瑞希と悠希の放課後
木暮香瑠:作

■ 妹に晒す倒錯6

「あうっ、あん……。ゆ、許して……」
 三人の牡獣の執拗な責めに、瑞希の理性が溶かされていく。
「初めてでしょ? 見るの……」
 真莉亜の声に悠希は小さく首を縦に振った。
「大人はこんなことするのよ。外ではどんなにお淑やかにしてても……」

「ねえ、隆さんってどんな人?」
 麻貴は、携帯を弄りながら悠希に尋ねる。悠希の不安、心配を煽り瑞希を助けなければという気持ちを削ごうとする。
「写真じゃあカッコいいけど、何してる人?」
 しかし、悠希は何も答えなかった。
「何にも答えないんだ。じゃあ、直接聞いてみようかな?」
「だめえ! ……」
 麻貴が携帯のボタンを押そうとするのを悠希は必死で止めた。
「代館川高校の教師で……、ラグビー部の顧問で……、素敵な人です……」
 瑞希に聞こえないよう、小さな声で呟くように答える。
「悠希は好きなんだ、その人のこと」
 答えない悠希。姉の前で、そんなこと言えるわけも無い。悠希の好意を寄せる隆は、眼の前で凌辱を受けている姉の恋人でもあるのだ。
「見られたくないわよね、こんな写真……。どうなの? 好きなんでしょ?」
 携帯の画面に映る悠希の恥辱写真を見ながら麻貴は、執拗く問いただした。
「あん……、あうっ、ああ……」
 俯き答えようとしない悠希の耳に、姉の喘ぎ声が入ってくる。
(お姉ちゃん……、ごめん……)
 悠希は心の奥で姉に謝りながら、コクリと小さく頷き、好きであることを認めた。しかし官能に翻弄されている姉は、妹の本意は気付かなかった。

「いやっ、だ、だめっ……、そんなに動いたら……」
 悠希の目に映っているのは、M字に開かれた瑞希の股の茂みでどす黒い肉根が愛液に濡れ出入りする様だ。仰向けになっても崩れることなく盛り上がってる二つの隆起は、男たちの唾液と自らの汗に濡れヌラヌラと輝いている。そして、荒くなった息に大きく揺れている。男と女の営みの卑猥さを思い知らされる。
 憧れの教師の熟した媚肉に淫茎を締め上げられた新垣は、劣情の高まりと共に腰の動きを速めた。瑞希の腰が、怒張の抜き刺しに呼応してくねくねと揺れる。
「イヤイヤ言いながら、腰使ってんじゃん」
 ビデオのレンズ越しに美帆は、嘲笑うように言う。M字に開かれていた脚は、いつの間にか新垣の腰に絡み付き引き寄せるように動いて見える。
(お姉ちゃん、感じてるの? 隆さんって恋人がいながら……感じてるの? 隆さん……、可哀そう……)
 姉の淫らな腰使いを目にした悠希は、驚きと共に隆への哀れを感じる。
「悠希、どう思う? 腰の動き」
 悠希の隣で、瑞希に冷たい視線を投げ掛けていた真莉亜が問う。
「い、いやらしいです……」
 悠希は視線を逸らし、軽蔑の籠もった低い声で答えた。
「あん、ああっ、み、見ないで……。だ、だめなの……、か、勝手に……あん、ああん……」
 悠希は、姉の甘い喘ぎ声に耳を塞いだ。

 耳を塞ぎ視線を逸らしていても、三人の牡獣の汗と瑞希の発する淫蜜の混じった臭いが悠希の鼻を擽る。
(いやっ……、お姉ちゃん、感じないで……。隆さんのためにも、感じないで……)
 思いを寄せる隆のために、悠希は願った。
「ううっ、うおおお……」
 顔を背けた悠希の耳に、新垣の叫び声が飛び込んできた。耐え切れず牡の性汁を放った新垣の雄叫びだ。悠希が視線を向けると、姉は声が漏れないように両手で口を塞ぎながら、牡の性を全て吸取るかのごとく腰をガクガクと震わせていた。
「うぐっ、うぐううう……」
 瑞希の押し殺した喘ぎ声が、悠希の魂に染み込んでくる。
(いやッ、嫌らしい……。男なら誰でも良いの? お姉ちゃん……)
 汗と男たちの唾液に塗れた肢体はテカテカと光り、悠希にはとても卑猥に映る。軽蔑の対象にすら感じた。

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