百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第18章 亜湖 vs 香10

メイドは亜湖を介抱し続けていたが、その間ずっと亜湖はその姿を映され続けていたのであった。
そして亜湖が気付くと1カメ2カメは引いて3カメが上から亜湖の全身を映した後、試合再開を告げるメイドを映して通常に戻った。

「もう少し見ていたかったのに」
香は残念そうに呟き、亜湖の髪を掴んだ。亜湖は両手でパンティを直し、それから髪を掴む香の腕を握った。香は亜湖を抱え上げた後、膝を立ててそこ

に亜湖の背中を落とした。
「ああっ!」
亜湖は声を上げて崩れ落ちたが、その時胸が揺れた。香はその胸の上からフォールしがこの時初めて亜湖の足を抱えた。つまり、亜湖は香に抱えられている足を振りほどいて足を振り上げ返さなければならなかった。
「ワン、ツー」
亜湖はカウントツーで返した。

「フフッ―――もうすぐで25分だよ、ポニーちゃん」
生徒会長は自宅のパソコンから試合を見ていた。大画面の27インチのモニターでフルスクリーンHD画質にして―――。
つまりさっきの亜湖の痙攣シーンも超ローアングルで余す所無く見ていた―――2カメの映像ばかりを27インチフルスクリーンHD画質だからそれは大迫力、まるで亜湖の太股の間に両肘をついて寝そべって股間を覗いている感じだった。
それからベッドに倒れ込み、仰向けになってドッタンバッタンやりながら続きを見ていると、
「美恵子、うるさいよ」
と注意された。生徒会長は、
「あ、はーい。ごめんなさーい」
と返事し、椅子に戻った。


25分経過―――。
香はその時間を聞いて驚いた。もう10分経ってしまったのかと。しかし、そのうちの約2分位は亜湖が痙攣していた訳で香は見下ろしながら休んでいたので大した影響はない、と考え直した。
「ここから返してみなさいよ」
香は両手で亜湖の髪を掴んで言った。亜湖はゆっくりと立ち上がった。香は亜湖を起こすと至近距離でラリアットを入れ、すぐにフォールした。
「ワン、ツー」
亜湖はツーで返した。香はすぐに亜湖の髪を掴んで起こし、胸に一発二発と蹴りを入れた。そして三発目を入れた後今度は背中に更に強烈な蹴りを入れた。その時汗が飛び散り香の顔にも掛った。
亜湖は目をきつく閉じて歯を食い縛り耐えた。そして香の背中への蹴りを受けた時、
「あーっっ!」
と背中を押さえて声を上げ、ロープを握った。
「何処見てるのよ」
香の声と同時に強烈な平手を受け、グラッと来た。ロープを放してしまった為、手でロープを探した。右足を出し、フラフラしながら左足を出し、今度は左足を後ろに下げ、何とか倒れないようにしていた。
しかし香が亜湖の胸に蹴りを入れると亜湖は勢い良く倒れた。そして片膝を立てた状態で大の字になっていた。
香は額の汗を拭った。汗ビッショリで倒れているパンティ一枚の亜湖を見下ろしてから、
「立ちなさいよ」
と言って髪を掴んだ。亜湖は首を振ってから立ち上がった。香は亜湖の頭を股に挟んで胴をクラッチした―――。ここで勝負を決めようと思った。
「うんっー」
香は亜湖を持ち上げようと踏ん張った。一方亜湖は今持ち上げられたら確実にポニードライバーの餌食になるので持ち上げられないように踏ん張り、更に膝を落とした。
香は亜湖の背中に平手打ちをしもう一度胴をクラッチして持ち上げようとした。その時―――、
香がクラッチした手が滑った―――。
亜湖はその瞬間香を持ち上げ、後ろに投げ、更に背中から押し潰しそのままフォールした。
「ワン、ツー」
香はカウントツーで返して先に起き上がったが、後頭部を押さえていた。そして仰向けに倒れたままの亜湖にストンピングを入れてから髪を掴んで起こし、胸に蹴りを入れた。亜湖の乳房は揺れ、汗が飛び散った。
香は亜湖の腕を掴んでロープに振った。そして跳ね反って来た亜湖に向かってラリアットを放った―――。
バチン!!
激しい音と共に二人共倒れた。ラリアットの相討ちだった。香は横向きに倒れ、後頭部を押さえながら足をバタつかせた。亜湖は片膝を立てた大の字になっていた。

「25分持てば―――」
香の頭によぎった。亜湖は時間経過を把握して香に反撃を開始したのかと。いや、亜湖の様子だと出来る訳がない。いや、亜湖どころか美紗でも25分以上香の技をただ受け続けるのは不可能な筈だ。
しかし、現実にそうなっている。香は今まで一方的に試合を握ってきたのに亜湖に握られ始めている―――。
香は起き上がり、亜湖の髪を掴んだ。
「もっと―――楽しませろ!」
香はもう一度亜湖の頭を股に挟み胴をクラッチしてポニードライバーの体勢に入った。今度は亜湖の体が持ち上がったが亜湖は足をバタつかせ、阻止した。そして、最初の体勢に戻ったら、そのまま香をコーナーに押し込んだ。そして素早く頭を抜き、香にエルボを入れようとしたがそこは香がハイキックで亜湖の動きを止め、ネックブリーカーを決めた。そしてフォールした。
「ワン、ツー」
亜湖は足を振り上げて返した。正確に―――。
香は亜湖の髪を掴んで起こした。亜湖は四んばいにになり、パンティを直しながら立ち上がった。
その時香は次に何をしようか迷った。今まで正確にカウントツーで亜湖は返して来た。今もそうだ。―――ここでふと迷いが生じた。今日の亜湖からはスリーカウント取れないのでは? と。

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