夢魔
MIN:作

■ 第5章 浸食(沙希)10

 ハァハァと荒い息を吐きながら、沙希が稔のペースに併せて、階段を這い上る。
 股間ではクリトリスから垂れた鈴が、激しく揺れてクリップを食い込ませ、肉豆を真っ赤に充血させながら、涼やかな音を立てている。
 3階に着いた稔達は、真っ直ぐに、今は使われていない、旧生徒会室に向かった。
 庵がポケットから鍵を取り出し扉を開くと、中は幾つかのパソコンのモニターが青白い光を放って、ボンヤリと辺りを照らしている。
 稔が躊躇無く中に入ると、沙希も続いて中に入り、その後に庵と狂も続いて、扉を閉めた。
 すると中はパソコンのモニターの前だけが、ボウッと照らされ、後は真っ暗になる。
 沙希は突然の暗闇に恐怖を覚えたが、今の沙希には震える事ぐらいしか出来なかった。
 稔は沙希のリードを突然放すと、スッとモニターに近付き次々とモニターの電源を落とす。
 モニターが消えると、部屋の中は真っ暗闇になり、カリカリとパソコンのHDが動く音だけが、部家に響いた。
 沙希の恐怖感が膨れ上がり、ガタガタと震え叫び出しそうになった瞬間、パッと部屋の明かりが灯る。
 引きつった顔で、両手を軽く握り顔の横に引き寄せ、縮こまった沙希は、その表情のまま固まった。
 沙希の目の前には、ブリーフ一枚になった庵が、両手になにやら棒状の物を持ち、腕を組んで沙希を見下ろしている。
 庵はニヤニヤと笑いながら、沙希を見下ろし左手に持った、黒いゴム製の警棒のような物を差し出す。
 差し出された棒を持つと、ズシリと重量感があり、沙希は棒と庵を交互に見詰める。
「今から沙希は、それぞれ僕達の罰を受けて貰う…生意気な態度を取るとどう成るかを、最初に教えて上げるのと、今までの事を悔い改めて貰うためにね…」
 稔が部屋の隅から、沙希に向かって話した。
 沙希は驚きの表情を浮かべ、稔を見詰め
「そ、そんな…じゃあ、ファミレスのアレは…何のために…」
 眉根に皺を寄せ、嫌悪を示し小声で反論を返す。
「ほら…その態度だよ…。直ぐに君は立場を忘れてしまう…。これは、躾だ…君が僕達の奴隷に成るためのね…」
 稔の言葉に、グッと言葉を詰まらせ項垂れる沙希。

(どうして…意識では逆らっちゃ駄目って解ってる…でも、どうして直ぐに腹が立ってくるの…特に柳井の顔を見ると…)
 沙希は無意識に取る自分の行動が、どうしても納得がいかなかった。
 下唇を噛み俯く沙希に、庵が話し掛ける。
「俺の罰は簡単だ…お互いが殴り合うだけだ…。お前が持ってる警棒は、中に鉄芯が入っていて、それをゴムで固めた物だ…本気で殴れば骨ぐらい直ぐにいっちまう…」
 庵はそう言うと、沙希に自分の持っている物を差し出し
「俺の持っているのは、同じゴム製だが芯は入っていない。だが、形を見ればどんな事に使うか良く分かるだろ…」
 説明した。
 庵の持っている棒は、柔らかそうに曲がるが、形はチ○ポそのもので、直径7p長さ30p程の張り形だった。
「お前は俺にその棒で殴りかかり、俺はこの棒でお前を殴る…。物の堅さはハンデだ…それに、俺は5発に1発返すだけだ…。俺が無制限に殴ったら、こんなモンでも死んでしまうからな…」
 沙希は庵の説明を受けても、何の事か理解出来なかった。
 いや、理解したくなかったのだった。
(な、何…どういう事…私が、こいつを殴ると…私が殴られるの…何…そんなの…意味分かんないわ…)
 説明を終えた庵が、沙希に近付くと首輪付近のリードを持ち、強く引き上げる。
 たちまち沙希はその場に一旦吊り下げられ、ストンと降ろされて庵の前に立たされた。
 喉を詰まらせて、ケホン、ケホンと咳き込む沙希に
「さあ、始めようか…」
 庵が言って両手を拡げて、沙希に晒しニヤリと笑う。

 沙希は棒を両手で持ち、ガタガタと震えている。
 庵はフッと笑うと一歩沙希に向かって、手を広げたまま前進する。
「いやーっ…来ないでーっ」
 恐怖に駆られた沙希が、庵を遠ざけようと棒を振り下ろすと、パクンと鈍い音を立てて、庵の胸に当たった。
「一つ…」
 庵は低く響く声で、数を数える。
 沙希はその声に、庵の顔を引きつった表情で、震えながら凝視する。
(い、いやだ…こんなのいや…。こわい…こわいよ…だれかたすけて…)
 沙希はブルブルと震え、泣きながら後ずさる。
 庵は沙希が下がるのに併せ、一歩また一歩と間合いを詰める。
 沙希は恐怖の余り、持っている棒を一心に振り、庵を遠ざけようとする。
「二つ、三つ、四つ…五つ」
 庵の胸に沙希の棒が立て続けに当たり、庵は歩みを止める。
 庵が止まった事に、沙希が気付き顔を上げると、庵の右手が凄まじい速度で、沙希の顔の前を通る。
 沙希には遅れてパグンという音が、届いた。
 沙希は一瞬自分の身に何が起きたのかも解らず、気が付けば床に寝そべっていた。

 床に倒れた沙希に庵が近付くと、いきなり首筋を足で踏み込み
「もう一つのルールだ…お前が倒れたり、膝を付いたら。これのもう一つの使い方を、実行してやる」
 そう言って腰を抱え上げると、張り方を逆手に持ち変えると、沙希のアナルにピタリと添え、強引に押し込み始めた。
「ぎーーーーっ! やーーーーーっ! ひたい…ひたいひょー…やへへーーっ」
 沙希は妙な発音で、悲鳴を上げ制止を懇願する。
 それもその筈、庵が放った一撃は、沙希の頬をチ○ポの形で真っ青に染め、余りの痛撃のため沙希の頬は感覚が麻痺していた。
 片頬が上手く動かないため、沙希の声は音が漏れて、発音がおかしく成っていたのだった。
 アナルを裂きながら、蹂躙した庵は
「こうやって、お前の穴を、お前が倒れる度に蹂躙する…解ったか…」
 沙希に向かって、残虐な笑みを浮かべ言った。
 張り方を引き抜いた庵は、沙希に
「さぁ、立て…」
 ブルブルと震える沙希の首輪を掴むと、また引き起こした。
 沙希は壁際まで追い込まれ、力無く立ち上がると、左の頬にはクッキリとチ○ポ形の痣を浮かべて、大粒の涙を流し庵の顔を見上げる。
 それを見下ろす庵の視線が、フッと悲しい色を浮かべ、だらりと身体の力を抜いた。
(え…なに…痛いのは…苦しいのは、私でしょ…何で…何でそんな顔するの…)
 庵の表情の変化に戸惑っている沙希に、庵は突然背中を向け
「稔さん…今日はこれぐらいで、良いでしょう…、沙希も充分解ったと思いますし…」
 俯きながら稔に声を掛ける。
 稔は庵の突然の言葉に、腑に落ち無いながらも頷いた。
 部屋の隅に置いてあった、服を着込む庵を沙希と稔と狂は、それぞれ別々の感情で、見詰めた。

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