夢魔
MIN:作

■ 第5章 浸食(沙希)8

 丁度その時沙希達のテーブルに、料理が運び込まれ、沙希の前にもミートソーススパゲティーが置かれた。
 それぞれが、思い思いに目の前の料理を食べようと、手を伸ばした時稔の声が、沙希の動きを止めた。
『沙希。お前は後だ…両足を椅子の上にあげて、尻を浮かせろ。スカートも全部捲り上げて、尻を晒して手は椅子の座席をしっかり持て、勿論膝は開いたままで持つんだ』
 狂の異様に固い声に、真と庵が頭を抱える。
(狂君…始めから余りハードにするのは…考え物だよ…)
 真の溜息とは、もう少し違ったニュアンスで
(ふ〜っ…狂さん本気でやるつもりだ…だけど、もうじき稔さんが復帰するだろうし…)
 庵が頭を抱え込む。
 そんな同席の主人の行動には、目もくれず沙希は言われたように、座席の上に両足を上げて、犬の[待て]の姿勢を取ると、スカートを上げて、お尻をさらけ出した。
 途端に店内の空気が、おかしく成った。
 親子連れは母親が怒り出して、席を離れて父親と子供の手を取り、レジに向かい。
 女性客とカップルも、同じように席を離れ始める。
 店長のネームプレートの男に、トイレに行く振りをした狂が近付きながら
「あ〜あ…あんなヤクザ相手じゃ文句も言えないけど…他の客が来たら、このテンションなんて思うだろうな…」
 呟いて通り過ぎる。
 ハッと気付いた店長は、慌てて店の外に出て看板をしまい、貸し切り中の立て札を出した。

 店内に残ったのは、4組の男性客12人と、店長、ウェイター4人、ウェイトレス2人の計19人と関係者6人だった。
『真さん、庵、弥生…それぞれの、料理を沙希に食わしてやれ…沙希はそのままの格好で、舌を思い切り差し出して、いやらしく食べるんだぜ…周りの男達が興奮するように、考えながらやるんだ…出来なかったら…お仕置きだ』
 狂は沙希に固い声で、命じると、沙希はコクンと頷き、真に向かって大きく口を開けた。
 真はステーキの付け合わせのポテトを、沙希に向かって差し出すと、沙希はポテトに向かって舌を伸ばし、絡め取って口に運ぶ。
 目を潤ませ舌を伸ばして、ポテトをフォークから絡め取る表情は、とても淫猥だった。
 真の背後にいる男性4人は、身を乗り出すように、沙希の表情を食い入って見詰める。
「ほら、こっちを向け」
 庵が沙希に向かって、ウインナーを差し出すと、沙希はそのウインナーに口づけをして、まるでフェラチオのように、舌を這わせ口に運ぶ。
 その表情を見ていた、ウェイター達は、一斉に自分の見やすい位置に移動し、唾を飲み込む。
 弥生は怖ず怖ずと、ブロッコリーの茎にフォークを刺して手を伸ばすと、沙希は首を大きく前に伸ばして、顔全体を動かし、舌を這わせてからめとる。
 今の沙希は、もう完全に犬扱いであった。
 秘部を晒して、自らは動くことを許されず、主人達の手から食料を与えられ、それに舌を這わせて咀嚼する。
 美麗な人がたの、飼い犬そのものだった。

 そして、狂はそうして主人の与える食べ物を、必死に咀嚼する沙希に対して、さらなる命令を出す。
『真さん周りの客を、煽ってよ。沙希、真さんの言葉通りに身体を晒せ』
 狂の命令に、真が立ち上がり。
「おい、お前達…見てるだけで良いのか…今日の俺は、機嫌が良いから特別に参加させてやる…こいつに飯を食わせたい奴はいるか…」
 真が周りの男達に声を掛けるが、一同静まりかえったままだ。
 狂がしびれを切らせて、手を挙げようとした瞬間、稔の手が狂の手を掴む。
 驚いた狂は稔を見詰めると、稔は冷静な表情で、奥に向かって顎をしゃくる。
 狂が視線を向けた先には、絵美がジッと稔達を見詰めていた。
 稔は声に出さずに唇を[気をつけろ]と動かすと、狂はコクリと頷いた。
(良いスパイスだと思いましたが、やっかいな足枷になりましたね…こうなる事なら、僕達も変装をすれば良かった…)
 稔はこの店に、緊急で入らなければ成らなかった経緯を、完全に知らないで居た。
 それが自分のせいだとは、一切認識して居なかったので有る。

 しかし、そうこうする内に勇気ある青年が、名乗りを上げ沙希に食事を与える。
 ミートスパゲティーをフォークで巻き取り、沙希に差し出した。
 沙希はそのフォークにタップリの媚びを含んだ視線を向けて、ピンク色の舌をヒラヒラと絡め、スパゲティーを咀嚼する。
 青年はその顔を間近に見ながら、フルフルと震え生唾を飲み込み、食べ終わらせた。
「よう、良いぜアンちゃん…上手に食べたと思ったら、ご褒美に身体を撫でてやってくれ…」
 真が青年にそう言うと、青年は怖ず怖ずと、沙希の頭を撫でようとする。
 その手を真が掴み、沙希の乳房に押し当てると
「頭なんか撫でても、つまんねーだろ…男ならここを撫でろよ」
 白鳥の頭の奥に、手を滑り込ませた。
 青年は驚いて真を見たが、真が大きく頷くのを見て
「良い子だったよ」
 と良いながら、乳房を揉みしだく。
「あふん、はぁ〜ん」
 沙希は鼻に掛かった甘い声を上げて、身体をくねらせる。
 その姿を見ていた、周りの男性達は、次々に手を挙げ名乗り出し始め、ウェイター達まで混じり始め、ついには立場を忘れた店長まで参加を訴えだした。

 こうなってしまっては、収拾がつかず、沙希は椅子の上から、テーブルの上に移動させられた。
 テーブルの上に移動した時、狂の指示で4番の糸が引き抜かれ、沙希のシースルーの部分は全て無くなった。
 今の沙希は殆どトップレスで、身体を動かした後に、申し訳程度のタイミングで、白鳥の頭が乳首を隠す。
 沙希は椅子に座っている時と同じ、待ての姿勢で腰を振り、顔を突き出しては料理を食べ、身体を撫でられて、歓喜の声を上げる。
 そして食事が終わりに差し掛かった頃、沙希の身体に異変が表れる。
(や、やだ…オ、オシッコでそう…なに…もう我慢できない…こんなに、直ぐに…こんな風になるなんて…どうして…)
 沙希は急激に高まった尿意に、驚きながら脂汗をかき始める。
 それに気付いた真が
「お〜お…牝犬は興奮してお漏らししそうだ…店長机汚すぜ…。そいつに綺麗にさせるから、勘弁しろよ」
 店長に向かって許可を取る。
 店長は熱病に浮かされたように、首を何度も縦に振った。
「お許しが出たぞ、派手にまき散らせろ」
 沙希のお尻を真がパチンと叩くと、決壊したオシッコがシャーッっと勢いよく流れ、クリトリスの鈴をリンリンと鳴らす。
 沙希は放尿の快感と、クリトリスを襲う快感で、身体をビクビクと震わせる。
 そして、全てを出し切った時、庵が最後の5番の糸を外した。
 まだ深夜にも成らない、夜のファミレスのテーブルの上で、沙希は首輪以外一糸まとわぬ裸身を晒した。

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