黒い館
けいもく:作
■ 22.香子さんの処女喪失2
「ごめんね、女は男を興奮させたことにある程度償わなければいけないのよ。それはこの館にかぎらず、恋人同士でも、あるいは夫婦間でも大切なことかもしれない。もっとも、わたしは結婚したことがないけどね」
お館様の手が亜紀ちゃんの頭を離すと、今度は香子さんが優しくなぜてきました。どれくらいフェラチオを続けていたでしょうか。その間に香子さんは、服を脱いで、机の引き出しから縄とロウソクなどのグッズとビニールシートを取り出しました。その中にはコンドームもありました。
「もういい、やめてくれ」
お館様がパシッと音をたてて亜紀ちゃんの背中を叩きました。亜紀ちゃんが思わず口に咥えたお館様のものを離してしまうような、痛さのともなう叩き方でした。だけど、香子さんの背中と間違えて叩いてしまったのでもありませんでした。
亜紀ちゃんの口に精液を出してしまいそうになったので、あわてて止めさせようとして叩いてしまったのでした。
香子さんは、お館様と亜紀ちゃんが離れたベッドに透明のビニールシートを敷き始めました。きょとんと見ている亜紀ちゃんに「アレになっちゃった」と言うと慌てて手伝ってくれました。
枕元に赤い太めのロウソクとライターを置くと、縄で自分の両足をベッドの隅につないでいきました。
そして、亜紀ちゃんに袋に入ったコンドームをひとつ手渡しました。
「たぶん、大丈夫だけど、わたしの身体が使えなくなった場合は、亜紀ちゃんが相手をしなければならないから、念のためもっといて」
お館様は亜紀ちゃんを抱き寄せ、乳首を口に入れ、歯を当ててみました。少しだけ咬んだのかもしれません。ピクッと亜紀ちゃんの身体が震えました。亜紀ちゃんは、さすがに逃げ出さなかったとしても驚いていました。お館様の扱い方が、さっきまでの二人だけで部屋にいたときよりも、乱暴になっていました。
あるいは、これから香子さんが受ける痛みのほんの少しのでも知っておいて欲しいと思ったのかもしれません。そう考えないと香子さんが惨め過ぎました。
「がんばれよ、香子に亜紀の純潔がかかっているのだからな」
お館様は他人事のように言いました。そして今度は香子さんの乳首を口に入れ、咬んでみました。それは、普段香子さんが乳首を咬まれる時と比べられないほど優しい咬みかたでした。お館様は香子さんの乳首を直接、咬むことによって、亜紀ちゃんの乳首を咬んだ強さを伝えたかったのかもしれません。
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