夢魔
MIN:作
■ 第6章 陥落(弥生・梓・沙希)8
稔は沙希に軽く口吻すると
「良いよ…好きなようにしてみなさい…」
静かに告げた。
沙希は溢れるような微笑みを浮かべると、便座の上に立ち上がり、床にヒラリと降りて、稔の前に跪いた。
抜群のバランス感覚と運動神経の持ち主の、沙希ならではの行動だった。
沙希は稔のチ○ポに手を添えると
「失礼しま〜す」
微笑みながら一言告げて、稔の血だらけのチ○ポに、唇を被せる。
丹念に舌を絡め、唇でしごきながら、稔のチ○ポを舐め清める。
そんな沙希の表情は、明るく、楽しんですらいるようだった。
沙希は、自分の奥底に有った、全てを認め解放し、従属を与えた稔に心から奉仕をする。
その顔は、満足に満ちていた。
しかし、稔はそんな沙希を無表情で見詰め
(やっぱり…駄目だな…沙希も真さんに一から教えて貰わないと…)
沙希の奉仕を、冷静に評価する。
丹念に舌を絡める沙希に
「もう良いよ…綺麗になってるから…」
静かに告げると、沙希の頭をポンポンと軽く叩く。
沙希は稔の制止に、怪訝な表情で頷くと、唇を放した。
(やっぱり…下手だったのかな…気持ち良くないから、終わらされたのかな…それとも、本当に綺麗にするだけで…良かったのかな…)
沙希は稔の考えを見事に当てていたが、それが正解だとは知る術もなかった。
稔はチ○ポをズボンに片付けて、便座から降りると、沙希と場所を変わり
「さぁ、終わらせてしまいなさい…出来たら僕がお風呂に入れて上げるから…」
稔はそう言うと、沙希の頭を優しく撫でる。
沙希の身体は稔と狂の小便で汚れを落とされ、その小便も既に乾ききり、アンモニア臭を漂わせていた。
沙希は嬉しそうに微笑むと
「はい、ご主人様…頑張ります」
両足を開いてオナニーを始める。
稔は沙希のオナニー姿を、暫く見詰めた後
「僕は行くね…頑張るんだよ」
そう言って、扉を開けて出て行った。
一人残った沙希は、暗い常夜灯の中、カメラを見詰め、命令された罰を始める。
そのカメラの向こうに、愛しいご主人様の顔を浮かべて。
稔はトイレを後にすると、旧生徒会室に戻った。
旧生徒会室では、モニターの前で、狂が声を上げて笑っている。
「ひーひっ…こいつ最高…おもしれ〜っ!」
涙を流しながら、モニターを指さし、馬鹿笑いする狂に、悪い予感を感じながら、稔がモニターを覗き込む。
モニターに映った梓は、豚のお面を被り廊下の端で、モニターを見ながら、ディルドーオナニーをしている。
梓のお腹は、妊婦のようにポッコリと膨れ、パソコンのスピーカーから[ブヒブヒ]と豚の鳴き真似が流れていた。
「何を命令したんですか…」
稔は狂に目を向けず、静かに問い掛けると
「ははっ…只這い回らせるのも、つまんないし…3リッターほど浣腸液の原液を入れさせて、フロアーの端でディルドーオナニーを命じたんだ。イケたら次の場所に進めるってね…今は2階の往復が終わる所だ」
稔に向かって、狂がそう言うと、マイクのスイッチを入れて
「ほらほら早くしないと、身を隠す時間が無くなるぞ…あと、2分程で目の前の角をまわって、ナースが2人お前を見つけるぞ」
梓に向かって狂がそう言うと、確かに梓の居るフロアーの別のカメラが、2人で話ながら歩く、ナースの姿を捉えている。
梓は必死に腰を動かし、一際高い声で[ブヒー]と鳴くと、身体をブルブルと震わせる。
その声を聞きつけた看護婦2人は、ビクリと震えお互いの顔を見合わせ、何かを話している。
「おいおい、そんな大声で鳴くから、ばれちゃったみたいだぜ…急いで、そこから2つめの部屋に入れ…其処が、今のセーフティーゾーンだ…」
狂がそう言って梓に連絡すると、梓は余韻に浸る暇もなく、ディルドーを口に咥えると、指示された扉を開けて、身体を滑り込ませる。
