夢魔
MIN:作

■ 第5章 浸食(沙希)9

 全裸になった沙希の首輪に、真がポケットからリードの鎖を取り出すと、沙希の首輪にはめる。
 沙希は電流が流れたように、ビクビクと身体を震わせ、恍惚の表情を浮かべる。
「ほら、自分でまき散らした物を綺麗にしろ…」
 真がリードを軽く引いて沙希に指示すると、沙希はしずしずと頭を下げテーブルの上に、顔を降ろす。
 ズ、ズズーッ、ズッ、液体を啜り上げる音が、シーンと静まりかえったファミレスの店内に響き、続いてピチャピチャと湿った舐め上げる音がこだまする。
 沙希はテーブルの上で、全裸になってクネクネと腰を振り、唇をテーブルに押しつけ、自分のオシッコを啜り舐め上げている。
 その姿を、絵美が妖しい色を浮かべた視線で、ジッと見詰めていた。
 それを見詰めていた稔が、狂の袖をツンツンと引き、顎をしゃくると
「彼女、面白そうじゃないですか?」
 狂に問い掛けると、狂はいやらしい笑みを浮かべ
「増やすか?」
 稔に問い掛ける。
 稔は、椅子に深く腰掛け、思案すると
「それも良いかもしれません…、次の段階には奴隷がいくら居ても、邪魔という事はありませんし」
 狂に囁きかける。
 狂はニヤリと笑うと、黙って親指を立てて稔に突き出した。

 沙希のテーブル舐めが終わりに近付くと、稔達は席を立ち会計を済ませる。
 勿論、真のカードでの支払いだった。
 稔達は店を出ると、先にワンボックスに乗り込み、真達を待つ。
 数分すると、真達4人がワンボックスに乗り込んで来た。
 稔は最後部のシートを跳ね上げ、貨物状にして沙希を後ろに乗せ、車の床に付いている、最後部座席の固定金具にその首輪を固定して、這い蹲らせた。
 その横に稔が座り込み、這い蹲った沙希の身体にもたれ掛かって、身体を嬲りながら奴隷の心得と罰を沙希に、蕩々と話している。
 沙希は車の床に平伏して、稔に服従を誓い、今までの非礼を詫びた。
 来るときは10分で着いた道のりが、帰りは倍の20分掛かった。
 いかに庵が来る時に、スピードを出していたかが伺える。
 大通りを曲がり学校内に車を滑り込ませた稔は、真に向かって話しかけた。
「真さん僕達は、まだこいつに罰を与えなければ成りません…。どうします? 一緒に罰を与えますか…」
 稔の質問に、真は肩を竦めて
「私は良いです…。私が罰を与える理由も有りませんし、何より弥生にご褒美を上げなければ、いけませんから」
 弥生の肩を抱いて、弥生にニッコリ微笑みかける。
 弥生は頬を赤く染めて、身体をくねらせ真に寄り添った。

「では僕は今日は、例の場所で休みますね、もう一人の様子も確認したいですし…」
 そう言って真に挨拶をすませると、稔は沙希のリードを持って、校舎に消えて行く。
 その後を狂と庵が、付いて行く。
「ふぅ…前田さんは大変だろうけど、取り敢えずお腹いっぱいの稔君が居るから、大丈夫かな…」
 真は稔達の後ろ姿を見詰め、呟いた。
 弥生は真に縋り付き、キュッと真の袖を掴んで震えた。
(あの2人も…私のご主人様なんだ…。でも、あの2人は恐いわ…)
 弥生には庵の持つ暴力の匂いも、狂の持つ病的な執拗さも、どちらも恐怖の対象だった。
 真は弥生の態度に、その心中を察し
「怖がらなくても良いですよ…。その為に私がいるんです」
 弥生に優しく話しかける。
 弥生は真の目を見詰め、震えながら抱きつき
「ああぁ〜真様…弥生は…弥生は〜…」
 その後の言葉を飲み込みながら、しゃくり上げ始めた。
 真は弥生の頭を、ポンポンと優しく叩き車に乗せる。
 真と弥生の乗った車は、ユックリと校門を出て行った。

 一方稔に連れられた沙希は、全裸のまま首輪で引き摺られ、廊下を四つん這いで歩いていた。
 稔は一言も沙希に声を掛ける事も無く、また沙希も稔に話し掛ける事をしなかった。
 只黙々と歩き、沙希は稔の引くリードに神経を集中する。
 稔の送るリードの動きを、素早く認識しそれを忠実にこなし、後ろに控える主達の目を楽しませる事が、今の沙希の役割だった。
 沙希は大きく開いた股間を左右に振って、その度にパクパクと開くオ○ンコを、出来るだけ後ろの主達に見られるように、お尻を突き出し這い進む。
 今の沙希にとって稔達は、[大嫌いな人間達]という意識から、[自分が服従する人達]に存在がすり替わっている。
 後ろから着いて来ていた狂が、耳に手を当てイヤホンマイクを操作すると
『稔〜…こいつ、かなり気分出して来たけど…このまま、服従させるのか〜?』
 稔に対して問い掛けて来た。
 稔はそんな狂の言葉に、腰の横辺りで手を軽く左右に振る。
 狂はその姿を見て、ニヤリと含み笑いをする。
(稔君は今の生意気お嬢さんが、大嫌いのご様子で…へへへっ。でも、嫌いって感情だろ? あいつ…理解してんのかな?)
 狂は足を止め、自分の考えの中に、入り込む。
(でも、理解してりゃ…俺達に何らかのアクションをする筈だけど…)
 狂は腕組みを始め、更に考え込む。
『どうしたんですか…置いていきますよ』
 考え込む狂に稔が階段に足をかけ、背中を向けたまま話し掛ける。
 狂は解らない事に考えを巡らせるのを止め、足早に進み始め稔達の後を追い掛けた。

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