夢魔
MIN:作
■ 第5章 浸食(沙希)5
落ち着きを取り戻した稔に、胸を撫で下ろす真が、頭を回して庵を探す。
庵は無線で話したとおり、店のど真ん中に陣取って、独特の威圧感を振りまいていた。
真がそれに気付くと、庵は椅子から立ち上がり、足を肩幅に開いて両手を膝の上に置き、中腰になって真に頭を下げる。
真はそれに鷹揚に頷き、2人を引き連れ席に進む。
これは、露出調教に対する、最低限の予防線だった。
奴隷達に対する要らぬ、アプローチを未然に防ぐ一つの方法で、未熟な奴隷を守る手段だった。
奴隷達がしっかりと立場を理解すれば、単独露出も可能だが、初めての露出では必然主の庇護が必要になる。
席に着いた4人を、ファミレスの中の人間が、一斉に盗み見を始める。
一人のウェイターが、水とおしぼりを持って席に近付く。
ネームプレートから、この店のチーフウェイターのようだ。
引きつった表情を浮かべながら、チーフがおしぼりをテーブルに置き、コップを配り始める。
『弥生、左後ろを振り向け』
突然狂の声が、弥生の耳元に流れる。
弥生はその声に、ビクリと震え左後ろを振り返る。
その時、丁度最後の水のコップを、手に持ったウェイターの手に肩が当たり、コップの水が弥生の乳房を濡らす。
弥生の身体の前面は、胸から太ももまで、溢れた水でビショビショに成った。
ウェイターはパニックになり、真と庵と弥生の顔を交互に見て、平謝りをする。
『そのウェイターにおしぼりを渡して、拭いて貰え…隈無くな…』
狂が弥生に指示を出すと、弥生は唇を真一文字に引き絞り、ソロソロと手をおしぼりに伸ばし
「濡れてしまったわ…拭いて下さる…』
震える声で、そう言ってウェイターにおしぼりを差し出して、乳房を突き出す。
(いや…止めて…そんな事しないで先生! 次は、私がさせられる…絶対に…させられる…)
沙希は弥生を凝視し、震えながら心の中で、弥生に哀願する。
おしぼりを渡されたチーフは、ドギマギしながらトレイを取り落とし、両手でおしぼりを持って、真の顔を見詰める。
「こいつがやってくれって、言ってるんだ…やってやれよ…」
真はぶっきらぼうに、チーフに向かって顎をしゃくる。
チーフはおしぼりを取り出して、震える手で弥生の乳房にソッと触れた。
おざなりに乳房を拭くウェイターを見て
「なんだ…遠慮するな…そんな拭き方で濡れた所が、綺麗になるのか…もっと性根を入れろ!」
真が低い恫喝を入れる。
ウェイターはビクリと震え、乳房を拭う手に力を込める。
『身体の向きをウェイターに向けろ、足を大きく開いたままだぜ…』
狂の声に弥生は項垂れ、その指示に従う。
弥生の体勢が自分に向いたウェイターは、マジマジと弥生の身体を見詰める。
(す、すげー…何ていやらしい服なんだ…。それに、柔らかい…夢に出て来そうだ…。あれ、この首にしてるのは…犬の…)
チーフウエイターはその時、弥生の首に付いている、首輪に気が付いた。
(な、何だこの女…奴隷なのか…初めて見たけど、差詰めこのデブが主人だな…。へへへっ…主人が許可してるんだから、ここは…)
チーフウエイターの目線が変わり、好色な物になった。
手に力を込め、揉むように弥生の乳房を拭い始める。
(い、いや…こんな…こんな所で…恥ずかしい…ご主人様…弥生はご主人様になら、どんな事をされても構いません…でも…こんなのは嫌です…)
弥生は固く目を閉じ、震えながら見知らぬ男の愛撫を受ける。
『弥生目を開いて、その男の目を見詰めろ、太股も拭かせるんだ…』
狂の命令は、より過酷な物に成り、弥生は肩を落とす。
スッと頭を持ち上げ、チーフウエイターの目を真正面から見ると
「ねぇ…太股も濡れてしまったわ…拭いて下さる…」
弥生は妖しく笑って、チーフウエイターにおねだりをした。
チーフウエイターはゴクリと生唾を飲み込み、弥生の太股におしぼりを動かす。
揉むように撫でるように、弥生の太股を楽しんだウェイターは、取りこぼしたトレイを拾い上げるために、床に片膝を付いた。
『良し、スカートをたくし上げて、オ○ンコを晒せ…』
狂の言葉で、弥生はマイクロミニのスカートの裾を引き寄せた。
チーフウエイターの目の前に、クリトリスに鈴を付けた、弥生のオ○ンコが現れる。
これには流石の好き者ウェイターも驚き、尻餅を着く。
すると、直ぐ後ろの席で、この光景を盗み見していた、カップルの男性客が、突然開けた視界の先に、まともに弥生のオ○ンコとクリトリスの鈴を見て、口に含んだスープを吹き出した。
そのスープが正面にいた、彼女の顔面に拭き掛かっても、それは決して弥生のせいではない。
ましてや、その結果に激怒した女性が、男の頬にビンタして席を立ったのも、決して弥生のせいではなかった。
その男性客は、急いで女性客の後を追おうと、立ち上がり弥生と彼女を2度ほど見比べ、残念そうに彼女の後を追った。
チーフウエイターは、急いで立ち上がり頭を下げて
「ご、ご注文がお決まりでしたら、および下さい」
お決まりの文句を言って、慌てて奥に引っ込んで行った。
『良くできました…弥生はお利口ですね…返ったらご褒美を上げましょうね…』
稔は弥生に優しい声で、労をねぎらった。
『う、嬉しいです…ご主人様〜…、ご主人様に悦んで頂けるなら…弥生は何でもします…』
弥生は頬を興奮で染め、イヤホンマイクに囁いた。
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