母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 枯渇を満たすもの3

 このままじゃ、まさみが壊れてしまう。何とかしないと……。龍一はもう、まさみには会わないだろう。まさみの満たされない気持ちは、ますます淫欲を求めている。


 逸る気持ちはドアを閉めるのも忘れ、耕平はベッドに近付いた。すでにシーツに包まったまさみは、ううっと声を詰まらせ泣いていた。
「まさみ……」
 耕平が声を掛ける。
「ううっ、もう……ここには住めないよ。先生に知られてしまって、もう一緒には暮らせないよ。うううっ……」
 まさみはシーツを被ったまま、泣き続けている。

 耕平は、まさみを包むシーツを剥ぎ取った。そこには、肩を震わせ瞳を涙で濡らし見上げるまさみがいた。耕平は、覆いかぶり抱き締める。
「お、俺が逝かせてやる!」
 キョトンと見上げるまさみの唇に、自分の唇と重ねていった。
「ううん、うう、うん……」
 重ねる唇の間から、まさみの苦しそうな吐息が漏れる。耕平が唇を離すと、まさみは戸惑いに目を泳がせながら顔を横に背けた。
「ダメだよ。私たち……親子なんだから……」
「まだそんなこと言ってんのか? 龍一とならいいのか?」
 小さな声で告げるまさみに、耕平は声を荒げて言う。
「そ、そんなこと言ってない。うっ!」
 耕平は、まさみの反論を遮るように再び唇を塞いだ。
 唇を割って舌を差し込むと、まさみは戸惑いながらも耕平の背中に腕を廻し抱きついてきた。そして耕平の舌の在り処を確かめるように、そろりと舌を伸ばした。舌同士が触れると、もうまさみに歯止めは効かなかった。
「うむっ、ううん……、うん……」
 まさみは、耕平の舌を吸いながら自分の舌を絡めていった。

 唇が離れると、まさみは恥ずかしそうに高潮した顔を横に向けた。耕平はまさみの膝を割り、その間に身体を置いた。
「いくよ。絶対、お前を逝かせてやる。いいね」
 まさみは躊躇するように目を泳がせたが、耕平の真剣な目を見て、こくりと頷いた。

 耕平がカリ首を縦裂に添えると、溢れ出る愛液がカリ首を潤す。まさみの秘裂は、受け入れる準備は整っている。ゆっくり腰を進め埋め込んでいくと、膣壁は待ち構えていたかのように脈動し飲み込もうとした。
「あっ、あうっ……」
 柔らかい膣肉の感触、真綿で締め付けるような気持ち良さに耕平は声を漏らした。
(俺が気持ちよくなっても違うんだ。まさみを気持ちよくさせないと……、感じさせないと……)
 耕平はいったん腰を引き、カリ首だけを亀裂に没した怒張を勢いよく送り込んだ。

「あん、ああん、はあ、はあん……」
 耕平に突きに合わせ、まさみの口からは甘い喘ぎ声が零れている。しかしそれは、AV女優の演技のような喘ぎ声。誰かを感じさせようとする作りもののようだった。覗き見たまさみのオナニーシーンより穏やかな喘ぎ声に、耕平は焦りを感じていた。
(も、もっとまさみを感じさせなければ……。もっと激しく突かなければ……)
 胸への愛撫、クリ○リスを刺激することも忘れ、ただ腰を動かすことだけに必死だった。

「あん、ああん、はあ、はあん……」
(だめだ! こんなんじゃまさみを感じさせられない……。俺では、龍一みたいに感じないのか? 龍一に対にまさみを感じさせられないのか?)
 耕平に気を使ってるかのようにリズミカルに喘ぎ声を上げるまさみ。
(ち、違う! 本当に感じた時のまさみの声と……。ちくしょう!!)
 耕平は、まさみを感じさせられない自分を罵った。まさみの膝の裏に腕を廻し足をM字に大きく開き、さらに深く結合しようとする。体重をかけ、まさみの恥丘の腰を激しく叩き付ける。
「あうっ、あうっ、あん……」
 ギシギシッ、ギッ、ギシッ……
 バコンッ、バコンッ、バコンッ……。
 まさみの重い喘ぎ声、ベッドの軋む音と肉と肉がぶつかり合う音が部屋に響く。
「逝け! 逝ってくれ……、まさみ!」
 耕平は願いのありったけをぶつけて、汗を飛ばしながらまさみを突きまくった。
「はあ、はあ、はあ……」
 耕平の息が荒く部屋を満たす。肉棒は膣の奥深くまで届き、子宮口がカリ首の先端を擽る。
「ああ……、逝く、もう……、俺……、ああっ、ああ……出るっ!」
 耕平は情けない声を上げ、まさみに身体の上に崩れ落ちた。そして、放出されたザーメンが結合部から溢れ出た。

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