売られた少女
横尾茂明:作

■ 同級生3

「光男君・・ここに来て・・」

「美由紀の体・・調べて・・」

 美由紀は両の手のひらで顔を覆い、羞恥に震えながら体を固くした。

 風が動き・・枯れ葉を踏む音が耳元で聞こえ・・光男の吐息が乳房に触れた。

 美由紀には耐え難い沈黙の時間が過ぎたとき・・乳房に光男の熱く震える掌が触れた。

 そして確かめるように柔らかく揉み・・もう一つの乳房にも手がかかった。

 美由紀は顔を隠した手が退けられぬまま・・、「光男君・・私のこと・・許してくれますか」と切れ切れに口にし、そして意を決するように「私の体・・綺麗?」と問いかけてみた。

「・・・・・・・・」

「私の体・・綺麗?」と・・もう一度口にした。そしてゆっくり膝を立て、脚を少しずつ開いていった。

 耳元で光男が喉が大きく鳴った、呼吸が速く鳴るのが聞こえる・・。

(光男君・・興奮してる・・)

 美由紀は嬉しくなった・・自分の肌をこんなふうに突然見せたら・・光男がどう変貌するかは判らなかった・・吉か凶・・美由紀は賭けてみたのである。吉であれば美由紀の肌に必ず触れてくる・・触れてさえくれたら光男を虜にして見せるという自負はある。

「光男君・・私の恥ずかしいとこ・・見て・・」

「・・・・・・・・・んー」

「光男君・・触って下さい」

「あっ! あぁーん」

「光男君・・そこは・・優しく・・」

「・・・・・・・・・」

「光男君・・・」
「美由紀・・今日から光男君のオモチャになってもいい」
「だからあのこと・・あのことだけは光男君と二人だけの秘密にして?」

「・・・・・・・・・」

 なにか煮え切らない光男に・・美由紀はクサビでも打つかのように顔を隠した手をどけて光男の目を見つめた。そして狼狽えた光男の手を取るや・・その指を口に含む。

「あぁ・・ぁ」

 光男の間の抜けた喘ぎが漏れた・・この喘ぎが光男の頑な心の瓦解を象徴するように・・

「美由紀!・・俺・・俺・・もう我慢できないよー」

 光男は潰れるように美由紀の体に被さり・・豊満で柔らな乳房を掴み、乳首を口に含んで強く吸った。

「あぁぁー光男君・・嬉しい・・美由紀・・美由紀・・光男君のこと・・スキ」

 美由紀は心の暗雲が晴れていくのを感じた・・
(これで・・もう・・安心?・・)

 美由紀は心が浮き立つとともに、今の淫靡な成り行きを逆に楽しみたいという欲求にも駆られてきた。それは秘密の森・・かって経験のない明るい陽の下の白昼夢・・・。

 年寄りの性奴隷・・この陰湿反射というべき少年への淫靡な隷属心が・・今の美由紀に震えるような喜悦をもたらし始める・・。

 美由紀は甘えるような声で、かつて政夫にも言って喜ばれた・・
「わたしの体をオモチャと思って・・光男君のしたいこと・・なんでもして・・」と囁いた。

 光男は震えた・・光り輝く艶めかしい肉体を好きなようにしてもいいと女は言う・・。恋し焦がれた美しい女の・・不可侵な肉体・・見ることさえも不可能だったこの初肌。

 それが自由に見れる・・触れる・・口にすることさえ出来る。光男の口中は涸れ、あまりの興奮に目眩さえ覚えた。

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