梓が中に入ると、ピッピッと機械の規則正しい音が響く、静かな病室に入り込む。
その部屋は、植物状態でずっと寝たきりの患者の部屋だった。
梓は口にディルドーを咥えたまま、激しく肩で息をする。
部屋の前をパタパタと誰かが、梓の居た場所に向かって走る音がする。
暫くすると、梓の耳に
「ねぇ…今の、何の声…気持ち悪い…何か絞め殺されるような、声じゃなかった…」
「貴女にもそう聞こえた…私も…何か…気味が悪い…」
ヒソヒソと囁き合うナースの声が、微かに聞こえてくる。
そして、ナース達は廊下の突き当たりにある、水溜まりに気付く。
「ね、ねぇ…あれ何…窓の直ぐ下…何か、濡れてない…」
「ほ、本当だ…水溜まりみたいな物がある…な、何…あれ…い、行こうよ…」
何か身じろぎするような音が、梓の耳に届き、パタパタと走り抜けて行く、複数の足音に変わった。
梓がホッとして、胸を撫で下ろすと
「おお〜い…看護婦達は、ナースセンターに帰ったぜ…今が移動のチャンスだ…」
狂が梓に向かってそう言うと、梓はモソモソと身体を起こし、扉を開けた。
扉の隙間から廊下に豚の面を出し、キョロキョロと辺りを確認すると、梓は身体を部屋から這い出させる。
無言で這い進む梓に
「ほ〜ら…忘れてる…。足りない物が有るんじゃないか…これで、減点3だ…だんだん俺の情報の信頼度が、下がってくるぜ…」
狂が楽しそうに言うと、梓はビクリと震え[ブヒブヒ]とディルドーを咥えた不自由な口で、豚の鳴き真似を始める。
「今のは、どういう意味です?」
稔が訝しそうに、狂に質問すると
「あん、ああ…豚の鳴き真似とケツの振りを忘れたら減点1。減点が増える度に、俺の教える情報に、誤情報が混じる」
狂は楽しそうに、稔に告げる。
モニターに映る梓は腰を左右に振りながら、[ブウブウ]とくぐもった声で鳴いている。
お腹を大量の浣腸液で膨らませ、それが左右に揺れ、お尻を更に大きく振らせる。
心なしか、豚の鳴き真似の声が、震えているように聞こえた。
「今ナースセンターの看護婦達は、奥に引っ込んでる…中央階段を使うなら、今の内だぜ」
狂が梓にそう言うと、梓は歩みを早める。
梓は狂の情報を信じて、必死に這い進み、ナースセンターのカウンターが見える位置に、差し掛かった。
しかし、モニターに映ったナースセンターのカウンターには、看護婦が頭を下げて書き物をしている。
梓の位置からでは、頭を下げたナースの姿は、カウンターの死角に入っていて、全く見えては居なかった。
(このまま、進めば…間違い無くあの看護婦に見つかってしまう…)
稔が慌てて、マイクに手を伸ばすと、狂がその手を掴んで止め、ニヤニヤ笑いながら首を左右に振る。
稔は静かな表情のまま、狂を見下ろすと、狂はモニターを見詰め、何かのタイミングを計っていた。
梓は未だ、ナースセンターのカウンターに伏せる、看護婦に気付かず、前進を続ける。
梓とナースセンターの距離はもう、10mを切っている。
今看護婦が、顔を上げると確実に梓の姿は、目撃されてしまう。
そして悪い事に、何も知らない梓は、狂の命令通り豚の鳴き真似を続けて、進んでいる。
ナースセンターとの距離が、5m程に成った時、伏せていた看護婦の肩が、ピクリと動く。
梓の鳴き真似に気が付いたのだ、その瞬間、狂が何かのキーを押した。
途端にナースセンターの奥で、けたたましい警報が鳴り、看護婦は後ろを振り返りながら立ち上がった。
梓は警報の音と、突如、目の前に現れた、看護婦の背中に驚愕し、その顔が、自分の方に、向き掛ける動作をスローモーションのように感じながら見ていた。
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