夢魔
MIN:作

■ 第5章 浸食(沙希)2

「行き先は、化学準備室です…そのまま這って進んでください」
 稔が行き先を告げると沙希は大きく頷き、お尻を上げて四つん這いの姿勢を取り、稔達を見渡す。
 稔と狂もビデオカメラを持ち、沙希を促すと沙希はフラフラと四つん這いで這い始める。
 沙希が這い進む、右前に狂、左前に庵、真後ろに稔がカメラをそれぞれ持って、撮影しながら進む。
 テニスコートを出た沙希は、左に曲がる最短コースが有るにも関わらず、直進を始める。
 沙希はお尻を高く上げ、地面から膝を上げた高這いの姿勢で、アナルに生えた尻尾を、右に左に振り這い進む。
 必然クリトリスと、乳首の鈴が暴れて、涼やかな音色を奏でる。
 チリリーン、チリリーンと沙希が身体をくねらせ、手足を動かし這い進み必要以上にお尻を振る。
 稔達3人はその姿をそれぞれのアングルから、カメラに納める。
「へっへぇ〜沙希良い格好だぜ…もっと可愛くでかい尻を振ってみろよ…」
 狂が沙希の羞恥心を煽ると、庵が言葉を繋げる。
「本当…お前の尻は、叩き甲斐が有りそうだ…。俺が座れ無く成るまで、叩いてやろうか?」
 庵が沙希の被虐心を煽る。
 すると沙希は、ハァハァと荒い息を吐いて、上体を下げ休息を取るが、決して膝を曲げてお尻を下げようとは、しなかった。
 どれどころか、地面に付いた胸元を中心に、誇示するようにユックリとお尻を、振っていた。
(だめ〜っ…きもちいい…こんなに、きもちいいの…はじめて…。だいきらいな…柳井たちに…みられるてるのに…とまらない…)
 意識では稔達の存在を、嫌悪し抗おうとするが、身体は自分の意志とは裏腹に、稔達の言葉に反応する。
 それが、更に沙希の快感を強めていった。

「ほら…そんな所でお尻を振っていては、準備室に辿り着きませんよ…早く進みなさい…」
 稔の言葉に沙希が頷いて、上体を持ち上げ鈴を鳴らしながら、進み始める。
(あ〜ん…いつもなら…おかんちょう…されるのに…。おねだりしなかったからかな…)
 沙希は完全に淫夢の中の行動と、今の現実の行動を摺り合わせていた。
 その大きなお尻を徐々に左右に強く振り、内股の間に鈴を打ち付け、澄んだ鈴の音を激しく鳴らす。
 そればかりか、沙希は地面に着く手を、身体の内側に入れる事で、自らの乳房を揺らせて、乳首の鈴もわざと鳴らしている。
(この音…すき〜っ…沙希が…いやらしいこって…いってるみたい…。沙希は…いやらしいこです…うんと…おしおきしてほしい…)
 口をだらしなく半開きにし、ピンクの舌で自分の唇を舐め回しながら、沙希は自己陶酔に浸っている。
(へへへっ…こいつ、この調子なら…今すぐにでも、商店街をこの格好で歩かせられそうだぜ…)
 狂がビデオを取りながら、沙希の羞恥責めについて考えていると
(こいつのこの乳は、責め甲斐が有りそうだ…純に縄で縛らせて、何本針が刺せるか、記録に挑戦してみようか…)
 庵がビデオを取りながら剣呑な事を考えて、薄笑いを浮かべる。
 そんな中、一人冷静にビデオのファインダーを覗く稔は
(うん…やはり、情報を与えて恐怖感を煽ったのは、効果が有ったみたいですね…侵攻が強くなっている…これなら、彼女も同じような物でしょうから…明日は学校に行って、様子を見てみますか…)
 もう一人のターゲット、美紀について考えていた。

 屋内プールの建物と、学園の外壁の細い道に差し掛かった時、稔の携帯が音を立てた。
 稔は学生服のポケットから携帯を取り出すと、サブディスプレイを見詰める。
 電話の相手は真からだった、稔はそのまま携帯を繋いで、耳に当てる。
『もしもし、稔君…ごめん、悪いんだけど今日、稔君達の食事は作れそうも無さそうなんだ…』
 真は稔にそう言って謝罪する。
 すると、稔の表情が途端にスッと消えて、電話に向かい恐ろしく低い声で
「どういう事ですか…それは、僕は昼飯も食べていませんし、二食抜けと言う事ですか…」
 携帯に向かって質問をする。
 その会話を聞いた途端に狂と庵がギクリと、表情を変え稔の方に、目線を向ける。
『い、いや…そう言う事じゃないんだ…ただ、私が弥生に対する教育に、熱が入りすぎて…買い物に行けなかったんだ…』
 電話の向こうの真が、焦りながら言い訳を始める。
「それで…僕の食事が抜かれる事に、成ったんですか…」
 稔の声は、更に冷たく低く響き始める。
『い、いや…それでね、君が良ければ…ファミレスでもどうかなって…思って電話したんだ。あっ…勿論私の責任だから、私の奢りですよ』
 電話の向こうの、真がそこまでを一挙にまくし立てる。

 すると、稔の態度が、緩和を始め
「そうですか、真さんの奢りでファミレスですか…良いですね、じゃぁこっちの用事が済み次第、直ぐに行きましょう。弥生はどうですか?」
 稔の声のトーンが、途端に普通に戻ると、狂と庵がホッと胸をなで下ろし、電話の向こうで真の引きつった声が
『や、弥生は今、疲れ果てて眠ってるよ…この後、君達が何時に成るのか、聞いて用意をさせよう…』
 真が早口にそう言うと、稔は暫く考え
「後2時間もあれば、大丈夫だと思います…。そうですか…弥生は…眠ってますか…」
 稔の声がまた、低く沈んでゆく。
『う、うん…解った…後2時間だね…。あ、あのね…弥生は悪くないから…僕が、責め過ぎただけだからね…』
 真は稔に念を押し、携帯電話を切った。
 俯いて電話をしていた、稔が顔を上げた時、狂と庵が顔を見合わせる。
(やばい! やばいぞ…2食まだ食ってないって…)
(今の状態から、2時間…持つわけ無い…。何とかしないと…)
 二人は稔の視線に目を合わせないように、そそくさと沙希に目を移す。
 しかし、沙希はそんなやり取りには、一切関心を持たず、一人散歩を進めていた。

 狂と庵は一目散に、沙希の後ろを追い掛け、カメラを回す。
 稔はその後を、悠然と歩いて狂達に合流した。
 何の事情も知らない沙希は、お尻を振りながらユックリ散歩を楽しんでいる。
 そのお尻に稔の、容赦のない鞭が炸裂する。
「遅いぞ牝犬! さっさと進め」
 鋭い叱咤と共に稔は、もう一度沙希のお尻に鞭を振り下ろした。
 いきなりの鞭に沙希は白い喉を立て、大きく悲鳴を上げ、必死に速度を速める。
 稔は速度を上げた、沙希の後ろから、[お尻の振りが小さい]とか[もっと、鈴を鳴らしなさい]等と威圧しながら、沙希を追い立てる。
 沙希は急に態度の変わった稔に、意識を引き戻させながらも、稔の命令に従う。
(なに…どうしたの…わたし…わるいことしたの…。ふえ〜ん…おこらないで〜っ…いいこにします〜ぅ…)
 沙希は必死に稔の命令に、従って進む速度を速めた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