夢魔
MIN:作

■ 第2章 浸食(弥生)6

「弥生…僕は、サディストと言いましたよね…。サディストにも、色々なタイプが居るのを、知ってますか?」
 稔が質問をすると、弥生が驚きながら首を左右に振る。
 稔はフッと笑顔を作って、説明を始めた。
「僕の考える判別だから、一概には言えないけど、精神的な支配を求めるタイプ、奴隷に物理的加虐を加えるタイプ、奴隷に精神的加虐を加えるタイプ、奴隷を物と考えるタイプ、この4パターンに分かれると思っています」
 稔の説明を弥生は真剣に聞いているが、弥生には理解の外の話だった。
 稔はその表情から、弥生に解りやすく説明した。
「精神的な支配を求めるタイプは、手段に物理的・精神的な加虐を行うけど、最終的な目標は、あくまで支配なんです。だから、奉仕の下手な者は必要としません…、支配された者だけが、主人に奉仕できる。絶対服従の元にね…」
 稔はそう言うと、コーラを一口飲み言葉を続ける。

「物理的加虐を加えるタイプ、これはそのままの意味、奴隷が泣き叫び許しを請う姿を目的とする。あらゆる苦痛を与えてね…」
 稔の説明に、弥生はブルリと一つ震える。
「精神的加虐を加えるタイプは、主に恥辱を煽って、奴隷の羞恥心や、劣等感をくすぐって、喜ぶのを目的としています。いわゆる放置プレイや、露出プレイなんかが代表的です」
 稔は弥生を見詰め、理解の度合いを測る。
「最後は、奴隷を物のように扱うタイプ、これは奴隷を椅子やテーブル、犬猫の家畜や人形のように扱うんです…人としての行動を、一切許さずにね…」
 稔の説明を聞いて、弥生が恐る恐る質問をする。
「ご、ご主人様は…ど、どのタイプですか…」
 弥生は質問をした後、ゴクリと唾を飲み込む。
 稔は弥生をジッと見つめると
「僕は、精神支配のタイプです…」
 静かに答えた。

 一方その頃、森下家では娘達との食事を終えた梓は、後片付けを娘達に任せ、早々に風呂を浴び、寝室に横たわる。
 梓は身体の疼きが押さえられず、一人股間に指を這わせていた。
「あはん…あん…慶一郎さん…慶一郎さん…寂しい…。私の身体…もうこんなの、なのに…ああぁ〜…早く…早く来て…」
 梓は恋人の名前を呟きながら、オナニーに耽っていた。
「はん…はあぁ〜あ…ああん…はあ、はあ、はう〜ん…もっと…もっとよ…お願い…大きいの…頂戴…」
 梓の身体は、ここ数日絶頂を極めて居らず、チロチロと常に淫火が身を焦がしている。
「いや〜っ…だめよ…もっと…イキたい…もっと…気持ちよく…成らないと…ああ〜ぁ…どうして…どうして、イケ無いの…」
 梓は絶頂寸前に成ると、急速に快感が小さくなり、イク事が出来なくなっている。
 しかし、快感は決して無く成るのではなく、織り火のように長くいつまでも、消えないで居た。

 下唇を噛み、泣きそうな表情をすると、肩を落とし大きく溜息を吐く梓。
(どうして…どうして、こんな風に成っちゃったの…あの、夢のせい…あの夢の中だと、イケるのに…どうしてよ…)
 梓はベッドに突っ伏し、夢での快感を思い出し始める。
(あ、あんなの…変態よ…私は、淫乱じゃないし…娘達は何より大切な物…決してそんな事はしないわ…)
 梓は夢の中の自分を、思い出す。
(あんな事をするために…娘達を、毒牙に掛けさせる訳には、いかない…)
 そこまで思った梓が、フッと記憶の中にある物に気づく。
(でも…あの時の私は、それを口にしてた…それ程の快感が…あそこには有った…それに…それに、あの時の私は…淫乱だった…)
 梓は自分の思った事に、ブルリと身震いをさせ、肩を抱きしめる。

 そこに、梓の携帯から、着信音が流れる。
 梓はその着信音を聞いて、顔を輝かせる。
(け、慶一郎さんだわ! …やだ…こんな時間に、呼び出しかしら…お洋服何にしようかしら…)
 梓は、満面の笑みに成り、携帯を取る。
「あ、はい。もしもし…私です」
 上機嫌の声で、梓が携帯に出ると
『もしもし、梓君か…悪いが黙って聞いて欲しいんだ…』
 打って変わった、慶一郎の重い声。

 梓は思わず、身体を硬直させる。
『用件を先に言うと、君との関係を凍結したいんだ…。ほら、私も今大切な時期だし、妻も感付きだした…だから…頼むよ…』
 慶一郎が一方的に話し、梓はそれを震えながら聞いた。
 慶一郎は電話の向こうで、言い訳を繰り返し、いかに梓と離れたく無いかを説明するが、梓の耳には届かなかった。
 梓は電話に向かって一言
「解りました、終わりにします」
 そう言って通話を切った。
 呆然とする梓の携帯が、2度ほど鳴るが、梓は放心状態に成っていた。
 その時アラームが鳴り、梓を夢の世界に誘って行った。
 深い、深い淫夢の世界に。

 眠りに落ちた梓は、身体の奥に眠る、織り火に触れる。
(はう〜…疼く…疼くの…オ○ンコが…オッパイが…体中が…あ…つ…い…)
(どうして…どうして、イケ無い…の…気持ちよく…成れないの…お願い…お願いよ…)
(しげきが…足りないの…どうすれば…良いの…ああああぁ〜…)
 梓の意識が記憶を探り始める。
(そう…そうよ…見て貰うの…私の淫らな姿…見て貰うの…? …だれに…慶一郎…さん…)
 梓の身体が、ぴくりと跳ね一番新しい記憶を撫でる。
(だ…め…あ、あの人は…家庭に…戻った…もう、私には…戻らない…居ない…居ないの…)
(はぁ…だれも…見てくれないの…私…いらないの…見てくれないの…)
 梓の目から、涙が溢れ目尻を伝う。

 すると、梓の頭の中に、一人の影が浮かぶ。
 朧気な影が梓に、有るモノを示す。
 それは、銀色に光る、チェーンのリードだった。
 梓の顔から、悲しみが拭い去られ、欲情が拡がる。
 そして、梓の唇から、甘い吐息が漏れると、身体から力が抜け始める。
 梓の力が抜けきると、オ○ンコから大量の愛液が溢れ出し、下着を汚した。

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