売られた少女
横尾茂明:作
■ 離郷5
部屋の扉を開けると案の定・・光男は俯せて何食わぬ顔で本を読んでいたが、足先が小刻みに揺れそのイライラ感は誰にも理解できるほどだった。
光男は振り返り、精一杯の笑顔で芳雄に、「暖まったか? 美由紀の裸・・綺麗だったか?」と聞く。
「う・・うん・・」
芳雄は光男の顔が直視出来なかった・・
(光男・・絶対怒っている・・)
「芳雄君、私の裸・・見てくれなかったのよ! 光男君に悪いからと言って」
光男は笑顔で「芳雄! 美由紀の裸があんなに見たいといってたくせに・・お前は馬鹿か!」
光男は言いながらも言葉と裏腹に何か嬉しいものを感じた。
「あっ・・もう七時かー・・お前ら腹が減ってるだろう、何か出前を取るけど何が食べたい?」
「私オムライスがいいな、芳雄君はなにがいいの?」
「僕もオム・・オムライスでいいや・・」
「美由紀はいつもオムライスだなー・・他に考えつくものは無いのかヨー」
「私はオムライスが好きなの! そう言う光男くんこそいつもナポリタンじゃない!」
芳雄は二人を交互に見・・羨ましげに顔を伏せた。
(何か・・俺・・お邪魔な存在・・?)
「光男・・俺・・帰ろうかな」
「何言ってんだ、せっかく美由紀に逢えたのに・・もう少し美由紀のこと知りたくないのか?」
「分かったヨー・・じゃあもう少しだけいるよ」
「俺ちょっと行ってくるヨ、西洋軒の出前はいつになるやら分からんからナー」
光男は扉を開けて出て行った・・。残された二人は所在なげにカーペットを見つめる・・。
柱時計の音だけが耳に響き・・長い沈黙が続く。
沈黙に耐えられず先に声を出したのは美由紀だった・・
「芳雄君・・先はごめんね、美由紀興奮しちゃって・・淫らな女と思ったでしょう」
「俺・・女の子の・・アレ・・初めて見て・・自分が変になっちゃった・・謝るのは俺の方さ・・」
「ううん・・美由紀・・中学生なのに光男君の女なの。芳雄君が思っているような普通の女の子じゃないの。光男君とは何回も性交したの・・気持ちがいいこと大好きな変態オンナなのよ」
「美由紀・・そんなに自分を悪く言うもんじゃないよ。俺・・光男から前にそのこと聞いたんだ。光男は自慢げに美由紀との性交の一部始終を語ったよ・・、俺はそれを知ってて今日来たんだ・・光男が・・美由紀との性交を見せてやるって言うから・・俺・・俺の方がズーと汚いよー」
「そうだったの・・光男君が見せてあげるって言ったんだ・・」
「光男には今言ったこと黙っててくれないか・・俺・・美由紀のこと好きだから・・光男のやつ無理して言ってくれたと思うから・・」
美由紀は光男も芳雄も幼いと感じた・・こんな子供相手に何やってんだろ・・と感じたが、無垢な少年の心の震えを見るのも楽しくは有り・・またそんな少年らに体を弄くられることは仄暗い快感を伴うことをいつしか知っていた・・。
暫くして光男がお盆に注文したものを乗せ帰ってきた。
「さー来たぞ! 食べようか」
三人は談笑しながら食べ始めた・・すると光男がナポリタンをフォークですくって美由紀の口に運ぶ。「美味しい!」と言いながら今度は美由紀がオムライスをスプーンですくって光男の口に運ぶ、芳雄はそんな二人の様を羨ましげに横目で盗み見る・・。
そのうちに美由紀が口に含んだオムライスを口移しに光男に含ませる・・それが合図のように二人はカーペットに横になった・・お互い口の中のものを咀嚼しながら口を吸い有っている。
芳雄はスプーンを落としカーッと赤面し・・身の置き所がないといった体で壁際に退き・・二人の痴態に魅入った。
二人は芳雄の存在は眼中に無いといったあからさまの痴態を演じている・・美由紀のスカートはめくれ上がり魅惑の白い太ももを見せて執拗に光男の唇をついばむ。
ひとしきり抱き合い口づけのあと光男は芳雄の方を見て、「見せてやるから近くに来いよ」と言いベットに昇った。美由紀は髪を掻き上げ恥ずかしげにセーラー服を脱ぎだした。美しい肌が次第に露わになっていく・・明るい照明は美由紀の美しさを隅々まで照らし、ついに淡い陰毛が芳雄の目を射る!
「芳雄君・・私たちの恥ずかしい行為を見てね・・」
美由紀はそう言うとベットの上の光男のズボンを脱がせにかかった。光男は頭の上で腕を組み美由紀のするままに任せる。
光男のパンツを脱がせるとベットの上に上がり、もう怒張しているペニスに優しく頬ずりしてから口に含んでいく・・。
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