夢魔
MIN:作
■ 第12章 幕間5
身支度を調えた5人は、弥生の家を後にして、駅前へ向かう大通りを歩いている。
美紀と沙希は緊張して、中々歩みが進まない。
股間に入っている、バイブがいつ動き出すか、気が気でなかった。
一方美香と梓は、稔の後に付き従い、その美貌を振りまいている。
この5人が固まって歩いていると、道行く人間が必ず振り返り、どこかにカメラを探す有様だった。
「み、稔様…その〜…少し、目立ち過ぎでは御座いませんか…」
梓が懸念して、稔に問い掛けると
「仕方有りませんよ。貴女達が美しすぎるんです。人目に付くのは、当然の成り行きでしょ」
稔が頓着無く、褒め言葉を含めて答えを返すと、梓は身悶えし頬を染めながら
「稔様…有り難う御座います…でも、こんな所で褒められると…」
稔に言いかけると
「濡れてしまいましたか?」
稔が先に答えを返す。
梓は稔が意地悪をした事を悟り
「稔様がお楽しみであれば、どのようにでもお使い下さい…」
頭を下げて元の位置に戻った。
稔は梓が戻るのと同じタイミングでピタリと止まり、後ろを不意に振り返ると、梓の目の前に顔を向け
「可愛いよ梓…」
蕩けるような笑顔を見せて、小声で梓に囁き、ヒョイと顔をずらして、だいぶ離れてしまった、沙希と美紀に声を掛ける。
梓は稔の不意の攻撃に、無防備な心を揺さぶられた。
(み、稔様…こんな所で…ああぁ〜…こんな嬲られ方…癖になりそうです…)
梓は稔の笑顔を間近で見せられ、尚かつ甘い囁きをされたせいで、腰が砕けそうになった。
美香は今の稔の、絶妙の間合いとタイミングに、顔を強ばらせ
(あんなのって、普通じゃただの言葉だけど…稔様がすると、羞恥プレイにまで成るのね…)
稔の恐ろしさを、目の当たりにする。
稔はトラブルも解消し、速いペースで奴隷達を落とす事が出来、満足していた。
(3日で5人とも落とせましたね…1人1日〜2日掛かると踏んでいましたが、上出来です)
稔は沙希と美紀が追いついてきたのを確認すると、また前を向き歩き始める。
稔達一行が、駅前のハンバーガーショップに着くと、店内は多くの人で溢れていた。
「う〜ん…どこかに空きは、無いですかね〜」
稔が店内を見渡すと、丁度真ん中の席を締めていた、女性の集団が立ち上がる。
稔達が、その席に移動を始めると、店内の視線は稔達に釘付けになった。
これでもかと言う、美男美女の集団である。
当然と言えば、当然であろうが、沙希は今の状態で、自分がさせられた露出プレイを思い出した。
(こ、これって…ちょっとやばくない…これだけ、注目されてるのに、バイブが動き出したら…)
沙希の心配を余所に、稔はメニューから、商品を選び美香に告げている。
ポケットから無造作に財布を取り出し、美香に預けると美香はその厚さに、驚きながら梓とカウンターに向かった。
2人を送り出した稔が、沙希に振り返り
「思い出すでしょこのシュチュエーション…感じてるんじゃないですか?」
ニッコリ微笑んで、沙希の心を見透かした。
沙希はギクリとして、俯き何の事か解らない、美紀の不思議がった視線に耐える。
(稔様…何か今日は意地悪だわ…どうして美紀の居る前でそんな事…)
沙希が俯いて困り出すと、更に困った状態に陥ってしまう。
沙希のオ○ンコのバイブが、始動を始めてしまったのだ。
沙希は跳ねるように頭を持ち上げ、泣きそうな顔で稔を見詰める。
美紀は沙希の反応を見て、状況を理解しその可愛らしい顔を青ざめさせた。
沙希は悩ましげに、眉根に皺を寄せると、手をギュッと握りしめ必死に耐える。
すると、稔の口が開き小さな声で
「僕のために耐えるんです。僕の命令に従うために、耐えるんですよ…」
沙希に向かって、囁いた。
沙希はコクリと頷いて、稔の瞳をジッと見詰める。
回りの客は急に動かなくなって、見つめ合う2人がとても気になるのか、はばかる事無く凝視した。
その見つめ合う2人の元に、大量のハンバーガーを抱えた2人が戻り、何事も無いような顔で、トレーをテーブルに置く。
この2人の登場で、ますます興味がわいた、客達はお互いにヒソヒソと話し出し、店内は奇妙なざわめきで満たされる。
見つめ合う2人は突然、沙希の大きな溜息と、艶めかしい視線で幕を閉じ、うっすら頬を染めて荒い息に変わった。
そして、店内のざわめきは稔の食事を見て、どよめきに変わる。
稔は一個のハンバーガーを3口で食べ、9個のハンバーガーと2杯のLサイズドリンクを、その胃袋に納めた。
食事を終えた5人は席を立ち、何事も無かったように店を出る。
店内は、稔達が出て行っても、妙なざわめきが消えなかった。
稔達は、大通りを自宅の方に向かいながら、歩いている。
「今日はこれで、解散しましょう…。それぞれ、身体を休めて、体力の回復に努めて下さい」
稔はそう言うと、5人の輪から外れ、一人だけ角を曲がった。
何か声を掛けようとする、美紀だったが、稔の昨日の働きを思い出し、言葉を飲み込む。
(あ〜あ…稔様の…意地悪…結局今日は抱いて貰えなかった…でも、お身体の事考えたら、ワガママなんか言ってられないか…)
美紀はガックリと肩を落とし、梓達の方に向き直った。
「美紀…早く帰りましょ…外で、あれが起こったら大変でしょ…」
美香が美紀の耳元に、早口で言うと、美紀も思い出して、大きく頷き
「私と沙希ちゃん、家まで走るね…」
そう言って、2人の元から離れていった。
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