夢魔
MIN:作

■ 第2章 浸食(弥生)9

 浴室で昏倒する弥生を見下ろし、稔は考えを巡らせる。
(この程度の責めで、昏倒するなら、彼の相手は無理ですね…)
 考えをまとめた、稔は弥生の背中から、足をどけると片膝を付いて、髪の毛を掴み、顔を引き上げる。
 弥生はその痛みで、眼を覚まし稔の顔を、恐怖に満ちた目で見詰める。
 稔は弥生の目を見詰めながら、そのまま唇を合わせ、舌を絡める。
 弥生は訳が解らず、稔の舌に応えながら、顔から恐怖を快感で押し出した。
(ふあ〜…何…どうして…何なの…解らない…何も…考えられない…気持ちいい…幸せ…)
 弥生は絶望から恥辱、快感から激しい責め、そして充足感とめまぐるしく変わる、稔の仕打ちに精神を翻弄される。
 そして弥生の意識は、機能を停止し、もう心の赴くまま、感じるままに行動を始めた。

 弥生は甘く鼻に掛かった、声を上げながら、只ひたすら稔の舌に応え、貪る。
 稔は弥生の乳房に手を掛けると、優しく揉みしだく。
 弥生の身体がビクビクと震え、絡める舌が激しさを増す。
 稔は掴んだ髪の毛を放し、その手でもう一つの乳房を、揉み始める。
 弥生の官能はたちまち、大きく強くなり表情に、霞が掛かってウットリとし始めた。
 稔は唇を離すと、弥生は切ない顔で、唇を舐め上目遣いに稔を見詰め、押し寄せる快感に目を閉じ、甘い声を上げる。
「気持ちいいですか…上郷先生…」
 稔は先程と違う優しい声で、弥生に語りかける。
「はい〜っ…とても…気持ちよくて〜ぇ…蕩けそうです〜ぅ…」
 弥生の表情は、言葉の通り快感に蕩けていた。

「お利口にしたご褒美ですよ…上郷先生…。これで、上郷先生と呼ばれる日が、1日短くなって、後2日に減りました」
 稔がそう言うと、弥生の瞳に、意識が目覚め始める。
(えっ…な…に…。おりこう…だと…わたしを…牝犬って…呼んで下さる…ご主人様って、言えるの…)
 弥生の頭の中で、意識が目覚め、稔の言葉を認識した瞬間、理性も目覚める。
(で、でも…それは同時に、私は生徒の奴隷に成るのよ…それは、許されるの…社会人として…)
 すると、稔に与えられる、快感が途端に薄れ始める。
(あっ…ああぁ…いや〜っ…どうして…邪魔をしないで…)
 弥生は自分の心の声に、耳をふさぐ。
 そんな弥生の反応を、ジッと何の感情も浮かべず、ガラスのような瞳で見詰め、分析する稔。

 分析を終えた稔の表情が、優し気に変わり、ソッと乳房から離れ、両方の頬に触れると、包み込むように弥生の顔を支える。
 弥生は突然の事に、ビクリと震え身体を竦めた。
 そして、ユックリと目を閉じながら近付く、稔の顔を戸惑いながら、見詰める。
(今度は…何…何をされるの…何をしてくださるの…止めて…来て…ご主人様…)
 弥生の心は、相反する二つの訴えに始まり、一人の名前を呼んだ。
 稔の唇が、頬に軽く触れ、次にユックリ瞼に触れ、少しずつペースを上げ、弥生の顔中に触れ始めた。
 弥生の身体から、稔の唇が触れる度に、力が抜け、弥生の表情が恍惚に変わってゆく。
(す…ご…く…き…も…ち…い…い…………)
 弥生の顔は目を閉じ、幸福感に満たされ、稔の唇を感じながら、心は桃源郷を彷徨っていた。
 稔は両手を放し弥生の手を、自分の首に導くと、しがみつかせ、弥生の両足を開いたまま抱え上げると、湯船に移動する。
 そして、稔は湯船にあぐらを掻いて浸かると、弥生の身体をユックリ湯船に降ろすと、自分の膝の上に導いた。
 弥生の身体が、降りてくる先には、稔のチ○ポが待ち構え、降ろす速度のまま、ユックリ弥生のオ○ンコを貫く。

 稔のチ○ポをオ○ンコに感じた弥生は、驚きの表情を浮かべ、その大きさをオ○ンコ全体で、ユックリ感じる。
 稔のチ○ポがオ○ンコを貫く速度で拡がる、その圧倒的な快感に、弥生はショックを受ける。
 それは、弥生が今まで、感じた物を全て色褪させて、過去に葬り去らせ、全てを塗り替えるに充分な快感だった。
(あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)
 弥生の頭の中は一瞬でショートし、全てを快感に埋め尽くされ、侵された。
 今の弥生の中にあるのは、快感の一文字だけだった。
 稔にとっては、全てが計算通り、行為の全てが複線だった。
(弥生…支配はね…計算され尽くす程、効果が有り…美しいんですよ…)
 弥生の反応を見詰めながら稔は、仮面のような表情に成った。

 稔は快感に染まった弥生を、抱え上げていた手を、上下にユックリと動かし始め、唇を首筋に這わせる。
 弥生の中を貫いた快感に、官能と言う根が拡がり始め、それは凄まじい速度で、全身に拡がる。
 はあ、はあ、と大きく喘ぐ、弥生の唇に稔が唇を合わせ、舌を絡めると、弥生はそれに貪るように応える。
 弥生の中の快感に、陶酔と言うなの枝々が伸び始める。
 稔は、弥生を抱えた腕を放し、腰をグラインドさせる。
 弥生の中の快感がその大きさを太く、高く成長させる。
 稔は、放した腕を背中に回し、弥生の身体を固く抱きしめ、強く抱擁する。
 弥生の中の快感から、信頼と言う名の太い枝々が、現れる。
 稔の腕が、背中から腰、腰からお尻と優しく愛撫を始め、全身を行き来する。
 弥生の中の快感に、快楽と言う名のエネルギーが、回り始める。
 稔の唇が、弥生の唇から離れ、首筋や耳を舐める。
 そして、稔の片手がアナルを愛撫し、もう片方が乳首を転がす。
 耳を舐めていた唇が、弥生の耳に、甘い言葉を奏でた。
 弥生の中の陶酔と信頼の枝から、充足感と安心感の葉が生い茂り始める。

 稔の手が、首に巻き付いた手を解き放させ、弥生の背後で組ませると、片手はアナルに侵入して蹂躙し、片手は髪の毛を掴んで喉を晒させ、口はその首筋に歯形を残す。
 弥生の中に現れた木に、服従と支配と言う、2本のツタが、複雑に絡みつく。
 稔はフイニッシュを向かえる動きを取り始め、弥生の耳に[イケ]と命じる。
 稔が弥生の子宮に、精を放った瞬間、弥生も絶頂を極める。
 その絶頂は、弥生の全てを解き放ち、同時に弥生の全てを束縛した。
 弥生の中の木は、至福感と言う名の花を咲かせ、その全てを隷属と言う、棘を纏ったツタに覆われた。
 こうして弥生は、稔によって、現実世界の奴隷に移し替えられた。
 弥生にとって、稔は[決して抗う事の出来ない、絶対の存在]に位置づけさせられた。

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