夢魔
MIN:作

■ 第2章 浸食(弥生)5

 門の中に入ると、稔は弥生の白衣をはぎ取る。
 弥生は突然の行動に、小さな悲鳴をあげ、身をよじる。
 そんな弥生に、稔が静かに声を掛けた。
「弥生…好きな格好に成りなさい…隠しても、もう解ってますよ…」
 そう言うと弥生は、後ろ手を外し地面に着くと、腰をそらせて四つん這いになった。
 稔は静かに見下ろすと、リードをしゃくり弥生を歩き出させる。

 弥生は稔の前を、大きなお尻を振りながら、四つん這いで歩く。
 稔は黙って、その後を付いて行く。
 玄関に着くと、稔が扉を開け弥生は、四つん這いのまま、家に入った。
 弥生の家は玄関を入ると、直ぐに大きな板張りの居間が拡がり、そこには昔ながらの、囲炉裏が有り自在鉤が下がっていた。
 居間のあちこちには、太い梁が何本も走って、何本もの間柱が立ち、ちょっとやそっとの事では、壊れる気配が無かった。
(これは…純の奴が喜ぶな…)
 稔は内装を身ながら、友人の名前を思い浮かべる。

 居間を抜けると奥には、20畳ほどのリビングが有り、その奥がキッチンに成っている。
 リビングに着くと、稔はソファーに座り、弥生はその前に正座する。
「僕は沢山食べるから、夕食は大量に作って下さい」
 稔がそう言うと、弥生は
「は、はい、只今ご用意いたします」
 深々と頭を下げてキッチンに走り、コップにコーラを注いで持って来た。
 稔はそれを受け取ると、喉を潤す。
 弥生がキッチンに向かうと、稔は立ち上がり後を追う。

 弥生がそれに気づいて、稔に問い掛ける。
「ど、どうされました、ご主人様?」
 弥生の質問に稔は、
「家の中を見て来ます…」
 短く答えた。
 弥生は気押されて[はい、どうぞ]と答える。
 稔は家の中を、グルリと一周し始めた。

 キッチンを出ると直ぐ廊下が有り、右に向いて延ていた、その正面には階段が有り、手前で廊下は左に曲がる。
 廊下を左に折れると、直ぐ横に洋室が有り、その扉を開く。
 洋室の扉を開けると、10畳程のその部屋には生活感があり、弥生の部屋だと直ぐに解った。
 扉を閉めて、廊下の突き当たりに着くと右手がトイレ、左手が洗面所と浴室になっている。
 浴室の扉を開けると、かなりの大きさの、作り付けの浴槽が有り、洗い場も広い。
(ほう、このサイズなら、大人3人でも余裕が有る…しかし、何だこの匂いは…)
 稔は浴室全体に、立ち篭める異臭に顔を歪める。
 弥生が家の中で浣腸をし、排便する場所が風呂場のため、排水溝の中に流れきらない、便が残っているようだった。
 浴室の窓を開け、換気をして扉を閉める。

 廊下を戻り2階に上がると、廻り廊下の左手に部屋が2つ、右手に3つ部屋が有った。
 左手の2つは和室で、右手の3つは洋室だった。
 どれも、大きさはほぼ同じで、10畳程の大きさだった。
 稔は部屋を見回ると、顎に手を当てて考え始める。
(大きさも、場所も申し分ない…家付きの奴隷ですか…悪くないですね…)
 稔はひとつ大きく頷くと、階下に戻る。
 リビングに戻った稔は、ソファーに座り窓の外を見ると、庭に建物が建っている。

 稔がキッチンの弥生に、質問すると
「はい、アレは倉です。あの中には、父さんや、お爺ちゃん達が集めた、薬草が納めて有ります」
 キッチンから顔を出しながら、弥生が話す。
「薬草か…流石は薬剤師の家ですね…。何か使える物が有れば、良いのですが…」
 稔はそう呟きながら、考え始めた。
 暫くすると、弥生がトレイに食事を載せて運んで来た。
「取り急ぎ、これだけ作りました…」
 そう言ってテーブルに載せた物は、500g程のステーキ2枚、スパゲティーがおよそ3人分、卵5個は使った大きさの厚焼き卵、それに、丼に盛ったご飯とスープだった。

 稔は頷くと、それを食べ始める。
 そして、その食料は、見る見る稔の胃袋の中に消えて行った。
 その食事を、弥生は呆気にとられて、見詰めていた。
(わ、私の…3日分の食事が…1食…)
 そして、稔の一言を聞いて、更に驚く。
「味は良かったが、量はもう少し用意して下さい…サラダは無いんですか」
 弥生は顔を引きつらせ、急いでキッチンに向かった。

 弥生が作ってきたサラダを平らげ、食事を終わらせた稔が弥生を見詰める。
 弥生は稔に見詰められ、全身を真っ赤に染める。
 稔はそんな弥生の反応を見て、フッと優しく微笑んだ。
 途端に弥生の身体の奥が、反応し子宮が熱を帯びる。
(あふ〜…ご主人様…素敵…だめ…そんな目で…弥生を見ちゃ…我慢できない…)
 弥生はプルプルと震え、興奮を抑えられずに居た。
 そんな、弥生に稔が口を開く。

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