悪魔のメール
木暮香瑠:作

■ 最後の命令5

 全裸になった美樹は、胸と股間を手で隠したまま立ち竦んでいた。自分は何をしてるんだろうという疑問と、オナニーをしなくちゃ生きていけないという恐怖が交互に頭の中を巡っていく。その2つの葛藤が、美樹の思考力を奪っていく。美樹は、恥ずかしい部分を隠していた両手を、ゆっくりと外し、だらりと両脇に垂らした。照明も点けていない薄暗いステージの上に、美樹のほんのりと桜色に染まった裸体が浮き上がって見える。豊かな胸も、恥丘を覆う翳りもはっきりと見えている。
(わたしが、ここでオナニーをして見せれば、いたずらメールは無くなるんだわ。ホームページも公開されなくて済むのね)
「わ、わたし……、これからオナニーをします……。みっ、見てください……」
 震える声で美樹は、カーテンの向こうにいるだろう犯人に言った。

 美樹は、ゆっくりと腰をおろしていく。太股をピッタリと合わせたまま、恥かしい亀裂が見えないように床に腰を下ろした。体育座りになった美樹の脚は、爪先が僅かに開き、脹脛の間から、太股に両脇を支えられた恥丘の中央に、ピッタリと閉じ合わされた縦列が走っているのが覗ける。
(早く始めなくちゃ……。オナニー、しなくちゃ……)
 一刻も早くこの場から逃れたい美樹は、脚を開こうとするが開くことが出来ない。
(だめっ……、開かなくちゃだめなの。オナニーをしなくちゃあ……)
 美樹は、ガクガクと震える膝を両手で押さえ、ゆっくりと開いていく。膝が開いていくにつれて、恥丘の膨らみも、その中央を縦に割る肉の割れ目もはっきりと見えてくる。緊張感が息を荒くする。息使いに合わせ、胸がお腹が波打つ。縦列の上部に広がる繊毛も、荒くなった吐息に合わせサワサワと靡いている。
「はあ、はあ、はあ……」
 美樹は、荒い吐息を吐きながら、ついに両足をM字に開ききった。開いた脚に引っ張られた花唇は、僅かに口を開いて、その奥のピンクの媚肉を覗かせる。そこは、僅かに湿り気を帯び、照かっているように見えた。
(はあ、はあ、はあ、見られてるのね……。見られながらしなくちゃいけないのね……)
 美樹は、両手を胸に持っていき、掌で双乳を押さえた。そして、ゆっくりと指を柔肉に食い込ませていく。張りのある肉丘に指が食い込み、形を変える。指の間から、余った柔肉がはみ出している。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
 美樹は、荒い吐息を吐きながら、自分の胸を揉んでいる。最初は、半分埋まっていた乳頭が、次第に尖りだし、指の間から顔を覗かせている。

 美樹は、尖り出した乳首を指で摘んだ。
「あ、ああっ、あああああ………。恥ずかしいっ」
 美樹は自分で乳首をコリコリと転がしていく。すっかり尖り出した乳頭は、刺激を敏感に受け止めていく。
「みっ、見てるんでしょ。私のオナニー姿……」
 小さな声で、美樹はカーテンの向こうにいる犯人に問い掛けた。しかし、カーテンの向こうからは何の反応も無かった。
(ああ、は、恥かしい……。これだけじゃあ、許してくれないの? もっと、しなくちゃいけないの?)
 美樹は、片手胸を揉みながら、もう一方の手を股間に持って行く。指が亀裂に触れた。
(あっ、濡れてる……。う、うそ……、こんなに恥かしいのに……濡れてる。感じてる……、わたし……)
 美樹は、赤く染めた顔を横に振った。半開きに開いた唇からは、相変わらず吐息が漏れている。見ているものには、それは、あたかも美樹が感じて、喘ぎ声をあげているように感じられた。
「はあ、はあ、はあ、見てください……。美樹……、オマ○コも弄ります……」
 美樹は、縦列の中に指を埋めた。そして、指をゆっくりと割れ目に沿って動かしていく。
(ああ、濡れてくる……。恥かしい……、どんどん濡れていく……)
 指がヒダ肉を掻き分けるたび、愛液が指に絡み付いていく。溢れ出る淫蜜は、割れ目を伝い床に流れ落ちる。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
(だ、だめぇ……、どうして濡れてくるの? は、恥かしいだけなのに……)
 美樹は、秘唇を這わす指を2本にした。ステージには、美樹の喘ぎとピチャピチャと指が亀裂の淫蜜を混ぜる音が響いている。
「はあ、はあ、はあ……、だ、だめ、だめ、だめえ……」
 どこから覗かれているか分からない視線に包まれた美樹は、その不安を振り払うかのように愛撫にのめり込んでいった。美樹は、乳首を捻りあげ、もう一方の手の指では、女性の一番敏感な淫芽を擦りあげた。
「あンン……、い、いい、いくうううう………」
 美樹は、細い首を退け反らし天井を見つめたまま、痙攣した。ピクピクと身体が仰け反り、そして床に崩れ落ちた。
「はあ、はあ、はあ……、いっ、いっちゃった……」

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