瑞希と悠希の放課後
木暮香瑠:作

■ 姉は妹のために肌を晒す2

 裕司は、フフフと薄笑いを浮かべ喋り始めた。
「でも、俺は先生が思ってるような男じゃないぜ。悠希は、生徒会長に選ばれたのがまずかったんじゃない? 真莉亜より男の票を集めたのが、あいつらの気に触ったんだろうね」
 裕司は、悠希が虐めに遭ってる認めた。自分にはそんなことは興味がないとばかりに、あっさりと言う。
「そ、そんなことで? ただそれだけのために虐められてるの?」
 思いも因らない小さな原因に、瑞希は驚かされた。他愛もないことで虐めに奔る生徒たちに、恐怖すら覚えた。
「そんなことより悠希は来ねえのか? 悠希に用事があったんだけどな」
 虐めを受けている予感が的中したことに、瑞希はショックを受けていた。裕司は、自分のペースを守り訊ねた。
「悠希は来ないわ。それより、こんな虐め酷いわ。しちゃあいけないことよ」
 瑞希の声は上ずっていた。悠希が虐めに遭ってる事実に動揺し、裕司の視線の圧力に負けそうになる。
「フフフ……、悠希を呼んで来てくれよ。悠希に用事があるんだよ」
 裕司は、意味有り気に含み笑いをした。
「悠希にどんな用事って何なの?」
 瑞希は、後退りながら裕司に尋ねた。
「俺たちの為にストリップをしてもらおうかと思ってね」
 裕司は、表情一つ変えずに言った。
「えっ、そ、そんな事させていいと思ってるの? 悠希がするわけないでしょ! 本気で言ってるの?」
 驚きに瑞希の瞳が大きく見開かれる。学園の中で聞く言葉でない。その言葉を平然と言う裕司に驚かされた。

 その時、ふと気になっていた臭いがザーメンの臭いだと気付いた。それだけではない。女の醸し出す匂いも混じっている。オナニーの時に嗅ぐ匂いだと思い出し、瑞希は驚愕した。
(本気だわ! 高田君……、本当にさせる気なんだわ……)
 瑞希は臭いの正体に気付いた自分を恥じ、顔を真っ赤に染めた。ここで行なわれているストリップショーの実態を想像し、肩を振るわせる。ザーメンの臭いに混じる女性の淫臭は、行なわれていることの淫らを想像させた。

「どうかな? 写真を学校中のやつらに見られるのと、俺たちだけの裸を見られるのと、どっちを選ぶかなあ? 悠希は……」
 裕司はそう言うと、数枚の写真を取り出した。写真には、悠希の痴態が写っている。先日見せられた、悠希がスカートを捲り下着を着けていない恥丘を晒したもの……。それだけではなかった。M字に脚を開き、ボールペンを亀裂に埋めた写真。自らの手で割れ目を広げ、人に見せるはずにない媚肉を晒したもの。裕司の手には、決して人には見られたくない悠希の恥辱的な写真が握られていた。

 こんな恥ずかしい写真を学校中の人間に見られるくらいなら、ストリップショーを選ぶかもしれない。頭の中が混乱する。悠希が男子生徒たちに肌を晒す姿が脳裏に浮かぶ。男たちのオナニーのおかずにされている。そして、理性を失った男たちが……。
「だっ、だめっ!! 悠希にそんなことさせられないわ」
 瑞希は、叫び声を上げていた。その後を想像することが怖かった。それを振り払うように大きな声で叫んだ。
「犯罪よ! そんなこと、いけないことだわ!」
 瑞希は裕司に詰め寄り、裕司の肩を揺すった。
「そんなこと知っちゃいねえな。俺は写真を持っている、悠希がどちらを選ぶか……。俺はただ、頼むだけさ」
 裕司は、学園のマドンナ先生が目の前に体を揺すっていることさえ嬉しかった。裕司の肩を揺するたび、ブラウスの下では瑞希の豊乳が目の前で揺れている。
「そんな、あの娘は許してあげて」
 瑞希は、生徒である裕司に懇願した。

 裕司は舌なめずりしながら、揺れる胸に視線を這わせた。
「じゃあ、瑞希先生が代わりになってくれるかい? タダで、こんなうまい話を無駄にしたくわねえな」
 瑞希は冷静な判断を失っていた。部屋中に充満する淫臭と悠希の痴態を写した写真、裕司の冷たく射抜くような視線が瑞希の思考を麻痺させていた。
「わたしが脱げば……、悠希の写真は返してもらえるのね。私が代わりになれば……」
 悠希にはこんなに恥ずかしい事をされられないと言う思いが、姉としての責任感が、とっさに代わりになると口ばしらせた。

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