売られた少女
横尾茂明:作

■ 羞恥2

「美由紀・・芸子に金を持ち逃げされ台所はガタガタや・・女房はヒス起こすし・・
 新しい芸子雇うにも支度金やなにやらで、どうしてもまとまった金がいる・・
 しかし逃げた芸子に粗方の金は盗られた・・そんなこと警察に言っても出てこんわなー!・・」
「そこで相談やが・・お前には悪いが・・扇屋の若旦那のもとに行ってくれんか」
「なあに・・初めはちょいと辛かろうが、旨い物は食えるし服も買って貰える」
「なっ! 儂等を助けると思ってそこんとこ堪えてくれや」

「・・・・・・・」

「若旦那に中学もそのまま行かして貰えるよう頼んでみるからナ」
「まっ、お前の両親がつくった借金は! それもこれで帳消しやから」

「・・・・・・・・」

「な! 分かったな」

「そうと決まれば・・お前の体・・品定めをせんといかん・・」
「ちょっとべべ脱いでそこに立てや!」

美由紀は久三の言葉に呆然とし・・淡々と事務的に諭す久三に対し恐怖で気が遠くなりそうだった。
いずれかこの事態が訪れるとは予期していたが・・
こんなにも唐突に訪れるとは・・。

「早よせんかー!」

美由紀は布団を握りしめイヤイヤをするように首を振った。

「美由紀・・また叩かれたいのか!」

美由紀は久三が怒ると・・叔母以上に恐いのは身にしみて知っていた。
布団の端を手でギュっと掴み、ただオロオロと震えるばかりであったが・・
叔父の形相を見て恐怖した・・。

美由紀は弾かれるように起きあがり浴衣の襟を押さえて直立した。

久三は布団の上に胡座をくみ顎で脱げと指示した。

美由紀はもじもじとうなだれ腰が抜けたように震えるばかりである・・

しかし久三の威嚇的な咳払いで美由紀は観念せざるをえなかった。

美由紀は大粒の涙を零しながら帯を解き始めた・・。

浴衣を脱いだ時・・母を思った・・小声で「お母さん!」と叫んだ。

暗い閨にボーと白い女体が浮かび上がった

「暗くてよく見えん・・美由紀! 明かりを点けろ」

美由紀は羞恥に染まりながら電灯の紐を引いた。
部屋が昼のように明るいと感じた・・。
美由紀は明るさの中・・お乳を手で隠してガタガタと震えた。

「んんー・・これはエエ! お前の体は・・もう大人じゃのー!」
「肌の白さといい・・艶といい・・こりぁー若旦那に高く買ってもらわにゃーの!」
久三は舌なめずりするようにニヤついた。
久三の前に立つ美由紀の肢体は白人の血の混じりか・・日本人とは明らかに異なる真っ白な肌と、すらっと伸びた美麗な脚、お乳は美由紀の手では有り余る豊満さを湛えていた。

「さー美由紀! パンツも脱がんか!」

美由紀は後ずさり・・俯き嗚咽しながら、
「おじさん! 堪忍して下さい」
「これからは一所懸命に働きますから・・どうか堪忍して下さい」

「うるせー! テメーのようなガキが働いて幾ら稼げると思ってんだ!」
「俺が静かに言ってる内に観念しねーか!」

美由紀はお乳を腕で隠しながら体を震わせて泣きだした。
久三は美由紀の泣き声が奥に聞こえやしないかと慌て・立ち上がり美由紀の口を掌で押さえた。

「コラ! 泣くんじゃねー」
「光子に聞こえたらどうする」
「なっ、美由紀・・変なことするんじゃねーんだ・・ちょこっと体を見るだけだから」

「さー泣いてないで・・パンツ脱がすぞ」

久三は美由紀の頭を撫で・・しゃがむと同時に美由紀のパンティーに手をかけ一気に引き降ろした。

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