夢魔
MIN:作
■ 第5章 浸食(沙希)7
真に背中を拭かれ始めた沙希は、余りにも予想外の快感に、全身を硬直させる。
(な、なに…これ…せんせい…? ただ、背中を拭かれてるだけなのに…きもちいい〜…すごい…ああ〜ん…はぁ〜)
沙希の背中は泥が斑に付着しており、その白い背中がピンクに染まっているのを、邪魔していた。
真は優しく丁寧に、沙希の背中を拭い、沙希に快感を与える。
(く〜ん…はぁはぁ…はぁ〜ん…だめ〜…止めて…止めないで…いや〜…もっと〜…はずかしくして〜〜)
沙希は真の指に翻弄され、とうとう淫夢の道筋を開き始める。
(あは〜ん…きもちいい〜…すごい…ああ〜ん…はぁ〜…もっと…見て〜…いやらしい沙希…もっと見て下さい…)
瞳をトロリと蕩かせて、乱れ髪の下から真を見詰める。
『狂君…どうやら、モードに入ってしまいましたよ…』
真は狂に向かって、沙希が完全に欲情しトランス状態に入った事を告げる。
『そう? …じゃぁ、一挙に躾けるかね〜…。庵1と2番の糸も外せ!』
狂がそう言うと、庵は沙希の胸元に有る糸と、肩口に有る糸を抜いた。
すると、沙希の胸元と腹部を覆っていた、シースルーの布地が落ちる。
沙希の前面は、白鳥の頭部が乳首の辺りを覆うだけで、臍まで晒け出した。
これで、沙希の身体を覆う布地は肩から腕の部分と、脇腹の部分に白鳥の布地だけになった。
白鳥の布の縁には、ワイヤーが入っているようで、その形を崩す事はなかったが、沙希が身体を揺する度、ゆらゆらと揺れて乳房から離れては戻るを繰り返す。
『真さん…腹やオッパイも拭いてやってよ…』
狂は真に沙希の汚れを全て拭わせるつもりだ。
狂の真に対する依頼を聞いた沙希が、ウットリとした顔で真を見詰め
「せんせい…おねがいします…沙希をきれいにして〜…」
身体の正面を真に向け、胸を大きく反らせて、汚れた身体を差し出した。
真は苦笑いを浮かべ、頭をポリポリと掻くと、おしぼりを手に持ち、ゴシゴシと拭き始める。
しかし、乾いてしまった土は、身体にこびり付き、中々取れなかった。
『狂君…駄目だよ…こびり付いておしぼり程度だと、綺麗には成らない…』
真が狂に告げると
『そうっすか、ならシャワーを浴びせよう…。庵、店員に、水を持って来させろ…』
狂がそう言うと、庵は狂の考えを理解し、残酷な笑みを浮かべ店員を呼ぶ。
「悪いがなみなみと入った、水差しを呉れないか」
丁寧にドスのきいた声で、店員に依頼する。
店員は震え上がりながら、一目散に奥に引っ込み、水差しを手に持ってウロウロしている。
すると、そこに一人のウェイトレスが、その水差しを奪い取り、ツカツカと沙希達のテーブルに近付いた。
稔はそのウェイトレスを見て、有る事に気が付いた。
(おや? あれは、西川さんじゃないか…)
ファミレスの可愛らしい制服を着ているのは、同じクラスにいる西川絵美(にしかわ えみ)だった。
(こんな所で、アルバイトしていたのか…)
稔が目線を向けていると、狂がそれに気づき邪悪な考えに浸り、指示を出し始める。
『庵…その女に、沙希の胸に水を掛けさせろ…。沙希、そのウェイトレスの顔を良く見てみろ…笑えるぜ…』
沙希は狂に言われるまま、ウェイトレスの顔を見ると、凍り付く。
(え、絵美ちゃん…ここで働いてたの…)
思わぬ知人を目にして、沙希は震え上がるが、快感は倍増した。
(いや〜…知り合いに…こんな姿を見られるなんて…はずかしい…でも、身体が熱いの〜…)
ゾクゾクとお尻の穴から背筋を駆け抜ける、露出の快感に染まりきってしまった沙希には、知人の登場は極上のスパイスとなった。
「お水お持ちしました」
固い声で、沙希を睨み付けながら、絵美がテーブルに水差しを置く。
すかさず庵が、絵美に向かって
「ねぇちゃん…その水をこいつに掛けてやってくれ…胸元から下がドロドロなんでな」
ドスのきいた声で、指示を出す。
その言葉を聞いた絵美は、一瞬驚いたが次の瞬間、怒りを浮かべて沙希を睨み付け、水差しを手にすると
「これで良いんですか」
固い怒気を含んだ声で答えると、沙希の豊満な乳房に、水をジョボジョボと掛け始めた。
沙希は固く眼を閉じ、その水を乳房で受け止める。
暫くして、薄目を開けて絵美の顔を見た沙希は、その侮蔑の視線に心を抉られる。
(ああ〜…そう私は、はしたない女…こんな事を、こんな所でされて悦んでしまう…そんな目で見られても仕方ないの…変態だもん…)
沙希は絵美の目線に込められた侮蔑と嘲りを受けて、更に子宮を収縮させて快感を高めた。
そして、水差し一杯の水を掛けた後、絵美が沙希に向かって
「変態」
短く鋭く投げ掛けた言葉に、沙希の身体は反応してしまった。
沙希は目を固く閉じ、ビクビクと身体を痙攣させ、未だ処女のまま絶頂を向かえた。
(あああ〜〜っ…いや〜…すごく…きもちいい〜…)
沙希はその感覚に陶酔し、ウットリと目を開けると、目の前の絵美は驚きの表情を浮かべていた。
沙希の両方の乳首は固く起立し、白鳥の頭を外に押し出して、上から見ると何の役にも立たず、乳房の全景を晒す。
絵美はウットリとした、沙希の表情を見て、頬を真っ赤に染め
「失礼します」
一礼すると足早に、テーブルを離れていった。
稔はそんな沙希の一部始終を見詰めながら、質問を始める。
『どうです…貴方は自分がどんな人間だか、良く分かりましたか…』
稔の質問に、沙希は完全に屈服し
「は…い…。よくわかりました…」
小声で呟く。
稔は更に、沙希に質問を投げ掛ける。
『貴方はどんな人間ですか』
沙希は、ゴクリと唾を飲み込み
「はい…私は変態です…」
怖ず怖ずと、小声で返事を返した。
『テニスコートの約束を、覚えてるか』
狂が、稔と沙希の会話に、割って入る。
「は…い…。覚えています…」
『今からお前は、俺達の奴隷だ。その記念に、これ以上ない恥を、晒させてやるよ』
「は、はい…解りました…。約束ですから、何でも言う事を聞きます…」
沙希の一言多い服従の言葉に、稔達は黙り込んでしまった。
沙希にとっては、大嫌いな人間に服従するための、精一杯の虚勢だった積もりが、サディストの逆鱗に触れた。
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