夢魔
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■ 第7章 隷属(弥生・梓・沙希)7

 時間は少し遡り、稔と別れた梓は、フラフラと歩いていた足を、一歩ずつ進む度に力強く変え、今では足早に進み出している。
(ご主人様に命じられた事を…守るには、少し時間が足りないかしら…。あの機械は、電源を入れてから直ぐには使えないし、最初に処置室に行かなきゃ…。道具も用意して、それからブローとメイクね…)
 自分の頭の中で段取りを組むと、梓は自室ではなく少し奥にある処置室の扉を開ける。
 電気を点け、手早く機械を移動させ、スイッチを入れて調整を始め、必要な道具を診察台に集める。
 指を差してチェックすると、踵を返して扉を出て自室に戻る。
 自室に戻った梓は、真っ先にタオルを用意すると、ポケットから首輪を取り出し、丁寧に巻くと重しを載せて水気を取る。
 その後の行動は、既に頭の中で整理されていたのか、異様に素早かった。
 机の引き出しから、ドライヤーを取り出しながら、化粧品を並べ鏡を用意する。
 髪の毛を乾かしながら、下地を造りいつものように薄めの化粧をすると
(ご主人様は…とびきりのメイクをしてと仰ってたわ…もう少し力を入れないと…)
 鏡を覗き込み、入念なメイクに切り替える。
 真っ赤なルージュを唇に載せる頃には、濡れていた髪の毛も乾き、鏡に映った梓は、艶然とした微笑みを浮かべていた。
 白衣を脱いだ梓は、ロッカーから替えの下着を取り出し、手早く身に付けブラウスとタイトスカートを着る。
 ヒールを履いて用意が完了すると、重しを載せていた首輪を、首筋に当て水分が残っているか確認し、通風口の下にソッと置く。
(ご主人様…行って参ります…必ず満足の行く様にして参ります…)
 梓は首輪を見詰め、心に誓った。
 全ての準備が終わり、梓は踵を返すと部屋を出る。
 その時の梓の顔は、艶を含み以前の梓を知る者には、とても同一人物とは思えない程の変わりようだった。

 梓は真っ直ぐにエレベーターに向かうと、乗り込んで5回のボタンを押す。
 エレベーターが止まり5階に着くと、スタスタと歩き始めて、外科部長室の前に立ち、ノックをする。
「誰です? 扉は開いてるから、入って来て。今ちょっと手が離せないんだ」
 扉越しに柏木の声が、梓に届く。
(以前はこの声を聞いただけで、とても嬉しかった筈なのに…今は全く感じない…)
 梓は俯くと、少し考え扉を押し開けた。
「お邪魔します…」
 そう言って入って行った柏木の部屋には、独特の悪臭が漂っていた。
 梓はその匂いの原因が自分の排便で有る事を思い出し、同時に露出調教の感覚が身体を走る。
(あ、ああぁ…イヤだ…あんな事を思い出しただけなのに…身体がゾクゾクする…。ううん…当たり前ね…私は奴隷、それが当然の反応よ…この男の相手も、私にとってはご主人様の大切な命令…そう思うと、感じて来ちゃうわ)
 俯いた顔の下に、ゾクリとする程の妖しい微笑みを浮かべ、梓は自分の考えに酔う。

 一方目の前に現れた梓に、柏木は戸惑いを隠せないで居た。
 それもその筈である、つい1時間程前自分の来訪を軽くあしらい、扉の奥に去っていった本人が、突然現れたのだから。
「ど、どうしたんだい…梓…」
 梓は後ろ手に扉を閉めてソッと鍵を掛け
「先程はごめんなさい…、少し事情が有って急いでいたモノですから」
 俯きながら柏木の机の前まで行き、立ち止まると顔を上げ、正面から柏木を見詰める。
 柏木は自分を見詰める梓の顔を見て、ドキリと驚きを表情に載せる。
(あ、梓…? う、うん梓だ…が、どうしたんだ…? 別人のように…色っぽい…)
 柏木はゴクリと唾を飲み込み、梓を見詰めると、両手を組んで机の上に肘を乗せ、梓に声を掛けようとする。
 しかし、梓を目の前にして、柏木の口からは、しどろもどろな言葉しか出てこない。
 梓は一歩前に進むと、ボタンを外したブラウスから、胸の谷間を強調して柏木の視線に晒すように身を乗り出し、人差し指で柏木の唇に蓋をする。
 そして、タップリと艶を含んだ微笑みを浮かべ、口を柏木の耳に近づけると
「抱いて…」
 吐息混じりに、甘く送り込んだ。
 柏木の自制の糸がプッツリと音を立てて切れ、梓にむしゃぶりつく。

