百花繚乱
百合ひろし:作

■ 外伝-02章 部下の自立と頭の自律9

清楚で可愛い白パンティを穿いた腰がビクッ、ビクッと動くのをドアップで映されてるのに興奮したが、亜湖が回復したので試合は再開された。
亜湖は右手で頭を押さえて軽く首を振って上半身を起こしたがそこを恭子と好美に捕まった。美里は自陣に戻り、二人が亜湖をリングに戻すのを待った。そして亜湖をリングに入れて二人もリング内に戻ると手を出してタッチを要求した。そしてタッチを受け、リングに入った後天に向かって毒霧を吹いた。

色は―――赤。

それを見て好美は亜湖の髪を掴み、恭子は自陣に下がり掛けたがリング内に戻った。そして恭子も亜湖の髪を掴み、そして恭子が右腕で、好美が左腕で亜湖の首をきめた。ここまではダブルのブレーンバスターと変わらない。試合場内で観戦しているかえでも、事務所で観戦している良と香も、控え室で心配そうに観戦しているさくらも―――、誰も美里の赤い毒霧に意味を見出さなかった。そう、狼少年の嘘と同じ様に何回も天に向かって毒霧を吹けば誰も意味を考えなくなる―――。
ここからがブレーンバスターとは違った。恭子と好美は亜湖のパンティではなく膝の後ろに手を掛けた―――つまり足を掴んで首をきめた方に力を込めてそのままブレーンバスターの要領で持ち上げた。そして恭子と好美は亜湖の膝裏から手を移動させ足首をガッチリと掴んだ。
ブレーンバスターと違うのはそれは足を天に向かって伸ばすのだが、こちらの場合は足首を掴まれて足を開いた状態―――、パワーボムやジャーマンスープレックスを食らった体勢、いわゆるまんぐり返しを相手の肩の上でさせられている―――。ダブルキン肉バスターが完全に入った。

「な……っ、何を―――」
香は思わず音を立てて立ち上がった。良は顔を赤くしてる香を流し目で眺めた後、
「クククッ……、アッハッハッ!!」
と大声で笑った。亜湖は自分だけの玩具と思ってる香に見せ付けてやった美里チームのダブルキン肉バスター。思った以上に香は動揺して良は大満足だった。

恭子と好美は亜湖を担ぎ上げた状態でカメラの位置を確認してそちらを向き、亜湖を揺すった。亜湖は、身体中に走る痛みに耐えて歯を食い縛った。逆さまなので呼吸が苦しく声は出せなかった。
この揺すりも良の指示である。カメラに向かって亜湖を揺すれば香に見せ続けられる―――。

「う……くっ―――」
香は悔しさに歯を食い縛りながらも画面に釘付けになった。流石にキン肉バスターは亜湖には掛けられない。三対一とはいえ、自分に出来ない事を他人に―――しかもランクが低く自分が嫌っている美里チームがやって見せ付けられればそれは屈辱だった。
「ま……まさか草薙―――さんが……?」
香は呟いた。良はそれを聞いて、
「ご名答。羽富があたしにコーチ頼んできたから、引き受ける条件にキン肉バスターを出したのさ」
と答えた。香はそれを聞いて、
「覚えてなさい……あなたも羽富も潰してやるわ……」
と、怒りを露にして言った。良は、
「怒るのは結構だけどさ、今怒ったら美味しい所見逃しちゃうよ」
と挑発気味に言った。香はそれを聞いて画面に視線を戻した。幾等屈辱的であっても亜湖がやられる様子はしっかりと目に焼き付けておきたい、とも思っていたからである。

恭子と好美は充分に亜湖を痛め付けたので、お互いに足を小突く合図をし、それから、
ドスン
と尻餅をつき、ダブルキン肉バスターをしめ、亜湖を後ろに放り投げた。亜湖は仰向けに倒れ気絶こそしなかったものの、その衝撃とダメージから考えると気絶してしまった方が楽だったかもしれない―――。両足を開き膝を曲げ、所謂M字開脚状態になって右手で股間を押さえ、そして背中を反らし腰を左手で押さえた。もっと押さえたい所があるのだが残念ながら人間の手は二つしかない―――。顎は完全に上がり頭のてっぺんと腰で上半身を支える形になってそれがまたいやらしかった。目をきつく閉じて兎に角もう声さえ出ない程のダメージで、その体勢のまま全く動けなかった。
第二カメラは腹の方から突き出た胸と上がった顎を映した。ブラジャーに汗が染み込み、濡れている所とそうでない所があった。そこにピントが合わされアップで捉えられ、その向こうに顎がピンボケの状態で映っていた。
またもう一台―――、第三カメラはM字開脚の足の方から捉えた。右手で股間を押さえているのが何とも言えない感じであった。そして両足とも汗びっしょりになっていて当然、パンティも一部汗で濡れていた。特に足が出ている所の尻側が良く濡れていた。それだけ仰向けに倒れていた時間が長いと言う事だった。
一方キン肉バスターを仕掛けた恭子と好美もダブルとはいえ自分達より遥かに体格が大柄な亜湖に対して仕掛けたので、尻餅した瞬間、肩から背骨、腰に掛けて衝撃が伝わり、ダメージを受けて二人とも腰を押さえてうずくまっていた。練習で良に掛けた時とは比べ物にならないダメージを受けた。

だから、キン肉バスターの直前に美里にタッチし、試合権利を移したのである―――。

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