瑞希と悠希の放課後
木暮香瑠:作

■ 姉は妹のために肌を晒す6

 恥辱に戸惑っている瑞希に、裕司は次の指令を告げる。
「早く脱げよ! みんな待ってるんだぜ」
 裕司は、強い口調で指示する。凄みを帯びた低い声に、気弱になった瑞希は圧倒される。生徒と教師という立場を超えた上下関係がここにはあった。
(脱がなくちゃ・・・、。今は高田君には逆らえないんだわ)
 瑞希はゆっくりと股間と胸元を隠す手を外し、ブラウスのボタンに掛けた。

 指が震えて、ボタンがうまく外せない。静寂の中、気だけが焦ってしまう。やっとのことでブタンを外し終え、襟を開くとブラウスが肩をすべり床に落ちた。ブラジャーが露になり、Gカップの胸に観客の目が釘付けになる。大きく盛り上がった隆起に、観客たちの口が大きく開かれた。『うおお……』と歓喜の声を上げているようだ。
(ああ、恥ずかしい……。どうしてみんな、何も言わないの?)
 疑問に思った時、ロックの音楽が耳に入ってきた。瑞希は気付かなかったが、脱ぎ始めてすぐ裕司がCDプレーヤーのスイッチを入れたのだ。そのことさえも判らないほど、瑞希は緊張し気が高ぶっていた。

「やっぱ、でけえな……、瑞希先生の胸……」
 瑞希の耳に、観客たちの声が入ってきた。瑞希は、両腕で胸を抱くように隠した。二の腕に挟まれた柔乳がムニュっと盛り上がり、隆起の間には深い谷間を形作る。
「見ないで……、恥ずかしい……」
 自分よりずっと若い男性の視線が、瑞希の恥辱を煽る。しかし、ここで止めることは許されないことは瑞希自身が自覚していた。部屋の隅から見詰める裕司の鋭い視線が、それを物語っていた。

 生徒たちの視線は、次に現れるだろう柔肌と小さな布切れを求め股間に移動する。瑞希は、視線の異動に誘われるように手をミニスカートに掛けた。

「はあ、はあ、はあ……」
 瑞希の乱れた吐息と、観客たちの興奮した吐息が錯綜する。太腿に纏わり付く黒い皮のスカートを、瑞希は腰を揺すりながら下げていく。腰の揺れにあわせ、上半身ではブラジャーに包まれた胸が重たげに揺れている。たわわな双乳が、前屈みになった胸元で大きく左右に振れていた。

 膝まで下ろされたスカートは、ストンとステージ上に落ちた。もはや瑞希が身に着けているものは、淡いピンク色のブラジャーと、お揃いのショーツだけになった。
「あぁ……」
 瑞希は、短く溜め息を漏らすとステージの上で背筋を伸ばした。滑らかな柔肉を包むハーフ・カップのブラジャーはレースに上端を飾られ、深いV字を刻んだハイレグのショーツもレース飾りが恥丘を包んでいる。淡いピンクのランジェリーは、恥辱に桜色に染まった肌と同化して、まるで素肌を直接レースで飾っているようだ。今まで出演したどの女子生徒よりも、情緒ある大人っぽい色香を漂わせた。

 顔を真っ赤にし、俯いたまま各々の手で胸と股間を隠している。授業中に見せる清楚な雰囲気の瑞希が、今は頬を恥辱に染め肌を晒している。
 身近な学園の、憧れの女教師のランジェリー姿に、観客は興奮せずにはいられない。閉じられた瞳、吐息を漏らすため開かれた口……。大きく隆起した胸、絞り込まれた細い腰、お腹の真ん中で澄ました縦長の臍、すらりとした適度に脂の乗った太腿、きゅっと締まった足首。どれをとっても男たちの股間を刺激する。震える膝を閉じ合わせる仕草さえ、十代の観客たちには淫靡に写る。
 誰一人、瑞希の肢体から目を逸らすものはいなかった。

 毛穴まで見逃さないようにと這わされる視線が、瑞希に突き刺さる。数十という眼差しに見詰められるのは辛い。それも、普段は自分が授業を教えている生徒達なのだ。

 男子生徒たちの視線を浴び、瑞希の肢体が火照る。いつもは羨望の眼差しで見詰めていた生徒たちの視線が、今日は欲望と淫欲に満ちている。瑞希の身体の中で、熱い血潮が渦巻く。熱せられた血液は頭に上り、瑞希の脳を朦朧とさせた。
(ああ、見られてる……、恥ずかしい格好を見られてるわ……)
 ゾクゾクッと悪寒のような震えが脊髄を駆け上がる。瑞希は、自分が壊れていくような恐怖に襲われた。
「だ、だめ。もう……脱げない。こ、これで……許して……」
 瑞希は切なげな目を裕司に向け、懇願した。
「なに言ってんだ! ブラジャーとパンティを見せるぐらいだったらテレビCMでもやってるぜ」
 裕司の返事は冷たいものだった。

 瑞希の恥辱と緊張の糸は限界に達していた。視線を正面に向けると、数十という眼差しと目が合う。早く脱げと催促しているように突き刺さってくる。
「いやあ、これ以上は、もう脱げない!」
 崩れるように座り込んだ瑞希は、身体を丸め膝を抱きかかえた。
「ごめんなさい。ううっ、も、もう脱げない……。ゆっ、許して……。ううう……」
 しゃがみ込んだまま、瑞希は恥辱と後悔の涙を流した。

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