 梓はスルリと身体をかわして、後ろに下がり部屋の中央に来ると、微笑みを浮かべたまま、白衣を肩から落とし柏木を指で誘う。
 柏木はワタワタと慌てながら、机をまわり躓きながら梓の元に駆け寄る。
 梓をしがみつくように抱きしめた柏木に、梓は正面から唇を併せに行く。
 唇の隙間に舌を差し込み、梓は柏木の舌を翻弄するように絡める。
(くぅ…どうしたんだ梓…こんな、激しい口吻を君からするなんて…。だが、その気なら私はもっと積極的になれる…)
 柏木は驚きながらも、いやらしい笑みを浮かべて、目を閉じ口吻に励む梓を見詰める。
(うううっ…なんだか…ニチャニチャするわ、この人の舌ってこんな感触だったの…)
 梓は内心顔をしかめながらも、稔に言われた通り、渾身の気持ちで柏木に口吻した。
 柏木の手が、梓の身体をまさぐり始めると、梓はスッと身を離しブラウスのボタンに手を掛ける。
 柏木は呆気に取られてその姿を、呆然と見詰めていると、梓は身体をくねらせながら、ブラウスの前をはだけ、裾をスカートから抜き、襟首を弛ませ肩から落とすと、スルリと腕を滑らせて床に落とす。
 その仕草の間中艶然と微笑み、時折唇を舌で舐めながら、柏木を見詰め続ける。
 柏木は腰を中腰のように後ろに引き、手を前の方に泳がせたまま、凍り付いたように梓を見詰める。

 梓はその柏木のみっともない姿が妙に可笑しくなり、クスリと笑うとタイトスカートのホックを外して、チャックを半分程下ろし腰を振って床に落とした。
 柏木が下着姿になった梓に触れようと、動きかけた時梓がそれを手で制して、その制した手を後ろに回す。
 ブラのホックを外すと、スルリと腕を抜き、そのままパンティーの横に手を掛け、一挙にズリ降ろす。
 右手にパンティー左手にブラジャーを持って、乳房の高さに持ち上げると、両脇にポトリと落とし素早い動きで、柏木の足下に跪く。
 突然擦り寄ってきた梓に驚く柏木だったが、梓がその後、取った行動に更に驚く。
 梓は両手でベルトを外しながら、柏木のズボンのチャックを歯で噛み、一挙にズボンを下ろし、ブリーフの中からカチカチに成ったチ○ポを取り出して、両手で支え持った。
 自分の目の前で跪き、両手でチ○ポを捧げ持つ元浮気相手を、柏木は何も考えられず呆然と見下ろす。
 梓は下から柏木を見上げながら、舌を思いっきり伸ばして、竿の部分を下からネットリと舐め上げる。
 柏木はその感覚にゾクゾクと震え、腰が砕けそうになり一歩後ろに下がってしまった。
 しかし、梓はその動きにいち早く付いて行き、舌先を柏木のチ○ポから離す事はなかった。
 梓は柏木を見つめ直すと、亀頭にキスをして、口の中に納めフェラチオを始める。

 柏木の頭の中は真っ白になって、ただ梓の奉仕を受け入れる。
 濃厚なフェラチオを受け、柏木はどうする事も出来ずに1度目の射精を向かえた。
 梓の口に精を放った柏木のチ○ポは、見る見るその堅さを失うが、梓のお掃除フェラが終わる頃には、又力を取り戻す。
 梓はお掃除フェラを終え唇を離すと、下から柏木を見上げニッコリ笑い、手を後ろについてお尻を付くと、膝を立て両足を左右に開いて、オ○ンコを晒し
「来て下さい…」
 小さく囁いた。
 柏木は崩れるように膝を付くと、梓の元にカサカサと這い寄り、その身体にむしゃぶりつく。
 梓は柏木が抱きついてくると、後ろに寝転がりその身を柏木に委ねる。
 柏木は愛撫も何もする事無く、チ○ポを梓のオ○ンコにいきなり突き入れ、腰を激しく振り始めた。
 組み敷き梓の乳房を揉みしだいて、乳首に口吻し舌で転がす。
(なに…これ…私こんな人に夢中になってたの…バカみたい…。こんなお粗末なSEX…何でこんな物にあんなに感じたのかしら…)
 柏木の単調な責めに、冷静に自分の過去を反省する梓。

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