夢魔
MIN:作

■ 第4章 主人6

「泣いてどう成る物でも有りませんよ…3度目の不服従です…」
 稔が言った[不服従]の言葉に梓は、ビクリと震え泣き崩れる。
 稔の手が梓の首に伸びて行き、その首輪の留め金に触れると、梓は稔に縋り付いた。
「お、お願いします…それだけは…それだけはお許し下さい…。何でも…何でもします…捨てられるのだけは…嫌ーっ」
 梓は稔の足下に顔をすりつけ、号泣する。
 梓はもう離れられなく成っていた、稔の責めも、真の快感も、この異常な環境も、梓が今まで感じた事の無かった世界も、梓の心の奥深くに食い込み、欠け替えのない物に変わっていた。
(いや…いや…いや…もう、一人はいやーっ…捨てないで…おねがいします…)
 梓は必死に稔の足にしがみつくも、稔の手は梓の首輪の金具を掴んだ。
 その時、真が稔に声を掛け
「ちょっと、待って下さい稔君…放逐するのは、少し早計過ぎる。何か理由が有ったのか、聞いて上げましょう」
 真は慌てて走り込んで来て、稔の手を握り、動きを止めさせた
 梓はこの主人を、驚きの目で見詰め
(ああぁ…私は何て愚かなんだ…こんな…こんな方に、あんな態度を取るなんて…申し訳御座いません…)
 ガックリと項垂れ、更に涙を流す。

 梓は真に諭され、涙を拭い姿勢を正して、真の手を避けた経緯を話した。
 稔と真はその話を聞いて
「ふ〜ん…セクハラねぇ…その病院長に、私が似ていたから…つい、避けてしまったと…」
 真は腕を組み稔を見ると、稔は首を傾げて
「その病院長と、真さんが似ていると言うだけで、梓は真さんを否定したんですね」
 梓に向かって、追い打ちを掛ける。
 そこに、弥生が現れ
「すみません…私も一言、言わせて下さい。梓さん…今すぐに真様に謝罪すべきです…そんな理由最低です」
 メガネを押し上げ、凄い剣幕で梓にとどめを刺した。
 真が腕組みを解いて、稔に自分の考えを言う。
「稔君…ここは当事者の権限で言わせて貰うが、取り敢えず私は梓の誠意を見せて貰い、その結果を君に知らせよう…。その上で君が満足の行く、処罰を与えてくれないか? どうだろうこの意見…通してくれないか?」
 真が稔にそう言うと、稔は暫く考え
「解りました。それは、それで筋が通っています。梓の処罰は保留にしましょう」
 そう言って、立ち上がる。

 梓は真に向き直り、謝罪の言葉と感謝の言葉を述べ、縋り付いて泣いた。
「さあ梓、君は後2時間程しか、今日は居られない…タップリと謝罪の心を見せて下さい…」
 そう言って梓に手を差し伸べ、微笑んだ形の目の奥を鋭く輝かせる。
 その目の光を、稔は見逃さなかった。
(真さん…少し、怒ってるな…本気になってる…)
 2階の客間に行くため、奥に消えた真と梓を見て稔が呟く。
「本気の真さんに2時間…梓には、何よりの罰かも知れないな…」
 稔の呟きを聞いて、弥生が恐る恐る質問する。
「ど、どう言う事ですか…本気って…罰って…」
 弥生の質問に、稔が静かに答える。
「弥生…真さんの手、凄かったでしょ…だけど、あれはまだ、全然本気じゃないんです…真さんが本気を出したら、男の僕でも、今の10倍は気持ちいいんですよ…。それに、自在に大きさを変えるチ○ポと、全身バネのような筋肉と、蛇のように柔らかい身体で、2時間責められたら…どう成ると思います…。それだけじゃ無く、あの気持ちよさは、手だけじゃ無くて、全身に拡げる事が出来るらしいんです…」
 稔の言葉に、弥生の顔が引きつる。
(そ、そんなの…死ぬか…狂っちゃう…こ、恐い…)
 弥生の顔を見て、稔が付け加える。
「僕らの仲間の中で、一番怒らせちゃ駄目な人だよ…覚えておくんですね…」
 弥生は何度も首を縦に振って、自分の肝に銘じた。

 稔は弥生に居間の床に出来た、愛液とオシッコの水溜まりを始末させると、後片付けをしてリビングに戻る。
 リビングに戻ると、2階から微かに、梓の淫声が届いてくるが、その声はどこか苦痛を堪えているようにも聞こえる。
 弥生がその声を聞いて、稔の足下で身体を震わせる。
 稔はそんな、弥生を優しく抱きしめると
「真さんに色々教わったね…試してみて下さい…」
 耳元にソッと囁いた。
 弥生は抱きしめられた、稔の手に自分の手を重ね合わせ、頬を染めながら
「はい、ご主人様…弥生の奉仕をお試し下さい」
 嬉しそうにハニカミながら、稔に従った。
 弥生はするりと、稔の腕の中から抜けると、股間に顔を埋めて、稔のチ○ポにキスをした後、口の中に咥え込む。
 そして、真に習ったばかりの、舌技を稔に披露する。
「ん、ん〜っ…良い…昨日とは大違いです…弥生は物覚えが良いですよ…」
 稔が快感を口にし、弥生を褒めると、弥生は蕩けるような笑顔を見せる。
(はう〜ん…やっぱり…嬉しい…ご主人様に、褒められると…凄く嬉しくて…感じる…)
 弥生は頬を赤く染め、口淫奉仕に力を入れる。

 10分ほど弥生がフェラチオを続けると
「うん…気持ちいいよ…。弥生、僕のを飲んでみますか?」
 稔が弥生の、頬を撫でながら、聞いてきた。
(え〜っ…弥生の奉仕で、イッて下さるの! …欲しい…飲みたい…)
 弥生は稔の目を見詰め、真っ赤になりながら、何度も頷く。
「上手に出来るように成ったご褒美です…じゃぁ、加速させて僕の快感を感じながら、強弱を付けて下さい」
 稔の言葉に、弥生はウットリと従い、頭の動きを早め舌を絡める。
 ヌチャ、ヌチャ、チャプと湿った音を立て、口淫奉仕に緩急を付ける。
 弥生の口の端からは、口腔に溜まって溢れた涎が、滴り落ちて床を汚す。
(あ、…ご主人様のおちんちん…今、ピクッてはねた…ここが気持ちいいの…ここも…ここもね…)
 弥生は稔の反応する、ポイントを探し、的確に舌を這わせる。
「弥生…出ますよ…受け止めて」
 稔が射精を向かえる。
 弥生の喉の奥に、稔の精液が飛び出し、その口腔を満たす。
(ああああぁ〜…あつい…すごい…しあわせ〜…)
 弥生は稔の精液を口に受け止め、その味・匂い・温度を同時に感じ、幸福感に包まれる。
 弥生は初めて、口に精液を受け入れたにも関わらず、それをとても懐かしく、大切な物と感じていた。

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