君の瞳の輝き
あきんど:作

■ 第二部1

時間はさかのぼること半年前・・・

鎌田健司は呑んだくれていた。街中の大型モニターに映る競馬レースが終わりはずしてしまって荒れていた。
近くの飲み屋の自動販売機で缶ビールを買い、グイっと一息で飲み干してよたよた歩いていた。
早く店に戻り次のレースの予想を立てなければ・それに店に戻れば金を払わずとも酒が飲める・
健司の足取りはいつの間にか速くなっていた。
もし大穴を当てていれば今頃は・・そんな楽しみも次に持ち越しだな・・・健司はそう思っていた。

やっと「バー鈴音」にたどり着きドアを開くと妻の裕美子も呑んだくれていた。
裕美子は火事で夫を亡くし、小学生の娘と共に健司の家に住んでいた。
火事の賠償と住むあても金の工面もつかない裕美子にとって健司は恩人だった。
健司の住んでいるぼろ家は半分を回想し「バー鈴音」という酒を出す店になっていた。

裕美子にとってそこは生きるための場でもあった。
最初のころは健司も店でバーテンダーをしていたがそのうち店に出なくなり奥で酒をあおるようになっていった。
店の奥は3人が暮らす住居となっていたほとんど健司が呑む酒場のようになっていた。
それでも裕美子にとっては安らぎの出来る家庭でもあった。
健司は働かずに金を稼げる方法を探し競馬にのめりこんでいった。
裕美子の連れ子である鈴はそんな健司に嫌悪感を抱いていた。
そんなある日のことだった。
裕美子のところに一本の電話がかかってきた。
「もしもし、佐々木鈴さんのおたくでしょうか?」
裕美子が答えると
「私、近藤といいます。お嬢さんのことでちょっと相談が・・」
裕美子は話を一通り聞いて健司に電話を代わった。
近藤の話はこうだった。
鈴をモデルにビデオの撮影をしたが、これを写真集にして出してもいいかという話だった。
そういうビデオに出る契約を鈴がしていたのが意外だったが、健司はその金額を聞いて驚いた。
1冊3000円で10000部、そこから経費を引いて鈴に入る金は相当のものだった。もちろん保護者である裕美子の懐に入ると健司は思った。

「まぁそのビデオを見てからだな」健司は近藤にそういった。
「もちろんです。あとでそちらに送りますよ。一応販売には目線をぼかしたりしてます。また一部修正もしてますけど・・」
健司「目線?ぼかし?いや、そういうのではなく撮影したものを全部見せて欲しいんだけどな」
近藤「本当に・・お父さん・・かなりショッキングですよ」
健司「いや、まぁその・・鈴は妻の子でしてお父さんといっても一応義父というか・・」
近藤「あー・・なるほど・・わかりました。じゃあ特別にマスターから落としたのをお送りしますよ」

健司は大して興味もなく一応目を通しておこうかという気持ちでいたのだが送られてきたビデオを見て驚いた。


深夜に裕美子が寝た後で健司は届いたビデオテープをデッキに放り込んだ。

  「君の瞳はキラリ」
タイトルと共に画面に映し出された少女は健司もよく知っている女の子だった。
画面の中で鈴はあそこを絆創膏で隠して恥ずかしそうに微笑んでいる。
 一時停止にして健司は立ち上がり、鈴の寝ている部屋に入った。
かすかな寝息を立てて眠っている鈴のほっぺに手を這わせて肌の感触を味わった健司は続きを再生した。
画面の鈴はやがてカメラの前で服を脱ぎ全裸になっていた。
丸っきりの女児ならここまで興奮はしなかっただろう。
画面の鈴は胸が膨らみ、身体は丸みをおびて、明らかに少女から大人の階段を上りかけているそんな感じだった。
その画面を見たとき健司は自分が置かれている立場を理解した。、
画面の美少女すずは自分と同じ屋根の下で暮らしている。お風呂もトイレも・・いや下着でさえも手の届くところにある。
健司は洗面所に向かい洗濯籠の中に入っているすずの下着を探した。
ショーツを見つけた健司はにおいをかぎ、裏返した。
そしてそこに1本の毛を見つけたとき、健司は怒りを覚えた。
「鈴は美少女でなければならない。美少女が股間に毛を生やすことはありえない。確かめる必要がある」
健司は布団の中でそう考え眠りについた。
それからは健司は生活の中で裕美子の連れ子である鈴への興味高まった。
鈴がトイレに入ったときは耳を立て、夜は洗濯物の中に下着を探し、誰もいない家の中では鈴の部屋の箪笥の中の下着も探した。
やがて健司は飽き足りなくなり対象は鈴自身に向けられていった。
そしてあの日、事件が起きた。

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