夢魔
MIN:作
■ 第3章 浸食(梓)9
稔はビデオカメラを元に戻し、ソファーに座ると梓に声を掛けた。
「牝豚…こっちに来なさい…」
梓は顔を上げると、ショックを顕わにする。
(め、牝豚…それが私の呼び名なの…)
梓は項垂れながらも、四つん這いで稔に近づく。
稔は足下まで、這って来た梓の髪の毛を掴むと、引き上げて顔を上げさせる。
「不服なの? 仕方ないでしょ…貴女は名前も何も教えないんですから…何らかの呼び名は必要でしょ…」
稔の言葉に梓はハッとして、稔の顔を見つめ
「あ、あの…自己紹介を…させて頂いても…宜しいでしょうか…」
消え入りそうな声で、哀願する。
しかし、稔の答えは冷たく、梓を打ち据える。
「もう遅い…貴女の名前は、牝豚です…自分の行動の遅さを、悔やむんですね…」
梓はウルウルと涙を浮かべ、言葉を発しようとするが、その瞬間稔に頬を握りつぶされ、言葉を遮られた。
「牝豚が人間の言葉を、喋ろうと言うんですか…。牝豚は牝豚以外の行動を、執ってはいけません」
この稔の命令で梓は、牝豚に位置づけられてしまった。
(そ、そんな…わ、私…そんな積もりじゃ無かったのに…)
梓は自分が何者かを言わなかった事を、初めて後悔した。
そして、稔は更に梓に追い打ちを掛ける。
「言って置きますけど、僕は獣と交わる趣味は有りませんからね…勿論奉仕もさせません…獣はあくまで愛玩物だから、精々おもしろい事をして、僕の目を楽しませて下さい…」
梓は愕然とした表情で、稔を見つめる。
稔の表情が、仮面のように変わり、梓に言葉を付け加えた。
「今迄で2回の不服従が有りました…3回目は只では済ませませんよ…」
梓にとってこの言葉は重くのし掛かり、梓の心を雁字搦めに縛り付けた。
目の前で項垂れるだけの梓に、稔は溜息を吐いた。
(全く…一から躾をしなくちゃいけないようですね…手間が掛かるが、仕方有りませんね…)
心の中で自分にそう言うと、稔は静かに立ち上がり、トランクケースに向かって歩いた。
トランクケースを開けると、稔はいくつかの小道具を取り出し、梓に近づき髪の毛を掴んで、顔を上げさせる。
「どうもこの牝豚は、躾が成っていないようだから…今から僕が、躾けてあげましょう」
そう梓の目を見つめ、宣告した。
梓は怯える目を稔に向けながらも、頷いて[ブウ]と鳴いた。
稔は梓の前に鼻枷を差し出し、鼻の穴にフッキングして、首輪に固定する。
梓の鼻は醜くつぶれ、鼻の穴を奥まで晒した。
梓は首輪に鼻枷を固定されたため、顔を俯ける事も出来なくなり、悲しげな表情で稔を見詰める。
次に稔は豚の尻尾の飾りが付いた、アナルバイブを取り出し、梓のアナルに無造作に差し込む。
梓は背中を反らせて、余りの痛みに悲鳴を上げそうに成ったが、辛うじて豚の鳴き声で鳴いた。
荒い息を吐く梓の前に稔は、犬の尻尾の飾りが付いた、同じ形のアナルバイブを差し出すと
「牝豚のアナルに入っているのは、これと同じ物です…これがどういう物か、よく見ているんですよ…」
稔はそう言うと、リモコンを取り出し操作を始める。
梓の目の前に差し出された、アナルバイブはビーンと甲高い音を立てて震え出すと、ウネウネと動き出す。
そして、その長さが徐々に短くなると、付け根の部分がドンドン膨張を始める。
稔がリモコンを操作すると、その動きが速くなり、付け根の大きさも比例して膨張する。
「これは、アナルの拡張用なんですが、初心者にはかなり辛い物です…。その分効果は絶大だけどね…普段は薬を使って、痛みを和らげながら、使うんだけど…躾の成ってない牝豚には、勿体ないでしょう…」
稔は言葉を句切ると梓の瞳をのぞき込み
「これは、振動や蠕動を起こしながら、最大10pまで膨張しますからね…そこまで行くと、間違いなく肛門括約筋が切れて、アナルは垂れ流し状態に成ります…。動きは僕から離れると、徐々に強くなるから気をつけるんですよ」
そう言って稔が立ち上がり、2・3歩後ろに下がると、稔の言葉通りゆっくりとアナルバイブが動き出す。
梓はそのおぞましさに、震え上がり急いで稔の元に這い寄る。
稔はそんな梓を無視し、ソファーに移動すると、梓もピッタリくっついて、移動する。
ソファーに座ると梓は膝にパッドを当てられ、乳首とクリトリスに金具を取り付けられた。
その金具から線が出て、膝のパッドに伸びている。
梓は恐怖心いっぱいの顔で、稔を見詰めると、稔が優しく梓に語りかける。
「四つん這いで、膝をついてごらん…」
稔の優しい言葉と表情に、梓は直ぐに従い四つん這いに成って、膝を着いた。
その瞬間梓の身体が跳ね上がる。
驚きの表情を浮かべ、冷や汗を垂らし、口を開いたままの梓が、稔を見詰める。
「クリトリスと乳首に電撃が走ったでしょ…くれぐれも膝は着かないようにね…」
稔は梓の顔を見詰め、優しく説明した。
梓の顔はもう恐怖と屈辱で、いっぱいに成っていた。
だが、梓の受難はここからが本番だった。
稔は銀色に光るゴルフボール程の金属球を3個取り出し、梓に見せると
「牝豚は僕が投げる、このボールを拾い集めて来るんですよ…豚の鳴き声を上げながら、オ○ンコに入れてね…」
そう言って梓に笑いかける。
梓はそのボールと、稔の顔を交互に見て、不安の色を濃くして行く。
稔はそんな梓の表情を見て
「うん…当たり」
これ以上ないぐらい、優しい微笑みを浮かべ、リモコンのスイッチを入れる。
その途端、稔の手のひらのボールが、激しく振動しお互いがぶつかり合って、稔の手から飛び出した。
「このボールは、僕に近づけば近づく程、振動を強めます。こうやって、手で握っても止まらない程の振動になるんです」
そう言って稔は、金属球を握りしめると、稔の手が押さえきれない程、震えていた。
梓は泣きそうな顔で、口をパクパクと開け閉めする。
稔はそんな梓の頬をペチペチと叩き、ニッコリと笑って
「良いですか…必ずお尻を左右に振って、豚の鳴き声を上げるんですよ…行く時も、帰る時も必ずね…。出来て無かったらこれですからね…」
そう言って騎乗鞭を鋭く振り、梓の耳元の風を切る。
梓の顔がその音で凍り付き、全身に鳥肌を立てた。
稔がソファーに深く腰掛け、ボールを持つと
「さあ…始めましょうか…」
そう言って軽くボールを放り投げる。
梓の躾がこうして始まり、梓は決して抜けられない迷宮に入り込んだ。
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