夢魔
MIN:作

■ 第7章 隷属(弥生・梓・沙希)10

「すいませんが、トイレを使わせて貰いますよ…」
 低く、静かな声で稔が3人に呼びかけた。
 田中はそのまま手を離し、個室の扉がユックリ閉まる。
「見て解んねぇのか! 掃除中だよ」
 田中が稔にそう言うと
「ええ、解りますよ…ですが、私も切羽詰まって居るんで…掃除は、変わりに僕がしておきます。貴方達も早く行った方が、良い時間じゃありませんか?」
 稔の言葉に、一人の生徒が
「やべ! 後1分切ってる! 任せようぜ、俺マジでやばいんだって」
 時計を見て駆け出し、他の二人もそれに続く。
 便所の扉が閉まり、稔はデッキブラシを持つと、扉の内側から閂にする。
 クルリと身体を回して、奥の個室に急ぐと、扉を開けた。
 沙希は身体を丸め、ガタガタと震えている。
 稔の姿を認めても、その震えは止まらなかった。

 稔はビショビショの沙希の頬に、ソッと手を差し伸べると、沙希はビクッっと震え、硬直を徐々に解いて行く。
「恐かったですか…」
 稔の声は低く穏やかで、沙希の緊張をあっという間に溶かした。
 途端に沙希は顔を歪ませ、瞳に大きな涙を浮かべ、泣きじゃくり始める。
 稔が頬に触れた手の親指で、優しく頬を撫でると
「ごわがっだ〜ごじゅじんざば〜」
 震える声で稔に訴えながら、しがみついた。
 稔は沙希を抱き留め、頭を撫でて慰める。
 ひとしきり稔の腕の中で泣いた沙希が、気持ちを落ち着かせると
「ヒン…ご主人様…スン…すみません…ヒック…ありがとう…ございました…」
 涙を拭いながら、稔に詫びた。
「どうしたんですか? 何を謝る事が有るんです?」
 稔が不思議そうに、質問すると
「沙希が…愚図だから…こんな時間まで…掛かってしまったから…。ご主人様にも、危ない事をさせてしまいました…」
 自分のせいで、稔に危ない橋を渡らせたと、沙希は考えたようだった。
 稔は黙って、涙を拭う沙希を見詰め、それに気付いた沙希が、稔に目線を併せると、沙希の唇に軽く唇を併せた。
 沙希は突然の事と、その口吻があまりに優しかったのとで、驚きの表情を浮かべる。

 稔は直ぐに視線を外すと、沙希に背中を向け、立ち上がりカメラを調べ始める。
 その背中を見詰めながら
(あれ? ご主人様…照れた? …。今…照れたの?)
 首を傾け、呆然と考える。
「どうやら、カメラも壊れたようですね…画像が映らなくなっています…。でも、ランプは点いているからセンサーは生きてますね」
 稔の言葉を沙希は理解できず
「っと、言いますと?」
 小首を傾げて、中途半端な質問を返す。
「つまり、ちゃんと回数はこなさないといけませんが、その方法は録画されないと言うことです」
 稔が沙希に静かに告げる。
 沙希は指を顎に当て、暫く考えていると、何かを思いつき、頬を赤く染めモジモジと身体をくねらせる。
(何をして居るんだ? 何か思いついて、それでテレ始めた…。そう言う事ですか、じゃあ、次に取る行動は必然ですね。まあ恐い思いもした事ですし、ここは大目に見てあげましょう)
 稔は沙希の仕草から、次の行動を予測し備える。

 沙希はモジモジと手を摺り合わせながら、稔を上目遣いで見詰め
「あ、あの〜…ご主人様…」
 口ごもりながら、稔の名を呼ぶ。
「ん、どうしました?」
 稔はその行動を予測しながらも、自ら提示する事を避け、あくまで沙希の口から言わせる。
 しかし、沙希の提示した依頼は、稔の考えるモノとは違っていた。
「あの〜、ご主人様に…ここで、見てて貰う訳にはいかないでしょうか…」
 沙希は稔に見られたままで、オナニーをしたいと言い出したのだ。
 稔は予想外の言葉に
「あ、見るだけで良いの? 何だ、そんな事ならお安いご用ですよ」
 少し肩すかしを食らったような顔で、沙希に快諾する。
 沙希は稔の表情を見て、自分が何か失敗したのでわ、と勘ぐり始め、それに気付いた。
「あっ! ひょっとして…カメラが無くて、ここにご主人様が居て呉れるんですから…SEXもOKでした?」
 恐る恐る質問する沙希に、稔がコクンと頷くと
「馬鹿ばかバカ〜! 沙希のバカ〜! どうして言えないのよ…根性無し…」
 自分の頭をぽかぽか叩いて、ガックリ肩を落として項垂れる。
 思い切り落胆した表情の沙希は、[はぁ〜]とこれ以上ない大きな溜息を吐き、顔を上げると
「沙希が選んだ事ですから…諦めます…」
 稔に宣言して、便座の上にM字開脚する。

 沙希は自分の身体を晒すと
「ご主人様、沙希のオナニーしてイク所を、見ていて下さい…」
 目を閉じ真っ赤な顔をして、稔に宣言する。
「はい、良く見ていてあげますから、気持ち良くおなりなさい」
 静かに稔が許可をした。
 沙希は目を開け、恥ずかしそうに微笑むと、左手の人差し指と中指で大淫唇を拡げる。
 すると開いたヒダの間から、ドクリと愛液が垂れ便器に落ちる。
 右手をソロソロとオ○ンコに近づけ、手に持ったバイブを膣口に当てると、ズブズブと中に押し込んだ。
「くふ〜ん…ああ、はぁ〜っ…グニグニ中で動いています〜…沙希気持ちいいです〜っ」
 トロリと熱い吐息を混ぜながら、沙希が快感を訴える。
「昨日処女を無くしたばかりなのに…もう、そんなに感じるんですか?」
 稔が意地の悪い質問をすると
「はい〜、沙希は、元々痛いのが好きで…エッチも好きな…変態です〜…ご主人様に…いっぱい使って欲しいです〜」
 興奮で瞳を潤ませ、小鼻を開いて身体をくねらせる。
 沙希は稔に見られ、自分のオナニーを晒す事によって、従属心を強めてゆく。
 ノルマをこなした時には、稔に付き従う喜びを心の奥に焼き付けていた。

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