夢魔
MIN:作

■ 第9章 虫(バグ)7

 ベッドに横たわった健二は、疲れ果てていた。
 ソファーで2回出した後、ベッドでも1回、今日の短時間で都合4回、美香に精を搾り取られたからだ。
 ベッドの上で大の字に成った、健二は胸に灰皿を乗せ、天井を見ながら煙草を吸っている。
 美香はと言えば、そんな健二に取り縋り、かれこれ1時間程飽きる事無く、舌を這わせている。
 全身のありとあらゆる所を、満遍なく舌を這わせ、指でなぞり奉仕を繰り返していた。
(こいつ…飽きねえのかよ…まぁ、きもちいいけど…。それより、こいつと長い事居ると…多分俺死ぬな…やりすぎで…)
 奉仕を繰り返す、美香を見詰めながら、天井に向けて煙を吐くと、健二の携帯電話が鳴る。
「美香、取って来い」
 健二が命令すると、美香は直ぐに行動に移して、携帯を持ってくると、健二の横に正座して
「はい…健二さん、おもちしました…」
 うっとりとした顔で健二を見詰め、両手で携帯を捧げ持ち、差し出した。
 健二が横柄に携帯を受け取ると、美香はまた健二の身体に取り付いて、口と手の奉仕を続ける。

 電話の着信を見た健二は、舌打ちをして携帯を開いた。
(ちっ…Jr.かよ、また女用意しろって電話だろう…全く、金も払わねえ癖しやがって…)
 苦虫を噛み潰したような顔で、電話の着信履歴からリダイヤルする。
「あ、もしもし、伸也君…どうしたの?」
 先程の悪態と打って変わった猫撫で声で、電話の相手竹内伸也に話しかけた。
『へへへっ…今、ホテルに居るだろ、しかもすげー美人と…』
 伸也は健二に向かって、タメ口で話しかける。
 伸也にとって、健二は父親子飼いのチンピラ以外の、何者でもなかった。
「な、何ですか…突然。そりゃ、僕だって彼女とホテルに入る事ぐらい有りますよ…」
『ひゃひゃひゃ…おかしな事言うぜ。彼女? どうせ飽きたら、親父に売りつけるんだろ…。その前によ…味見させろよ…俺に』
 伸也の言葉に、健二はまた、苦虫を噛み潰したような顔をする。
(ちっ…見つかっちまったか…。しゃあねぇか…こいつも、この状態なら、それなりに楽しむだろうし…これをネタに、縛り付けるのも良いか…)
 健二は美香を見詰め、非道な考えをまとめると
「解りました…後20分で行きます…。駅前のコーヒーショップで落ち合いましょう」
 伸也に返事をして、電話を切った。

 健二は美香に視線を戻すと
「おい、服を着ろ…出かけるぞ」
 短く吐き捨てるように言い
「下着は鞄にでも入れてろ、付ける必要ない」
 少し考えて、美香に付け加えて命じる。
 美香は健二の命令に返事を返すと、ベッドから身体を起こす。
 すると、美香のオ○ンコから、ドロリと健二の精液が流れ出した。
 健二は美香に避妊もせず、後の処置もさせないまま、美香の奉仕を受けていたのだ。
(汚ねぇな…シャワー浴びさせる暇もねえし…ティシュでも突っ込んどくか…)
 健二は枕元にあるティシュを4・5枚まとめて取ると、美香を呼び付け、足を拡げさせた。
 そして、クルクルと丸めたティッシュを、美香のオ○ンコの中に押し込む。
「汚ねぇから、栓してやったぜ…落とすんじゃねえぞ」
 健二がそう言うと
「はい…わかりました…ありがとうございます…」
 美香はペコリと頭を下げて、健二の命令に従順に従い、フラフラと身繕いした。
 これから、自分の身に何が起きるか一切知らず、ただ恋人の命令に従うのだった。

 ホテルを出た2人は、大通りを真っ直ぐ駅に向かう。
 美香の足取りは、フワフワと雲の上を歩くように、不安定で健二が支えないと、倒れてしまいそうだった。
(ちっ…足に来てやがる…面倒な事に、ならなけりゃ良いけど…)
 美香はどう見ても未成年であるが、今の足取りは完全に千鳥足だった。
 警察に見付かれば、間違いなく職務質問を受けるだろう。
 そうなれば、良くても淫行、悪くすると薬物使用で懲役まで起こりえた。
(保護観ついてるから…今度は少年院だぜ…やばいやばい…早く移動するに越した事無ぇ…)
 健二は首を竦めながら、周りに神経を使って、美香を抱えるように、足早に歩いて行った。
 駅のそばのコーヒーショップに入ると、約束の時間までまだ少し有った。
 コーヒーを2人分買うと、美香の前に差し出す。
 目の前の美香は、足早に歩かされたせいか、息を切らせ胸を押さえていた。
 そして、美香の持ち上げた顔を見て、健二はギクリとする。
 美香の瞳に意志の光が、戻っては消え、消えては戻りし始めたのだ。
(げっ…薬が切れかけてる…どうする…1回飲ませたら、半日は開けろって言われてたけど…このままだと、間違いなく後10分程で正気になっちまう…)
 健二は急ぎ考えをまとめ、ポケットからもう1錠、薬を取り出し、美香の手に握らせ
「さっきみたいに飲むんだ…」
 小声で素早く命じた。

 美香はコクリと頷き、手の中の錠剤を舌下に入れて、唾液で溶かし飲み込んでいった。
(まぁ、レイプの記憶が残るくらいなら、薬中に成った方がマシだろ…)
 健二は自分に、都合の良い理由を付けて、美香に対する行動を正当化し、納得した。
 目の前の美香は、さっきよりかなり速い速度で、瞳から意志を無くして、発情し始める。
 健二はその反応に安堵した時、目の前の携帯が鳴った。
 健二が慌てて携帯に出ると
『馬鹿野郎…お前の相手、特待生の森川じゃねえか! しかも、薬使ってるだろ』
 声を潜めながら、怒気を含んだ声で伸也が連絡して来た。
「特待生…それがどうかしたんですか?」
 健二が訝しんだ表情で、伸也に聞くと
『お前…知らねぇのか…親父直々に、手を出しちゃいけない人間のリストが出たの…』
 呆気に取られた声で、伸也が答えた。
「リスト…そんなもの、いつ出たんですか…」
 健二が呟くように尋ねると
『2ヶ月前だよ…、もう良い。早くそいつ連れて、ボックスに移動しろ。他の奴らに見付かったら、ボコられるだけじゃすまねぇぞ』
 伸也は苛立ちながら、要件を告げ電話を切った。
 健二も事の重大さに気付き、急いでコーヒーショップを後にする。

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