夢魔
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■ 第4章 主人16

 沙希はクラクラとする頭を振り、レシーブ位置について庵の方を見ると、庵はジッと沙希を見詰めている。
(ま、また狙ってくるのね…、今度は避けなきゃ…あんなの何発も、当たったら…死んじゃう…)
 沙希はジッと庵を見詰め、ボールに対する集中力を高める。
 そして、庵の打ったサーブは、またも一直線に、沙希の顔面に向かって飛んで来た。
 沙希はそのサーブを、横に飛んでかわす。
(な、何よ…今のスピード…有り得ない…反応なんか出来ないわよ…。今のはたまたま避けられたけど…)
 沙希は庵の打った、サーブのスピードに驚き、すくみ上がった。
 その為庵のセカンドサーブに対する反応が遅れ、中途半端なリターンが精一杯だった。
 前に出てきた庵に、沙希は反射的に恐怖感を感じ、コートにしゃがみ込んでしまった。
 庵はそんな沙希の身体に、正確にボールを打ち込む。
「ひーーーっ!」
 庵の打ち込んだボールは、沙希の右の太ももに、真っ赤な跡を残して、コートの外に飛んでゆく。
「30−0」
 狂のポイントのコールが、テニスコートに響く。
 そして、陵辱テニスはまだまだ続く。

 沙希は6ゲーム目で上着、7ゲーム目でアンダースコートを脱ぎ、今は下着姿でゲームをしている。
 庵はテニスの動きや、技術をその身体に完全に植え付け、その超一流の筋力と身体操作能力で、ボールをミリ単位でコントロールする程に成っていた。
 8ゲーム目では、沙希を意のままに操り、ネットの前におびき出しては、至近距離からスマッシュやボレーを沙希の身体に叩き付ける。
 沙希の顔は、涙と鼻血でボロボロになり、身体は全身に汗をかいては、転がったせいで土で汚れドロドロに成っている。
 9ゲーム目では、庵の狙いが乳房に集中して、沙希の両の乳房は真っ赤に腫れ上がった。
 そして、10ゲーム目が始まると、沙希は全裸になり、フラフラとレシーブの姿勢を取った。
 庵はユックリとサーブを打ち、沙希がそれを反射的に拾う。
 沙希の頭の中には、既に思考が働いて居らず、長年習い覚えた動作で、ボールを打ち返す。
 9ゲーム目から前後左右に振られていた沙希は、体力的にも限界が近く、しょっちゅう足を縺れさせていた。
 庵のボール運びに誘われ、憐れな沙希はサービスコートに誘い出され、ロブを打ち上げてしまった。
 中途半端なロブを、庵はスマッシュする。
 庵の渾身のスマッシュは、沙希の股間の敏感な肉豆を直撃した。
「キャフーーーン…」
 沙希は甘い悲鳴を上げ、ラケットを取り落とし股間を押さえて、のたうち回る。
「15−0」
 狂のポイントコールが響き
「前田さん…早くリターン位置について下さい…ゲームが終わりませんよ…」
 稔の声が、踞る沙希の背中に、無情に降り注ぐ。

 沙希は身体を起こすと、稔達に向かって必死に抗議する。
「も、もう止めて…許して…。こんなのテニスじゃないわ」
 沙希の抗議を稔が、問いただす。
「ルール上、何の問題も無い筈ですが? それに、最初にボールをぶつけたのは、前田さん…貴女だったでしょ?」
 稔の言葉に沙希は、ぐうの音も出ない。
 項垂れる沙希に、稔が追い打ちを掛ける。
「貴女は勝負を反古にしようと言うのですか? それとも、ここで負けを認め、僕達の勝利を確定させるお積もりですか?」
 稔の無情すぎる言葉に、沙希が反論しようとすると
「お前の努力してきた世界は、それが通じるのか…自分の旗色が悪くなると、泣いてごねれば、勝利が転がり込むのか…」
 庵が沙希に言葉を掛けて来た。
 沙希はその言葉に、下唇を噛み項垂れる。
「随分楽な世界だな…俺の生きている場所なら、そんな物、負け犬の遠吠え以外の何物でもないぞ…」
 庵が更に沙希に、言った。
 沙希は庵の言葉に顔を上げると
「ご免なさい…何でもないわ。続けましょう…」
 精一杯の虚勢を張って、立ち上がっる。
 そして、その後3度クリトリスに、ボールの直撃を受け勝負を終わらせた。

 テニスコートの真ん中で、股間を押さえて踞る沙希に、稔達がカメラを手に持ち集まる。
「勝負は付きましたね…今から貴女は僕達の奴隷です。良いですね?」
 稔の言葉に沙希は、ビクリと肩を振るわせると、嗚咽を漏らし始めた。
 泣き崩れる沙希に狂が、ラケットを拾って来て、自分の肩を叩きながら
「返事も出来ないのか…奴隷にとっては、許されない行為だよな…」
 誰とは無しに言葉を掛ける。
「そうですね、これは間違い無く、お仕置きが必要ですね…」
 稔も同じように、言葉を掛けると
「おい、お前処女か?」
 庵が沙希に向かって、質問した。
 沙希は庵の質問にも、嗚咽を漏らし、踞るだけだった。
 そんな、沙希のお尻を、庵が無造作に蹴りつける。
 それは、何の容赦もない蹴りだった。
「ぐーーっ」
 沙希は悲鳴を上げて、顔を上げる。
 その顔には、いつもの沙希の自信に溢れた、闊達さは微塵も無く、ただの打ち拉がれた少女だった。

「気をつけた方が良いですよ…彼は痛覚が無いですから、加減という物を知りません…」
 稔が庵を指さし、沙希に忠告する。
「ですから、呉々も彼の機嫌を損なうような真似は、避けて下さい。本気で洒落に成らないような状態に、成りますよ」
 稔がそう言うと、狂が口を挟む。
「それに、俺達を毛嫌いする、お前に同情を挟むような奴じゃ無いしな…。こいつは、心が狭いんだ」
 嘲るような狂の言葉の後、庵が同じ質問を繰り返す。
「おい、お前は処女か?」
 庵の質問に、恐怖で顔を歪ませながら
「はい、処女です」
 沙希が今度は、素直に答えた。
 庵は狂から沙希のラケットを受け取ると、凍り付くような冷たい威圧の視線を向け、沙希に向かって放り投げる。
 沙希はラケットを受け取ると、自分のラケットと庵を見比べ、恐怖に打ち震え後ずさる。
 そんな沙希に、庵は低い威圧感を込めた、無情の命令を出した。
「それで、処女膜を突き破れ…」
 沙希は庵の命令に、目を剥いて驚き、ボロボロと涙を流して、首を左右にユックリ振って更に後ずさる。
 その光景を稔と狂は、無言でカメラに納める。
 沙希に向かって、庵が酷薄な笑みを浮かべ、威圧感を膨らませて、一歩踏み出すと沙希は号泣して、庵の足に縋り付いた。

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