャーを外されまいと手を後ろに回したがその瞬間、香に掴まれた。
「御協力ありがとう」
香はそう言って後ろに引っくり返った。
「あああっ! ああっ! あああーっ!」
亜湖は腰、膝の痛みに耐えて声を上げた。
「ホラホラ、ギブする?」
香は下から揺すりながら亜湖がギブアップしないのを知ってて挑発的に聞いた。レフリーのメイドは亜湖に意思の確認をした。
「ああっ! ああっ! あーっ! ノ、ノーっっ!!」
亜湖は必死に否定した。香は更に揺すった。その時1カメは香の表情を、2カメは亜湖の揺れる胸を、そして3カメは全体を捕えた。
香は耐える亜湖を楽しみ、それから解放した。亜湖は腰を押さえながら、
「う、うう……」
とうめき声を上げていた。

香は今度はリング内での打撃を見せようと思い、亜湖の髪を掴んで立たせると、ロープに振り、跳ね返って来た所に正面から蹴り、倒れなかったので素早く背中―――ブラジャーのホックの辺りを狙って蹴りを入れた。
「ああっ!」
亜湖は声を上げて、フラフラとロープに向かって歩いて行きしがみついた。香は後ろから捕まえて亜湖をロープから引き剥がし、リフトアップした。
「それっ」
掛け声と同時に亜湖をロープに放り投げた―――ギロチンホイップ。亜湖は手でかばったものの、首から胸をロープに打ち付けられ、そのまま跳ね返って声を上げながら仰向けに倒れた。
香は素早くフォールした。
「ワン、ツー」
レフリーがカウントを取ると亜湖はカウントツーでロープに足を掛けた。香はそれを確認すると起き上がり、亜湖の足を掴んでリングの真ん中に引きずった。そして両手で亜湖の両足首を掴んで足を天井に向けた後、左右に勢いを付けて落とした。
「ああああーっ!!」
いわゆる股裂きを食らい、痛さと恥ずかしさで亜湖は股間を両手で押さえながら大声を出した。
「フフッ、背中反らして何感じてるのよ。でもお楽しみはこれからよ。まだまだ楽しませて頂戴」
香は亜湖には聞こえないように呟いた。
亜湖は顎を上げて背中を反らし、足を開いて片膝を立てた状態で股間を押さえて痛みに耐えていた。
「あ……あぐ……はあはあ、はあはあ……」
香は目茶苦茶に乱れたボブカットの髪を掴み亜湖を起こした。亜湖は立ち上がって左手で髪を掴む香の右手を掴んだが右手は股間を押さえていた。
コーナーに振り、亜湖が背中からぶつかると、香はジャンピングニーを決め、亜湖が鈍い声を上げて腰から崩れると、亜湖の右肩に左膝を乗せて亜湖の右手の自由を奪い、両手で亜湖の顔を鷲掴みにした。
「あああっ! ああーっ! いっ!」
亜湖は悲鳴を上げ、左手で香の腕を掴み、足をバタつかせてもがいた。最後に掻き毟った。亜湖は両手で顔を覆った。
「フフッ、無様ね。でもお似合いよ」
香は亜湖の髪を掴んで言った。そしてリングの中央まで引きずってから亜湖の頭を股に挟み胴をクラッチした。そして持ち上げようとしたが亜湖は持ち上げられないよう抵抗した。その為膠着状態になったが、香は体勢を解いて素早く亜湖の背中―――ブラジャーのホックの所を狙って踵落としをした。亜湖が膝を付いて背中に手を回した瞬間に先程と同じ様に組み、逆さまに持ち上げた。亜湖はおとなしく足を天に向かって伸ばした。
香はピンクのパンティに覆われた亜湖の尻と両足の間からレフリーとコーナーを見た。再び亜湖の足に視線を移すと、汗が吹き出て、それが垂れてパンティに染み込んだ。

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