夢魔
MIN:作

■ 第5章 浸食(沙希)11

 庵の躾が終わった旧生徒会室で、沙希は打たれた頬に手を添え、壁際に寄りかかり、力無く崩れ落ちて行く。
 稔は暫く、部屋の隅で腕を組む庵を、見詰めていたが、頭を左右に振り沙希に向き直る。
 稔は沙希がその視線に気付くまで、ジッと見詰めていた。
 数分して沙希は、自分を見下ろす稔の存在に気付き、バタバタと姿勢を立て直して
「す、すみません…ボーッとしてしまいました…」
 正座をすると、素直に頭を下げる。
 稔は沙希に近付くと、左手を顎の下に差し込み顔を上げさせると
「今度は僕の罰です…、多分気に入りはしないでしょうがね…。味わって貰いますよ…」
 右手でメガネを直しながら、沙希に告げる。
 その時沙希の中で、ムカムカと言葉に表せない程の、嫌悪感が沸き上がって来た。
(なに…この苛立ち…ムカツク気持ち…なに…なに…何なのよ…無性に腹が立つ…)
 沙希はその苛立ち、嫌悪感が何のために起こったか、まるで理解できないが、うっすらと正面にいる稔が原因だと理解する。
 「な、何なのよ…私に何する積もりよ!」
(だ、だめーっ! 反抗しちゃ…逆らっちゃ駄目よ!)
 心と意識が完全に違う反応を見せ、稔に対応する。
 稔は薄笑いを浮かべ、クイクイと右手の中指で、しきりにメガネの位置を直す。
 沙希はその仕草に、頭にカーッと血を上らせ
「何なのよ! 言いたいことが有れば、言えば良いじゃない! そんなに見下して、楽しいの!」
 稔に対してまくし立て始める。

 明らかに異常な光景である、今の今まで恐怖に怯えていた沙希が、稔を目の前にすると、途端に感情を向きだして、食って掛かったのだ。
 しかし、稔は沙希の前で、以前黙ったままメガネの位置を、直し続ける。
 とうとう沙希は、ヒステリーを起こし始め、稔を罵倒する。
「もう! イライラするわね! 何なのよ! 何とか言いなさいよ!」
 沙希が叫んだ瞬間、稔の右手が沙希の乳房に伸びた。
 沙希は正面から左の乳房に触れられた途端、全身に激しい悪寒が走り、鳥肌が身体を覆った。
(ひ、ひ〜っ! や、やだ〜…、何…気持ち悪い…いや〜触らないで…)
「どうしたの…、僕に触られると…そんなに気持ちが良いの…」
 稔が沙希に話し掛けると、沙希は引きつった顔で、顔を左右に振り身体を離そうとする。
「あれ〜? 君は僕達の奴隷に成ったんじゃ、無かったっけ? 逃げて良いの…ご主人様から…」
 稔は口元だけを、歪めて笑みの形を作る。
 沙希は稔の言葉に、ピタリと動きを止め、ガタガタと悪寒に震える。
 稔が沙希の乳房を揉み始めると
(い、いや〜…ゴキブリやムカデに身体を這われた方が…まだマシだわ…やめて〜)
 激しい嫌悪感に全身を満たして、沙希は身震いする。
「さあ、こっちに来て、もう少し僕を楽しませてください…」
 稔はそう言うと、沙希のリードを手に持ち、四つん這いにさせて部家の真ん中まで、引きずり出した。

(相も変わらずえげつねえな…こいつの精神攻撃…。沙希の奴は今頃、凄い嫌悪感で心を満たしてるだろうに…)
 狂は壁にもたれ掛かり、腕を組んで稔が与える罰を、見詰めていた。
 沙希は稔に催眠術で心理状態を操作され、[稔達の事を嫌う]後催眠を掛けられていた。
 それが沙希の心に浮かぶ、謂われない嫌悪感の正体で、稔がメガネを直す仕草で、後催眠の効果はドンドン強化される。
 今の沙希にとって稔は、地上で最も嫌悪する存在で、その稔に愛撫されるという事は、この上ない悪寒を伴う心理的拷問だった。
 稔が四つん這いになった、沙希の身体を両手で丁寧に愛撫を始めると、沙希は唇を引き絞り、固く眼を閉じて大粒の涙を浮かべながら、稔の愛撫に耐えている。
(どうですか…僕の与えて上げた嫌悪感は…、最高に陵辱されてる感じがするでしょ…)
 沙希は気の強い性格上、人に弱味を見せるのを最も嫌った、それが自分の嫌っている人間なら、尚更弱味を晒したくない。
 自分が言い出した、[敗者は奴隷に成り絶対服従]という約束を、反古にするような情けない真似は、断じて出来なかった。
 従って、今の沙希は[嫌う感情が強くなれば成る程、命令に従う]と言う不自然な状態に成っている。
(や、約束は…約束よ…。嫌な奴でも、ううん嫌な奴だからこそ…自分がした約束は…守らなきゃだめ! …我慢するのよ沙希…)
 必死に耐える沙希に向かい、稔は命令を与え始める。
「沙希口を開けて…今から僕の物を咥えさせて上げる…僕の目を見ながら、丁寧に舐めるんだよ…」
 稔は沙希の前で、ズボンのジッパーを降ろすと、チ○ポを取り出した。
(嫌ー…そんなもの、舐めるぐらいなら、便器を舐めた方が100倍マシよ…)
 しかし、沙希は稔の命令に逆らえず、顔を上げ稔の目を見ながら、口を開いて受け入れた。
 沙希は激しい嘔吐感が込み上げる中、稔のチ○ポに丁寧に舌を這わせ始める。
 口の中で徐々に大きくなる始める稔のチ○ポに、沙希はある種の恐怖感を覚え始める。
(これ…大きくなったら…私の口の中で出されるの…こいつの精液…飲まなきゃいけないの…)
 込み上げる恐怖感は、ゾリゾリと沙希の精神を削り始める。
 稔は大きくなるチ○ポに、恐怖感を抱き始めた沙希に
「どうした、何を怯えてるの…笑いなさい…もっと楽しい顔をして下さい…」
 静かに命令を下す。
 沙希はポロポロと大粒の涙を流しながら、目元を下げて引きつった、作り笑いを浮かべる。
 稔は数分奉仕をさせると、沙希の唇からチ○ポを引き抜き
「ヘタクソですね…こんなのじゃ、犬の方がまだマシですよ…」
 そう言ってチ○ポをズボンに納めた。
「僕の躾は、終わりです…」
 稔はそう言って、沙希の目をのぞき込むと
「気持ちを落ち着けなさい」
 沙希に向かって囁いた。
 すると沙希の感情は、先程まで頭を占めていた、凄まじいまでの嫌悪感が綺麗に消えて、いつもの状態に戻った。

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