売られた少女
横尾茂明:作

■ 同級生2

「光男君・・恐いの?」
 美由紀は感じたことを思わず口に出してしまった。

「やかましい!」
・・心の内側を見透かされた悔しさが思わず口をつく。


「美由紀! どうしてあんなオヤジのおもちゃになんかになったんだ!」

「・・・・・・・・」

「俺がお前のこと・・どれほど想っていたかしってるくせに!」

「お前って奴は・・お前・・」

「お前は・・もう・・あの美由紀じゃない・・汚い娼婦だ・・汚い・・!」

「・・・・・・・・」


 美由紀は光男の罵詈雑言を黙って聞いていた・・頭の上を嵐が通り過ぎるのを待つかのように・・。

 光男がひとしきり喚いた後・・森は恐いくらい静かになった。

 美由紀はそっと顔を上げ光男を見た・・。

 光男は激昂したたかぶりを鎮めるかの様に涙を流し、静かに嗚咽している。

 美由紀は少し思案し、そして意を決するようにゆっくり立上がり、ベルトを緩めホワイトパンツを脱いだ・・。

「光男君・・私が本当に汚れているか・・調べてみて」

 美由紀は静かに言うと、ジャンパーの上に仰向けに寝てパンティを膝まで降ろした。


 白い魅惑の太モモが輝き・・腰は深くくびれ、刺激的に高く盛り上がる恥丘・・狭間には淡く透明感のある陰りと・・それを透かした初肌に深い切込み。

 それらは・・白く輝き、神秘且つ清潔感のある佇まいに光男には見えた・・。

 しかし光男は大きく目をむいた・・それはあまりにも唐突に訪れ・・その刺激的で魅惑的な美由紀の突然の行為・・それは光男の想像の埒外であった。

「光男君・・調べて・・光男君が思ってる美由紀の汚いとこ・・汚れているか調べて!」

「・・・・・・・・・」

「光男君は私の境遇を知ってるくせに・・私が・・売られていったこと知ってるくせに・・」
「私だって・・皆と同じように自由に学校生活がしたかった・・」

「でも私には自由がないの・・光男君が私のことをすごく想ってくれてたことも知ってた」
「でも・・でも・・」

 美由紀の目からも・・涙が静かにこぼれた・・

「光男君・・私のからだは汚れたかもしれないけど・・心までは絶対売っていない!」
「だから・・だから洗えばまた綺麗になると信じてるの・・」

「朝・・丹念に洗ったの・・まだ汚れているか・・この体・・調べてください」

 美由紀は嗚咽しながら半身を起し、膝に絡んでいるパンティを脱ぎ・・シャツもブラジャーも剥ぐように脱ぎ全裸になった。そして再び仰臥し目を閉じる・・。

 美由紀の全裸像は陽に照らされ、淡く光る白磁のような魅惑の輝きを放ちはじめる・・。


 光男は美由紀の思いがけない行為をただ呆然と見つめていた・・。そして我に返りその全裸像を目の当たりにしたとき・・震えにも似た興奮が体の芯を突き抜ける。

(あぁぁーなんて綺麗なんだ・・)
(これが・・これがオンナ・・女の子の体・・)
(この裸像を想像し・・俺はいままで何度オナニーに耽ったことか・・)
(しかし・・美由紀の体がこんなにも綺麗だなんて・・知らなかった・・想像を超えてた・・)
(・・・・・・)

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