瑞希と悠希の放課後
木暮香瑠:作

■ 自ら受けた口辱2

「無理やり犯しておいて……」
 隆さんっていう素敵な恋人がいる姉が、不良の高田裕司の誘いを受け入れるなんて筈がない。無理やり犯されたのだと信じたい心が、悠希にそう呟かせる。
「どうかな? 瑞希先生に聞いてみなよ」
 裕司は相変わらず平然として言う。
「わたしのせいだわ。わたしの……」
 悠希は俯き、独り言のように言った。姉を巻き込んだ自責の念が、悠希を包み込む。
「そう気にすることもねえぜ。結構、先生も気に入ってるみたいだぜ。俺のチ○ポと瑞希先生のオマ○コの相性もぴったんこだぜ……。ひぃひぃ言って喜んでたぜ」
 裕司は、悠希をからかうように言い放つ。
「逝くって、何度も叫んで俺のチ○ポを締め付けやがる……。最高のオマ○コだな、瑞希先生のは……」
「嘘よ! そ、そんなこと……絶対にない。お姉ちゃんが、貴方なんかに感じるはず無い! 無理やり犯したんじゃない」
 悠希はやっとの思いで顔を上げ、強い口調で言った。
(だって……、お姉ちゃんには隆さんがいるんだもの……。素敵な恋人がいるんだもの……)
 同時に、悠希の頭を不安もよぎる。
(隆さんって恋人がいながら……、どうして助けを……、悲鳴を上げなかったの? お姉ちゃん。隆さん、可哀そう……)
 悠希の脳裏に、飯山隆の笑顔が浮かんだ。姉の恋人、そして悠希の憧れの人、何も知らない隆の笑顔が悠希を悲しくさせる。

「お姉ちゃんは許して……。そんなにセックスしたいなら、私を嬲ればいいじゃない。私がお姉ちゃんの代わりになるから……」
 悠希は、姉を助ける手段を思い付くまま口にした。それはまた、姉の恋人、悠希が密かに思いを寄せる飯山隆の為でもあった。
「お前のようなガキには興味ねえんだよ。お前じゃあ、チ○ポも起たねえ、感じねえんだよ……」
 悠希の必死の思いを、裕司はさらりとかわす。そのことが悠希を、さらに必死にさせる。
「子供じゃないわ!! わ、わたしだって……」
 悠希には自分の言ってることが理解できていなかった。怒りに任せ、危険な見栄を張る。自分だって男の人を感じさせることくらいできると……。

「それじゃ、俺を逝かせることができたら、瑞希先生は諦めてやってもいいぜ」
「えっ? そんな……」
 裕司の提案に、悠希の顔が強張る。しかし、手遅れであった。自分から言い出したことなのだ。今、拒絶すれば姉を裏切り、二人の関係を認めてしまうことになる。
 困惑する悠希の表情を確かめた裕司が、口を開いた。
「オマ○コしろとは言わねえ。処女は厄介だからな。ギャアギャア騒ぐし、血は出すし……。手で……、口でオレをイかせてみろよ」
 強張る悠希を見詰める裕司は、さらに提案を続けた。
「く、口で?」
「フェラぐらい知ってんだろ」
 キョトンとした悠希を見て、裕司はさらにからかいの台詞を吐いた。
「お前みたいな色気のないガキでも……」
(瑞希先生も初めてだったみたいだし、コイツが知らなくても不思議じゃあねえか)
 裕司は、さらに言葉を続けた。
「その口で、俺を射精まで導いてみろよ。二十分以内にそれができたら、瑞希先生にはもう、手を出さねえ」
 裕司の提案に、悠希は困惑していた。口でするセックスがあることくらいは聞いたことがある。しかし、今まで興味もなかったし、どうすればいいのか判らない。

 長い思惑の後、悠希が顔を上げた。
「本当? 本当ね。お姉ちゃんを自由にしてくれるのね」
 キッと裕司を睨み言う。何かを決断したかのような強い意志が眼に浮かんでいた。
(お姉ちゃんの為、そして隆さんの為だもの……。口でするくらい、我慢できるわ……)
 悠希は裕司の前で、床にそっと膝を着いた。

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