百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第18章 亜湖 vs 香13

亜湖が香に勝った次の日―――、最新のランクが掲示された。
◎上級
上位:ジェネラル美紗
中位:小林栄子(ポニーと入れ替わり)ほか1名
下位:ポニー(香:栄子と入れ替わり)
○中堅
最上位:佐々木かえで
上位:プルトニウム関東、キャサリンデービス、他2名
中位:草薙良、A子(長崎亜湖)、ジュディオークランド、他6名
下位:砂原ひかり、他5名
●下級
上位:6名
中位:B子(宮田さくら)他3名
下位:羽富美里
となった。


1ヵ月後に香は戦列復帰し、かえでは練習再開出来る様になった。そして更に2ヵ月後―――、かえでも戦列復帰する事になった。それを一番喜んだのは美里だった。かえでと敵対している良も喜んでいた。それは良にとってかえでが復帰不可能となると自分が倒すべき相手を一人失うからであった。
美里と良が主催してかえでの戦線復帰を祝うパーティをかえでの家―――というか丸紫のマンションの一室なのであるが―――で行う事になった。呼ばれたのは、
美紗、香、プルトニウム関東、亜湖、さくら、中堅の下位の砂原ひかりと他1名、そして生徒会長、亜希子、洋子がパーティに呼ばれた。
「じゃ、今日だけは憎しみ合いは無しで、楽しく行こうよ!」
良と美里が乾杯の音頭を取って全員で乾杯した。その後続いて、
「あ、それで、コレが切っ掛けでもし馴れ合うようになったら……」
と美里が言って美紗の所に行った。それから美紗の右腕を持ち上げ、
「ジェネラル美紗のラリアットがプレゼントとして贈られますので……」
と言った。一同がそれを聞いて震え上がると美紗は、
「フフッ、それも悪くない」
とシャンパンを飲みながら呟いた。香は、
「ポニードライバーでもいいわよ」
とすまし顔で烏龍茶を飲みながら呟いた。
その後ワイワイとみんなで楽しんでいたが、かえでが美里に耳打ちした。かえでは丸紫にいる時以上に派手なドレス―――、スカートは足首まである本格的なドレスに濃い化粧、そして立派な髪飾りをして、お嬢様らしく一段高い椅子の上からみんなを見下ろす様な感じでワインを上品に飲んでいて、その姿はまるで人形の様であった。それからかえでは美里を呼び耳打ちした。それを聞いて美里はコクリと頷いてから立ち上がり、
「盛り上がってる所悪いんですが、かえで様が一つ不満があるそうです……」
と皆に言った。香は、
「それは何かしら?」
と聞いた。美里は、
「この場に不似合いな方がいらっしゃると言う事で……これはあくまでもかえで様の丸紫闇プロレス復帰パーティ……」
と言い、掌を上にしてかえでを指してコメントを求めた。するとかえでは、亜湖とさくらを静かに指差した。すると良が、
「そっか。亜湖が服を着てるなんておかしい!」
と言ってプルトニウム関東に同意を求めた。プルトニウム関東は、
「おう、その通り! もちろんさくらもな!!」
と答えた。亜湖はそれを聞いて、
「え……ええ??」
と顔を赤くして手を顔の前で振った。かえではスッと立ち上がり扇子を亜湖とさくらに向け、
「みんなで剥いちゃいなさい。二人とも」
と指示すると、良とプルトニウム関東、そして砂原ひかりともう一人の中堅選手が亜湖を押さえつけ、亜希子と洋子と美里がさくらを押さえつけ服を脱がし始めた。
「服は破っちゃ駄目よ、後で返すんだから。ゆっくりとやりなさいよ」
かえではそう言って服を脱がされる亜湖とさくらを眺めた。
「ちょ……、ちょっと本気ですか!? やめて下さい」
亜湖は懇願するも誰もやめず、ポロシャツ、ミニスカートと脱がされてオレンジのリボンが付いた可愛い黄色のプラジャーとパンティ―――下着姿にされてしまった。脱がした服はきちんと畳んでかえでの椅子の横に置くというおまけ付きで。さくらも同様に脱がされて純白のブラジャーとパンティの姿を晒す事になった。
亜湖とさくらはみんなに押さえられた状態で顔を真っ赤にしてしまった。
「全く……いつものメンバーじゃない。そんなに恥ずかしい事? 試合の時は平気なのに」
かえでは呆れた表情を見せ、ワインを一口飲んだ。―――とその時、誰かが亜湖の横腹を突付いてくすぐった。

