夢魔
MIN:作

■ 第7章 隷属(弥生・梓・沙希)12

 稔は1階に下りると、階段下の倉庫の扉を開き中に入る。
 沙希は驚きながらも稔に従い、倉庫に入ると稔は倉庫の電気を点け
「沙希足を開いて、犬のチンチンの格好をしてご覧…」
 目の前の沙希に、静かに指示を出す。
 沙希は良く意味を理解できないまま、指示の通りにチンチンの格好をすると、稔は沙希の股間の汚れを、丁寧にハンカチで拭い、オ○ンコの中に入れそこも拭き取ると
「口を開けて、咥えなさい」
 言いながら、沙希の愛液でビショビショになったハンカチを、丸めて口の中に突っ込んだ。
 突然の事に、沙希は驚きながらも従うと、いきなり頭の上をカンカンカンと、誰かが階段を駆け上がる音が、倉庫内に響いた。
(あ、あのタイミングで、倉庫の中に入らなかったら…今の人と間違い無く、出くわしてた…)
 沙希は学校の構造と、人の動きのタイミングで、危うく裸身を人前に晒す所だった事に気付いて、ブルリと震える。
 稔は震える沙希を見下ろしながら、ジッと動かない。
 沙希はモジモジと身動ぎをしていると、再びカンカンカンと誰かが階段を上がる音が、倉庫に響く。
 その音が行き過ぎると、稔はリードをしゃくり沙希を動かし始める。

 倉庫を出て稔は何事もなかったかのように、廊下を進み始める。
 その迷いのない歩みに、沙希は有る答えを導き出す。
(ご主人様は、誰かが来るのが…事前に分かるんだ…じゃないと、あのタイミングで倉庫に入る筈ないし…倉庫を出るタイミングもバッチリだった…なーんだ…ご主人様に付いて居れば、何にも心配する事無かったんだぁ〜)
 途端に沙希は気持ちが軽くなり、この学校散歩を楽しみ始めた。
(おっと…バレてしまったようですね…沙希の表情から恐怖感と不安が消えてしまった…まあ、仕方ないですね…)
 稔は沙希の表情の変化をいち早く察知し、自分が事前に情報を集めていたのを、沙希にバレた事を知って、残り50m足らずの道程を歩いていった。
 保健室の扉の前に着くと、稔はおもむろに扉を開ける。
 すると、目の前には保健医の弥生が白衣を着て、平伏していた。
「ご主人様、お待ち申しておりました」
 弥生は稔に挨拶すると、身動ぎひとつしない。
 稔が弥生の横を通り過ぎ、それに続いて沙希が中に入ると、弥生がスッと身体を起こして扉を閉め、内鍵を掛ける。
 鍵を掛けた弥生は、クルリと振り返ると、又正座して深々と頭を下げた。

 稔はそんな弥生の仕草を見詰め
(う〜ん…これは、真さんの教育ですか…いや、違いますね…真さんはこういう事を強要しない筈です。と言うと、弥生の自発行動…)
 椅子に深々と腰掛けて、平伏する弥生の気持ちの変化を探った。
 沙希は平伏する弥生と、それをジッと見詰める稔を、交互に見ながら
(な、なに…上郷先生は、どうして動かないの…稔様はどうして何も言わないの…私はどうすれば良いの?)
 自分の取るべき行動が解らず、モジモジと居心地が悪そうにしている。
 しかし、そんな沙希の考えを、稔が打ち破るように、弥生に声を掛けた。
「弥生顔を上げて、こっちへおいで」
 稔の声に弥生は顔を上げると、正座したまま稔の元へにじり寄る。
 稔の足下まで進むと、弥生は顔を上げジッと実を見詰めた。
「膝立ちに成りなさい」
 弥生は指示通り、膝から上を持ち上げると、椅子に座った稔の胸の高さに、弥生の頭が来る。
 沙希は何が起こるのか解らず、固唾を飲んで2人を見詰めていた。

 稔はジッと弥生の目を見詰め
「そのままで良いの?」
 静かに問い掛けると
「失礼します」
 弥生が軽く頭を下げ、白衣のボタンを素早く外すと、白衣のポケットの中から首輪を取りだす。
 白衣の前をはだけるとスルリと脱いで、首輪を両手で捧げ持ち、稔に差し出した。
 弥生の白衣の下には、黒革の訓練下着が、がっしりと身を覆っている。
 稔は差し出された、弥生の首輪を受け取ると、弥生は顎を上げて首を晒す。
 稔が弥生の首輪を嵌めると、沙希に取って、この上ないショッキングな状況を目にする。
 稔は弥生にニッコリと微笑みかけ、その唇に濃厚な口吻を始めた。
(な、何で! 何で稔様は、あんな風に微笑むの! 感情がなかったんじゃなかったの?)
 沙希は稔の微笑みが、弥生に向けられたことに、愕然とした表情で見詰める。

 弥生と稔の口吻を、床に座ってフルフルと震えながら見詰める沙希。
 その瞳にボロボロと、大粒の涙が溢れ始める。
 その涙に稔が気付き、弥生から唇を離して、沙希に声を掛けた。
「どうしたんですか? 何を泣いて居るんです?」
 稔の質問に、沙希は俯きながら
「嘘つき…稔君の…嘘つき…」
 小さな声で、嗚咽混じりに呟く。
 稔は沙希の呟きの意味が解らず
「僕が嘘つきって、どういう事ですか?」
 沙希に質問すると、沙希は突然顔を上げ、稔を見詰め
「だって、感情が無いって! それを知りたいって! 言ったじゃない…。なのに稔君は、私には一度もあんな顔してくれ無かったし、私もあんな風にして欲しかったけど、諦めたのに…だけど上郷先生には…ふえぇ〜ん」
 沙希の抗議の言葉は、言葉に成っては無かったが、稔はその意味を理解して沙希を
「沙希は僕の秘密を知っているから、僕が表情を変えない理由も分かるでしょ? 弥生はその話を知りませんから、便宜上表情を繕っているだけなんですよ…。沙希はそんなモノでも、構わないんですか?」
 静かに説き伏せる。

「スン…ヒック…そ、そんなのヤダ…です…。本当の…微笑みが欲しいです…けど、嘘でも…優しく微笑んで…欲しい…です」
 稔の声に、沙希は愚図りながら訴える。
「難しい事を言いますね…まあ、沙希一人の意見で、僕の行動パターンを変える事は出来ませんから、今度みんなに聞いてみましょう」
 稔が沙希の要望を検討する事を約束すると
「ほ、本当ですか! やった〜っ」
 沙希は満面の笑みを浮かべ
「ご主人様、有り難う御座います」
 途端に機嫌を直して、平伏する。
 稔はポリポリと頭を掻きながら、そんな沙希を見詰めた。

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