緑色の復讐
百合ひろし:作

■ 第一話7

「……ハアハア……ハアハア……ンッ、ハ……ッ」
少しずつ声が出て来た。初めての感覚なので遥は混乱もしていた。薄目で周りを見ているとは言っても白いモヤが掛っている様で、更にそこから入って来た景色を景色だと認識しなくなって来ていた。遥の感覚を支配しているのは、乳房や股間から来る不思議な感覚だけだった。小夜子はそんな状態にある遥の声を聞くと遥の肩に手を掛け上体を起こす様に促した。そして、
「続けなさい、止めたら───」
と言って態と途中で言葉を止めた。遥はその命令に対して頷くしか無かった。いや、止めたく無いという気持ちさえ新たに出て来た。まだはっきりとは自覚していないが、この白いモヤの中にいる様な不思議な感覚は性感帯を愛撫しないと得られない───。
そして小夜子は遥の乳首に指を掛けると、さっきと違い勃って、いい形をしている事を確認すると、指でチロチロとこねくりまわしてから離した。遥は、
「ん……あっ」
と声を出した。その間も右手はゆっくりと股間を擦り続けていた。その瞬間───、
ビクッ
と突き上げる様な快感が来た。乳首、股間から同時に一気に来た快感の第一波に遥は堪らず崩れ落ちた。以前バレーボールのスパイクを頭に食らってしまい崩れ落ち、尻餅を着いた後勢い良く後ろに倒れた事があったが、その時の様に尻餅を着き、後ろに倒れて仰向けになった。その時と違うのは崩れる時に意識があったかどうか───だったが。
片膝を立てて仰向けになった遥の右手の動きは止まり、ハアハア言っていただけだったが、数秒後に軽く腰を持ち上げて一回両手でパンティをキュッと直した。クロッチには既に染みが出来ていた。
今度は右手をパンティの中に突っ込んで直接クリトリスを愛撫した。赤くなった顔はクラスメートと反対に向け、更に左手で隠した。今まではうつむいていたから多少顔を見られても良いと思っていたが、仰向けで両足を開きパンティに右手を突っ込んでひたすら愛撫を続ける姿───その時の顔は見られたく無かった。
教室内からは余計な音は一切消えた。最初は遥の姿を見て笑い物にしたりしていた声も聞こえていたがそれらの声も一切消えた。いや、小夜子が全て消した。その為、遥のパンティの中で手が動く時に発する音、遥の体が動いて床を擦る様な音、そして遥自身のあえぎ声が響くという異様な光景だった。
「あっ……あっあっ……イヤ……」
遥はあえぎ、腰をビクつかせながら続けた。そしてパンティの中の右手の指は不思議な感覚に誘われる様にクリトリスの愛撫から膣に移動した。
すると今までとは違う音がしてきた。
ピチャピチャ───。

「私はキッカケを与えただけですよ。それが気持ち良くなると勝手にこうやって続けちゃうんです」
小夜子はオナニーに耽っている遥を見下ろした後、クラスメート達の方に振り向き言った。そして、
「しかも青山さん、初めてみたいね。彼女みたいに真面目な人がこんな状況でしたら───」
と言い、その後真由羅を呼んだ。真由羅が恐る恐る、音を立てない様に来ると一辺が赤茶色でザラザラしている小さな箱を渡した。真由羅はそれを見てギョッとした。しかしそのまま下がるしか無かった。

これで青山遥は完全に堕ちる───明日からは忠実な奴隷にならざるを得ない。人間は弱いもので、1人だと何も出来ないものである。今まで遥を放課後に呼び出して誰にも判らない様にいたぶったのも全ては今日への布石───。
今まで一寸付き合い悪い程度で普通に暮らしていたのがある時急に公開オナニーさせられているのを他のクラスメートが見たら何て思うだろう。可哀想だなんて決して思わない。
公衆の面前でオナニーする恥じ知らずの恥女というレッテルを貼り、向ける眼差しは軽蔑である。そして思う事は青山遥は裏でこういう事を散々やらされていたのだから、関われば自分も同じ目に逢わされる───。
である。そうやって友人を奪い味方を奪い孤立無縁にしてしまえば、選択肢は無くなる。もうこの件は、高校を卒業してからも一生ついて回る。同窓会等に出ようものなら周りが避けて通る様になる。青山さん?久し振りだね───ああ、そういえば、あの時オナニーしてた人だね、今でも毎日やってるの?といった具合いで叩かれる存在なのである。
それを避けるには小夜子のグループに入るしかない。少なくとも小夜子のグループにいれば叩かれる事はない。但し奴隷として、である───真由羅の様に。


「ああっ、あっ、あっ……ああっ」
遥はうつ伏せになっていて額を床に付け顔は見えないように、そして最大限に声を抑えてあえいだ。そして足は左足は真っ直ぐ伸ばし、右足は大きく開き膝を曲げていた。右手はパンティの中でグチャグチャと膣をいじり、左手で左の乳首をコリコリと弾いていた。腰はヒクヒク動き、そしてパンティに広がる愛液の染みは大きくなっていた。手が入ってるので直接マ○コにクロッチが触れている訳ではないが、愛液でグッショリと濡れた手が中で動くのでそれが着いて濡れていってた。


遥は右手はパンティの中に入れたまま再び仰向けになると左手で尻の食い込んだ所を直した後、また顔を隠した。そして右手を激しく動かし、
「あああっ!ああああっ!!」
と声を抑え切れなくなって大きな声を出し、更に背中を反らせ腰を激しくくねらせた。もう何も見えない聴こえない、認知できる感覚は、もうここが教室なのか、そして何人がこの空間に居るのか、そういう事は一切無しで膣から上がってくる強烈な快感のみだった。快感という麻薬を知らずに真面目に生きて来た女がそれを知ってしまったなれの果ての姿だった。

「ああ……ああーっっ!!」

もやの様な世界が真っ白な壁の様に前に立ちはだかって一寸先も全く見えなくなり、乳首からクリトリスから膣から、性感帯から濁流の様に流れてくる感覚に飲み込まれると同時に、遥は腰を突き出すようにピクピクと震えた後崩れ落ちた。そして、大量の愛液を流し、ビクッビクッと腰を痙攣させた。
「あ……あ……あ……」
まだ夢の中から醒めない様な声を小さく上げ、遥は快感が終わってしまう事を惜しんだが、それは教室の中でクラスメートの目の前でオナニーしたという現実に帰って来たという事だった。
右手の人指し指と中指はまだ膣の中にあった。ぐちゃぐちゃに濡れた手は恥ずかしくて出せなかった。仰向けになった時は終始顔を覆っていた左手もまだ顔の上だった。これも恥ずかしくてどけられなかった。痙攣が収まるまで遥はずっとそのままでいた。その間小夜子はクラスメートに何やら説明というか解説をしていたが何を話していたのか良く判らなかったしどうでも良かった。

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