売られた少女
横尾茂明:作
■ 離郷2
放課後・・美由紀は職員室に呼ばれ、先生からお別れの言葉を聞いた。養子に迎えられたことも先生は喜んでくれた・・・。
美由紀は光男の家に急ぐ・・(今日は芳雄君が来てる・・あぁん恥ずかしいな・・)
(でも・・どうしてこんなにドキドキするの?・・・私・・何・・期待してるのかしら?)
光男の家にはもう半年ちかく通ってる。最近は2週間に一度ぐらいになったけど・・当初は光男は狂ったように美由紀を求め・・学校でも何度かSEXを迫られた。夕暮れの教室で・・机の上に寝かされ恥ずかしい形で交わった。ある時は授業の合間に理科室で後ろからされたとき・・光男との経験で初めて美由紀は絶頂を極め泣いた。
(理科室でパンティーを脱がされ・・スカートを捲られて後ろから刺されたとき・・すごかったナ・・)
(誰かが入ってこないかと考えるとドキドキして・・目眩がするほど興奮しちゃった・・)
(あんなに興奮したの初めて・・スゴク気持ちよかった・・)
(きょうは芳雄君に見られながら・・光男君に恥ずかしい格好でされるんだろうか・・)
(あぁぁ・・考えただけで・・・あっ・・濡れてきちゃたよー・・)
(二人に交互でされたら・・光男君のチ○ボ・・お口に入れられて・・芳雄君に後ろから刺される)
(あぁぁ・・そんなこと・・そんなことされたら・・・・・あぁんどうしよう)
美由紀は風呂屋を目印に右に曲がり、いつものように花屋の時計で時間を確認して路地に入る。辺りはもう薄暗く光男の家の門柱には明かりが点っていた。
「ごめんください」
暫くして奥からどたどたと光男の足音・・
「遅いじゃないか!」
いつものように満面の笑みを浮かべ眩しそうに美由紀を見つめる・・。
「ごめんね・・先生のお話が長くなっちゃって」
「まあいいから早く上がれ・・芳雄が待ってるよー!」
「・・・・・・・・・・・」
長い廊下を渡り離れに向かう・・胸の鼓動は早鐘のように美由紀の心を揺さぶる。
光男はドアを開け・・「芳雄待たせたな、美由紀が来たぜ!」
続いて美由紀が光男の肩越しに部屋を覗く・・芳雄は一瞬美由紀を見て真っ赤になってすぐに顔を伏せた・・目のやりどころがないといった体である・・。
「芳雄君・・こんばんは・・」
美由紀は部屋に入り鞄を机の横に置き、芳雄の前に正座した。部屋がパッと明るくなるほど美由紀の美しさは頭抜けていた。
芳雄は俯いて美由紀を見ない・・美由紀は首を低く傾け芳雄を覗き込む形でもう一度、「こんばんは!」と快活に言った。
「こ・・こんばんは・・」芳雄はどもるように言ってからさらに耳を赤く染める・・。
「芳雄君・・美由紀のことが好きだって光男君に聞いたけど・・本当?」
「・・・・・うん・・・」
「そう・・だったら早く言ってくれればよかったのに」
「・・・・・・・・・・」
「美由紀・・風呂わいてるぞ! 俺はさっき入ったけど・・」
「そう・・だったら・・・・美由紀も汗かいちゃったから入っちゃおかな・・」
「おい芳雄! お前も入ってこいよ・・・」
「ばか・・バカなこと言うなよ光男!」
「・・・・・・・・・・・」
「芳雄君・・私と入るのはいや?」
美由紀は言ってからカーと胸が熱くなった・・・
(私・・なに言ってるのかしら・・・破廉恥)
「芳雄! 美由紀が言ってくれてるじゃないか! さー行ってこいよ」
美由紀は光男が相当無理して言っているのが読み取れると・・かえって芳雄の意気地なさにイライラしてしまった。
「ねっ、芳雄君行こうよ! 美由紀が体洗ってあげるから」
「・・・・・・・・・・」
「さー行こうよ・・・」
「・・・う・・うん・・そうしようかな・・でも本当にいいの?」
芳雄は怯えたように光男に同意を求める顔で震えた。
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