夢魔
MIN:作

■ 第1章 淫夢6

 弥生が椅子の上で眼を覚ますと、辺りをユックリ見回し始め、頭を2・3度振る。
 ハッとした表情で、自分の身体をまさぐると、下着を確認する。
「あ、あれ? ちゃんと着けてる…さっきは無かったのに…。く、首輪は…無い…夢…だったの…」
 弥生は自分の股間に目を向けると、そこには椅子のクッションがビショビショに成る程、愛液が溢れていた。
 真っ赤になってスカートのお尻を触ると、そこに咥え込んでいた物も無く成っていて、スカートのお尻はずぶ濡れだった。
 弥生は大きく溜息を吐いて、肩を落とす。
(やだ…私の身体…どうしちゃたんだろ…。こんな事ばかりじゃ…おかしく成っちゃう…)
 弥生は自分の身体の異変に、真剣に憂いを感じ始めた。

(このまま、ここに居たらおかしくなりそうだわ…。今日は早退しましょ…)
 そう考えながら、荷物をまとめて立ち上がり、扉を開こうとするが開かない。
 良く見ると内鍵が下りていて、扉が開かなく成っている。
 弥生は保健室をぐるりと見渡し、その異変に気づく。
(ど、どうして…来て直ぐにカーテンは開けた筈…。窓も鍵が掛かってる…空気の入れ換えで、開けた筈なのに…)
 弥生は保健室が外部から一切遮断されていた事に、初めて気づき急いで扉を開けた。
 すると廊下には、[養護員不在]の看板が立っていた。

 愕然とした表情で、弥生は暫く固まる。
 そこに初老の用務員が通りかかり、弥生に話しかける。
「おや、上郷先生具合は良くなったんですか? 医者の不養生は感心しませんな…」
 ニコニコと穏やかな笑みを浮かべて、冗談めかして言った。
(え? ど、どういう事? 具合が悪く成ったって…私が? それって…)
 弥生の頭の中は、混乱に混乱を重ねた。
「上郷先生…大丈夫ですか? 朝も具合が悪そうな声でしたが、今も顔色悪いですよ…」
 初老の用務員は、弥生を心配し顔をのぞき込む。

「え、え、ええっ…大丈夫です…大丈夫…。あ、あの〜…私いつ電話しました…」
 弥生は引きつった笑いを浮かべると、初老の用務員に問いかける。
「はあ…朝のロングホームが始まる前ぐらいですかな…」
 用務員は訝しみながら、記憶を探って答えた。
(嘘…それじゃ…私…ここから電話して…休むって言ったの…。どうして…全く記憶にないわ…)
 弥生はあまりの事に、ボー然としている。

「ところで、上郷先生…あの〜、湿布を分けて貰えませんかの…」
 弥生はこの初老の用務員に、たまに期限が切れかけた、湿布薬を譲っていた。
 弥生は我に返り
「あ、有ります…取ってますよ…」
 引きつった笑顔を向け、薬棚から湿布を取って手渡した。
 用務員は嬉しそうに受け取ると、世間話を始める。

「最近の子供は、躾が成っちゃいないんですねぇ〜。今日も朝から大変だったんですよ…」
 初老の用務員は、眉間にしわを寄せ愚痴り始める。
 弥生はいつもはそれに、気の無い相槌を打つが、今日は思わず聞き入ってしまった。
「3階の選択教室の突き当たりに、消火栓が有るでしょ、そこに小便をして行った子供が居るんですよ。それだけじゃなく、屋上の北側の端と運動場の樹の下に、ウンコまで落ちてる始末…。あ、ああこの部屋からだと、よく見えますよ」
 そう言って用務員は窓まで歩き、カーテンを開けると正面に見える樹を指さし
「あの樹の下に、こーんな大きなウンコが、落ちてたんです」
 弥生に振り返り30p程手を広げて、弥生に大きさを教えた。

 弥生の顔は途端に、大きく引きつった。
(あ、あの樹は…私の…おトイレ…3階の消火栓も…屋上の北の端も…全部、夢の中の…私のおトイレだわ…)
 弥生の顔が蒼白に変わり出すと、それに気づいた用務員は
「本当に大丈夫ですか…、私教頭に話しておきましょうか?」
 弥生を心配そうに見詰め、言葉を掛ける。
「い、いえ…大丈夫です…。何でもありませんから…少し、椅子に掛けて休みますわ…」
 そう言って、弥生は用務員を保健室から出すと、椅子に座って頭を抱える。

(待って…私は…今日…いつ出勤して来た…。どうやって…出勤したの…。分からない…記憶が…無いわ…)
 弥生は昨日の夢を思い出す。
(昨日の夢は、いつものようにオナニーをしていたわ…それから…ご奉仕して…お散歩して…樹の下でおトイレ…2階に上がって…マーキング…屋上でお浣腸されて、おトイレでウンコした後…アナルを犯してもらった…)
 弥生の夢はそのまま、現実世界にその痕跡を残していた。
 突然弥生は立ち上がり、職員用の女子トイレに飛び込んで、個室の鍵を掛ける。
 ショーツを降ろすと便座にしゃがみ込んで、お尻に力を入れた。

(で、出ない…ううん…お腹に何も無い感じだわ…昨日まで4日間お通じ無かったから…こんな事有り得ない…)
 弥生は愕然とした表情で、トイレの個室で項垂れる。
 ウォシュレットを使い、アナルに水流を当てると、それを拭う。
 気怠い表情で、立ち上がると弥生は、家に帰る決心をした。
 トイレを出ると、弥生は職員室へ向かい、教頭に早退を申し出て、身支度を調え家路に付いた。

 弥生の家は、学校から5分程の場所にあり、直ぐに家に帰り着く。
 古い日本家屋で、塀の高い昔ながらの造りの家で、何度か手を入れ、中身は今風に改造している。
 弥生は混乱したまま、家の中に入ると、直ぐに自室へ向かう。
 愛液で汚れた服と下着を脱ぎ捨て、部屋着に着替えると、記憶を探り出す。
 しかし、一向に記憶は戻って来なかった。
 溜息を大きく吐いて、ベッドに寝転がる。
 すると、どこからとも無く、アラーム音が鳴り、弥生を眠りの世界に引きずり込んで行った。

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