夢魔
MIN:作

■ 第6章 陥落(弥生・梓・沙希)13

 稔の言葉に梓は、平伏すると
「申し訳御座いません…ご主人様の仰る通りで御座います。私は、以前付き合っていた男に、わざとこの身を晒して、ご主人様との約束の時間に遅れてしまいました…いかような罰もお下しくださいませ…」
 床に頭を擦りつけ、稔の言葉を待った。
「首輪はどうしたんですか…」
 稔の冷たい言葉に、慶一郎に会う時に外した事を思い出し、急いでポケットに手を突っ込んで、稔に差し出した。
 稔の目線は、冷たいまま梓に注がれていたが、その目が細く変わる。
 首輪を頭の上に差し出し、梓の震えは一段と強くなった。
(ど、どうしましょう…何の許しもなく…首輪を外してしまっていた…何て身勝手で、馬鹿な事を…)
 梓の震えている背中に、稔の声が重くのしかかる。
「それは…どうして、梓の手の中に有るんですか…」
 稔の声が近付きながら、梓の耳に届く。
 稔は梓に向かってしゃがみながら、その質問を放ったのだった。

 梓はその声に、自分の身体が引き裂かれそうな程の、痛みを感じ更に震えを強くして
「も、申し訳御座いません…どんな罰でも受けます! ですから、取り上げるのだけは、お許しください!」
 稔に対して平伏しながら、涙ながらに哀願する。
 しかし、梓の願いも虚しく、その掌の上からスッと首輪が抜き取られてしまった。
 自分の掌の上から、首輪を抜き取られる感触を、スローモーションのように感じながら、梓は絶望を感じる。
(う、うぁ〜〜〜っ…馬鹿…バカばか馬鹿ーーー! 何度同じ過ちを犯すの…もう駄目…絶対に許されない…)
 梓は絶望に打ち拉がれ、嗚咽を漏らし始める。
(もう、お終いよ…私は今日以上の快感や充足感を…二度と感じる事は出来ない………自分の愚かさのせいで…)
 梓は込み上げてくる、悲しみと虚しさと失望感の中、感情が高ぶり嗚咽を号泣に変える。
 そんな梓を、稔はいつもの無表情で見詰め、首輪を持った右手をユックリと持ち上げた。
 そして、その手を号泣する梓の背中に、振り下ろす。
 平伏した梓の白衣の背中で、鞭で打ったような、鋭い音が鳴り響き、梓の号泣がピタリと止まる。

 稔の一撃は、梓の平伏して手を差し出した姿のまま、号泣も震えも止めさせた。
 首輪の鞭を受けた梓は、そこに置かれたオブジェのように、微動だにしなくなった。
「顔を上げなさい…梓…」
 稔の声は、静寂の戻った廊下に、静かに響き渡り、梓はその言葉に従い、ユックリと上体を起こす。
 梓の顔は涙でビショビショに成っていたが、表情はどこか惚けたように成っている。
(お声を掛けていただいた…。私の前から立ち去らず…「言葉を聞け」と…鞭を与えてくださった…の? …)
 呆気にとられた表情の梓に、稔がユックリと口を開き始める。
「梓…この首輪が、自分に取ってどんな物か理解できましたか…? これを、手放すと言うのが、どういう事か理解できましたか?」
 しゃがみ込んだまま、梓の目の前で、稔が静かに問い掛ける。
 梓は稔の目を覗き込みながら、ユックリと大きく頷いた。

「梓の持つ肉体、精神、権利、物、社会的立場、全て自分に必要ないと思うなら、首を差し出しなさい…そして、次にこれを嵌めた時は、一切の自由は有りません。それを覚悟しなさい」
 稔はそこまで言うと、梓の瞳をジッと見詰めて
「僕の言葉は、梓にとって絶対です。例え、道に彷徨う犬と、交尾しろと命じられても、梓はその命令に従わなければいけません。日中のこの病院で、全裸を晒せと命じられても、直ぐに悦んで晒すように成らなければいけません。梓の身体を、切り刻み人前に出れないような姿に変えろと命じれれても、それに従わなければいけません。それを誓えるなら、もう一度チャンスを上げましょう」
 静かに淡々と、言葉を繋いだ。
 梓は稔の言葉を聞き、フルフルと震え大粒の涙を流し、大きく頷いて目を閉じ、無言で稔の前に白い首を差し出した。
 稔は梓の首に首輪を掛けると
「良いんですね…後戻りは出来ませんよ…」
 静かに念を押すと、梓は目を閉じたまま、コクリと再び頷いた。
 それを確認した稔は、無言で金具を止める。

 金具が止められると、梓の身体はおこりにかかったように、フルフルと震え始め、頬を涙が伝った。
 稔は梓の首輪に人差し指をかけ、引き寄せると、梓の唇に自分の唇を併せ
「感じなさい…」
 静かに口の中に、言葉を送り込むと舌を絡め始める。
 梓の身体は、稔の命令に従い、ビクビクと痙攣を始め、稔の制止が有るまで感じ続けた。
 口吻だけで、数十回の絶頂を感じた梓を、稔はユックリと解放する。
 梓は稔に完全に征服され、屈服し、隷属した。
 梓の顔は、もう自由意志を無くし、稔の命令を待つ所有物に変わっていた。
 そんな梓に稔が、静かに命じる。
「白衣は必要無い…」
 梓の手がスッと持ち上がり、素早くボタンを外すと、ハラリと身体を滑らせ、白衣を床に脱ぎ捨てた。
 そして、頭を深々と下げて、稔に服従する。
 こうして梓は、稔と出会って、僅か1日で完全に奴隷化した。

 同じ頃上郷家では、露出に対するご褒美で、真と弥生の甘い雰囲気から一転、特別授業の体を見せていた。
 リビングで弥生は、ディルドーをオ○ンコに、深く咥え込みながら、妖しいダンスを踊っている。
 手で乳房やお腹をさすりながら、グルグルと周りを回る真の指示するとおりに、身体をくねらせ、腰を振り屈伸運動を繰り返す。
「そうです…良いですよ…。そうやって、自分で快感をコントロールして、オ○ンコの収縮を操作するんです…」
 真は弥生に言いながら、ある時は手を添えて優しく愛撫し、又ある時は弥生の姿勢を正す。
 弥生は、真の示すままに、ベリーダンサーのように腰をくねらせ、ディルドーを飲み込み吐きだす。
 ユックリと滑らかに腰を下ろして、オ○ンコにディルドーを咥え込んだ、弥生の背中がビクビクと震え、今日数え切れないほどの絶頂を知らせる。
「あっくふぅ〜〜〜ん…あかっは〜〜ん…」
 粘つくような淫蕩な声を上げ、弥生が絶頂を向かえる。

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