黒い館
けいもく:作
■ 18.愛子さんのロウソク責め4
お館様の言うことはともかく、裕美さんや香子さんは信用していいと思いました。
もちろん、愛子さんも処女ではありませんでした。他に安全な隠れ場所もわかりませんでした。今更、一回や二回犯されたとしてもたいしたことではないと腹をくくりました。
そして、くつろいでいるときも、食事のときも、身体をお館様のおもちゃにされている裕美さんや香子さんを見ながら、愛子さんも館で暮らし始めました。
確かにお館様は約束を守ってくれました。でも、異様な性の館で愛子さんだけが普通に暮らすなどというのは、どだいが、無理なことだったのかもしれません。
三週間も経てば、愛子さんのほうから、「わたしを抱いてください」とお館様に頼むようになっていました。
「いいだろう、では、今晩10時におれの部屋に来てくれ」
お館様は愛子さんの手を取り甲に口付けをしました。
でも、それはお館様の演技に愛子さんが騙された結果なのかもしれませんでした。
お館様は愛子さんなんてどうでもいいようなふりを装いながら、本当は愛子さんの身体が欲しくてたまらなかったのでした。
だから、愛子さんのすぐ前で香子さんを裸にして、念入りにおっぱいを舐め、全身を舐め、木を削ったお館様の手作りの張り型を挿入し、激しくもだえ続ける姿を愛子さんのまぶたに焼き付けようとしました。
その頃の館には、まだ裕美さんと香子さんの二人しかいませんでしたが、お館様は、毎日のように女性のもだえる姿を愛子さんに見せつけました。
そして、いたたまれなくなった愛子さんが自ら、「抱いて」と言い出すのを辛抱強く待っていたのでした。
お館様の部屋で一夜を過ごした愛子さんは、初めて白いブラウスと黒いスカートを身に着けました。それは、館の住人だというしるしなのか、あるいは、お館様に所有される女ということなのか、愛子さんにはわかりませんでした。
でも、この館で暮らしたいということだけは,はっきりと思いました。
それは、たとえ裕美さんや香子さんのようにお館様に鞭で打たれたとしてもでした
「そうなった時、わたしも裕美さんや香子さんのように鞭を握るお館様の前に、端然と裸体をさらすことができるのだろうか」と愛子さんは思いました。
その頃から、館では朝食と夕食は全員そろって食べていました。
愛子さんは朝食の時、お館様に、「今日は隣の席でブラウスのボタンをはずし、胸をあらわにしてから食べてくれ」と言われました。
愛子さんは一応お館様の言うとおり、胸をはだけさせたのですが、裕美さんも香子さんもそんなことはしていませんでした。
ということはと思い、お館様を見ました。案の定、お館様は流すような眼で愛子さんの胸を楽しんでいました。
愛子さんは、それとなく腕で、お館様から乳房が見えないように隠し、ささやかな抵抗を示しました。
「こら、隠すな」
お館様は笑いました。そして、「しょうがない奴だな」とつぶやき、ブラウスをはぎ取ってしまいました。
上半身を裸にされてしまった愛子さんにお館様は、「これを乳首に塗ってくれ」と言って、ジャムの詰められたビンを愛子さんの前に置きました。
魂胆は見え見えでしたが、仕方なく自分の乳首にジャムを塗りました。お館様はパンをかじりながら、愛子さんの乳首を吸い、ジャムを舐めつくしてしまうと、また愛子さんに塗らせていきました。
愛子さんは、「この人はスケベーなこと以外に考えることがないのか」と思いながら、ユーモラスな行為に好印象を抱いていたのかもしれません。パンと間違えて乳房をかじられる恐怖を感じながらも、自分の乳首にジャムを塗ることをやめませんでした。
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