「あっ」
亜湖が反応して声を出して背中を反らした瞬間―――そこに手が入って来て―――、
「や、やめて下さい」
亜湖はブラジャーのホックを外された事に気付き言った。しかし、良とプルトニウム関東に腕は押さえられているので胸を覆う事は出来なかった。ホックを外した人は―――、次に亜湖の胸に手を伸ばし、ブラジャーを持ち上げると、腕を押さえていた良とプルトニウム関東は気を利かせてストラップが抜けるように亜湖の腕を前に向けた。すると、ストラップはスルッと抜け、亜湖は形のいい乳房を晒すパンティ一枚姿にされてしまった。
「どうせブラジャー色々な人に狙われるんだからずっとノープラの方がいいんじゃないかしら?」
その人は香だった。香は涼しい顔で亜湖のブラジャーを亜湖の服が置いてあるかえでの椅子の隣にそっと置いた。それを見て亜湖を押さえていた人は亜湖を解放し、さくらを押さえていた人はさくらを解放した。
「は……恥ずかし過ぎです……皆さん酔ってるからってやりすぎです……」
亜湖は俯いて両腕で胸を隠して言った。さくらも、
「そ、そうですよ……。かえでさん、服返して下さい」
と言うとかえでは、
「返すわよ。終わったら」
と言って扇子を扇ぎ笑顔を見せた。亜湖は、
「もう……、好きにして下さい。目一杯見せますから……」
と言って諦めて腕で胸を覆うのを止め、膝立ちをしてパンティを直してから手を後ろに組み、背筋をピッと伸ばした。その時乳房が軽くプルンと揺れた。顔は横を向いていたが真っ赤になっていた。さくらも亜湖の横でジタバタしても仕方ないと顔を赤くしながらジュースを飲み始めた。
「ふぅ……本当にみんな好きだな。亜湖のその姿が」
美紗はシャンパンを啜り、呆れるように呟いた。すると良が、
「ホラ、中学入ってブラ着け始めの頃ってホック外しとか流行らなかった?」
と話しかけると、美紗は覚えてないと言ったが、プルトニウム関東は、
「あたしはデブだったから相手にされなかったけど流行ってたぜ」
と答え、かえでも、
「被害者がいたわね。いつも狙われる―――今の亜湖みたいにね」
とワインを一口飲んで答え、香も、
「そう言えば―――ね。その時は馬鹿馬鹿しかったわ。でも何となくその気持ち最近解ったわね。亜湖の御蔭で」
と言った。亜湖はそれを聞いて、
「はぁ……」
と顔が真っ赤にしたまま諦めた様に溜息をついて、膝立ちからゆっくりと立ち上がって背筋をきちんと伸ばしてパンティを直した後背中でもう一度腕を組んで、パンティ一枚姿を仕方なくアピールした。あまりにも恥ずかしかったので目を閉じて顔を真っ赤にし、横を向いたままだったが―――。すると皆はジッと亜湖を見つめ、静まり返った。何度か亜湖は試合でパンティ一枚姿にされていたが、その試合で相手した人以外はこんな目の前で亜湖のパンティ一枚姿を見るのは初めてだった。ちなみに生徒会長はというと、亜湖やその時のみんなのある意味とても真剣な表情をニコニコしながら見ていた。さくらは暫く経ってから、
「も……、もうコレだけ見たんだから満足でしょ? 服返して下さい」
と言うとかえでは、二人の服を手に取り、
「ええ、満足したわ。ありがとう、いい余興になったわ」
と言って立ち上がって服を返し、そして再び座った。亜湖とさくらは急いで服を着た。みんな残念がったが―――。パーティはその後も盛り上がり、大盛況で幕を閉じた。

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