夢魔
MIN:作

■ 第4章 主人17

 足下に踞る沙希の頭に、おもむろに手を伸ばした庵が、髪の毛を鷲掴みにして引き上げた。
「ぐーーひーっ」
 髪の毛をつかまれ、引き起こされた沙希は、庵の顔の高さ迄引き上げられ、苦痛で顔を歪めながら、完全に宙に浮いた足をばたつかせ、身体をもがかせ、庵の手を両手で掴んで解こうと足掻く。
 そんな沙希のお腹を、空いた方の手で、庵が殴る。
「ぐふぅ…」
 沙希の口から篭もったような、苦鳴が漏れ沙希の動きが鈍くなる。
「手を後ろに組め…」
 庵が沙希に命じると、沙希は掴んでいた庵の手を放し、急いで背中に手を回して組んだ。
「お前は勝負に負けて、俺達の奴隷に成った…間違い無いな…」
 庵の声が低く恫喝を込めながら、宙づりの沙希の耳に届く。
 沙希は痛みを堪えながら、何度も頷くと、庵がもう一度腹に拳を入れる。
「お前は…喋れないのか? 何なら本当に喋られないように、してやろうか…」
 庵は沙希の細い首に、手を掛けて親指を喉に当て、軽く押し込む。
「け、けへ…こほ…。や、止めて…許して…許してください…酷い事…しないで…お願い…お願いだから…」
 沙希が泣きながら、庵に訴えると、庵は沙希の喉を押しつぶし
「だれが、そんな事を聞いた…お前は俺達の奴隷に成ったのかって、聞かなかったか…」
 沙希に向かって、再び質問した。
 沙希は目を剥き、苦痛に顔を歪めて
「くほっ、かっ、けへっ。は、はひ…奴隷に成りました…」
 掠れた声で、小さく庵に答えた。

 庵の絶対的な暴力の前に、沙希は震え上がり、反抗心を無くした。
 沙希は実際庵に喉を押され、自分の生命の危機さえ感じていたのだ。
 それ程、庵の与える痛みは、的確で容赦のない物だった。
(この人…痛覚が無いって言ったけど…痛みを知らないの…。だから、こんな酷い事…平気で出来るの…)
 沙希は心の中で、庵の事を理解し恐怖した。
 そこに、稔が声を掛けてくる。
「庵はね、子供の頃から虐待を受けて、痛みを感じなくなったんだ…。だから、どうすれば痛みを感じられるか、凄く興味があってね、人を痛めつける事を、研究して居るんです…。だから、彼に接する時には、充分気をつけるんだ…じゃないと、死ぬよ…」
 稔がソッと、庵が沙希の喉元に掛けている手に、手を重ねる。
 すると、庵はその手を放して、元の位置に戻した。
 そして、稔が庵に向かって頷くと、庵は沙希の髪の毛を掴んだ手まで、無造作に放す。

 途端に沙希の身体は、テニスコートにドサリと落下し、背中を丸めて踞った。
 地面に踞った沙希の前に、稔がしゃがみ込むと
「僕達のグループには、もう一人居るんだけど、その人に接する時も、充分に気をつけるんだよ…一番とんでもない人だからね」
 沙希に優しく静かに説明する。
 沙希は稔の声を、うつろな表情で聞いた。
 しかし、その態度を庵は許さなかった。
 庵は沙希の乳房を、爪先で蹴り上げ仰向かせると、その乳房に足を載せ体重を掛けて、踏みにじりながら
「稔さんが丁寧に説明して下さってるのに、返事はどうしたこのゴミが!」
 沙希を激しく罵倒する。
 沙希は庵に踏みにじられながら
「ご免なさい…ご免なさい…許して…許して下さい…」
 必死に詫びを入れる。
 しゃがんだままの稔が、庵の足に触れ首を横に振ると、庵は体重を抜き、足を乳房から外した。

 そして、その一部始終を、カメラに納めていた狂が
「マゾ牝発見、マゾ牝発見」
 投げ出された沙希の下半身を、ビデオで写して大声で言った。
 沙希はその声の意味が分からず、声のした方に顔を向けると、狂が自分のオ○ンコをビデオに収めている。
 沙希は驚いて足を閉じ、自分のオ○ンコを、両手で押さえて隠す。
「何してんだ…折角お前の濡れたオ○ンコ撮ってんだろ…足を大きく拡げろよなぁ〜」
 狂が不満を顕わにして、沙希に命令する。
 庵が一歩踏み出し、沙希が恐怖に顔を染め震えるのと、稔が庵の動きを止めたのは、ほぼ同時だった。
 稔に驚いた視線を向けた沙希は、自分に向けてユックリ顎を引いて頷く、その動きで、自分に何が求められたかを理解した沙希が、屈辱に耐えながら唇を噛んで、閉じた足を少しずつ開く。
「両手で膝の後ろを持って、大きく開きなさい…」
 稔が穏やかな声で、沙希に命令すると、沙希は目を固く閉じ小さく頷いて、両手で膝の後ろを持って、抱え込む。
 庵に対する恐怖で、支配された沙希の心の中は、大嫌いな筈の稔の穏やかな話し声が、唯一の逃げ場所になっていた。
(こいつの事…大嫌いだけど…今は、この人が居ないと…私…)
 稔を見詰める沙希の目に、恐怖と嫌悪と哀願が混ざり合って、複雑な表情を作る。
(うん…精神状態は、良い感じで追い込めそうだな…このまま、堕としてしまおう…)
 稔は沙希の瞳を見詰めながら、沙希の視界から外した手で、狂に向けて合図を送る。

 狂は稔の合図を理解すると、カメラをのぞき込んで、沙希の身体を映しながら
「ほらほら…、オ○ンコビショビショに成ってるぜ…。お前こんな事されて、濡れるんだから、相当の変態だろ」
 沙希の羞恥心を煽り始める。
「う、嘘よ…濡れてなんか居ないわ…感じてなんか無い…」
 沙希が頭を振って、狂の言葉を否定すると、稔がオ○ンコに手を伸ばし、愛液を掬い上げ
「それは、違います。こうやって愛液が溢れているのは、事実です」
 沙希の目の前に、愛液で濡れた手を差し出し、事実を認めさせる。
 沙希はオ○ンコを撫でられ[ひうぅ]と恐怖と快感の混ざり合った声を上げ、差し出された愛液混じりの手を見詰めて、嫌々をしている。
(いや、違う…違うの…これは、そんなんじゃない…。私は、そんなのじゃない…)
 沙希が稔の手を見詰めて嫌々をしていると、庵が動き沙希の股間に、指を這わせ愛液を掬い取って、口元に運ぶ。
 沙希はビクリと縮こまり、庵の行動を見詰めていると、沙希の愛液で濡れた指を、舌で舐め上げる。
(い、いや…止めて…確かめないで…)
 沙希が追いつめられた表情を浮かべると、庵がその口を開く。
「おい…、これはどう見ても、マ○コ汁じゃ無いかよ…。お前も舐めてみろ、良く分かるからよ」
 そう言って沙希のオ○ンコから、愛液を掬って、口元に差し出した。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