夢魔
MIN:作

■ 第12章 幕間10

 扉を開けて出て行こうとした狂に、美紀が慌てて声を掛けた。
「あ、あの…有り難う御座いました…、狂様お急ぎですか?」
 美紀の言葉に、狂は振り返りもせず
「暇じゃないんだよ、じゃあな」
 扉を閉めかけると、狂の携帯が鳴り始める。
 狂は携帯電話に出ると、数分英語で話した後、舌打ちをし携帯を睨みながら、電話を切った。
 狂の仕草を見ていた3人は、怯えた表情を浮かべ見入ると
「おい、2時間ほど暇になった…、付きあってやるぞ」
 美紀の部屋に戻りながら、ぶっきらぼうに3人に伝える。
(あ、藪蛇かも…その気になっちゃった…)
 美紀が顔を引きつらせながら、考えると
「よろしくお願いします」
 美香が深々と頭を下げて、挨拶をした。
 美香に釣られるように、美紀と沙希も挨拶をする。
 狂はそのまま、美紀の部屋に戻ると、美紀のベッドに腰を掛けた。

 狂は3人を見渡しながら、口を開くと3人に質問する。
「で、何してたんだよ…おめえら…」
 狂はニヤニヤ笑いながら、3人に問い掛けると、3人は顔を赤く染めて俯き[勉強してました]と口々に答えた。
「ははは…このスケベ共…。まあ、それ位の意欲がなけりゃ、この後はきついかも知れないがね。でも、俺的に言うと、この後も、今の反応を忘れないで欲しい…」
 狂が笑いながら、3人に珍しく頼み込むように言った。
 狂の態度が一昨日と違う所を見て、沙希が質問する。
「狂様…あ、あの〜…教えて欲しい事が有るんですが…」
 沙希がおずおずと手を挙げると、狂が沙希の方を向いて
「教えれる事は教えてやるが、駄目な物は言わないぜ。で、なんだ?」
 質問を促すと、沙希はモジモジしながら
「ご主人様達は、今何人の奴隷が居るんですか? 何人の人を、奴隷にしたんですか?」
 狂に問い掛けた。
「おいおい、いきなり大胆な質問だな? お前は俺達の、経験を知りたいってのか?」
 狂は沙希に向かって、冷たく問い掛けると
「い、いえ…そんな積もりじゃ有りません…お許し下さい、狂様! ご機嫌をお直し下さい…」
 沙希は震え上がって平伏し、狂に謝罪する。
「ケッ、怒ってねぇよ…ビクビクすんじゃねぇって。俺はいつもこんな喋り方だ、オタオタしてたら身がもたねぇぞ」
 狂は沙希に向かって、ニヤリと笑いながら、3人を見渡す。

 暫く顔を見比べた後、狂が意外な事を口にする。
「今現在の奴隷は、お前らだけだ。って言うより、俺達ゃまともに奴隷を持った事は、今回が初めてだ。考えても見ろよ、俺達は大卒って言っても、年齢はお前達と同じなんだぜ、そんな奴が、奴隷を10人も20人も持てる訳ねえだろ? 稔は確か調教じみた事をしてたけど、俺や庵は精々プレイ止まりだ…。こんなモンで良いか? 沙希…」
 狂の答えに、名前を呼ばれた沙希が、驚きながら頷いた。
「馬鹿野郎! お前、主人が質問に答えてるのに、正座して首振るだけかよ! もっとこう、やり方とか、感謝の仕方有るだろ」
 無言で頷く沙希に、狂が声を大きくして、感謝の表し方を要求する。
 沙希は狂の声に驚きながらも、頭を回転させ、狂のご機嫌を取る方法を考えた。
(え〜…狂様は、露出好きなのよね…でも、単純に裸を見せても、絶対に納得してくれないだろうし…どうする…)
 沙希がモジモジと、身体を捻りながら、考えていると、狂が口を開く。
「もう良い…。俺が決めてやる…お前ら、今下着履いてないよな…なら、沙希はスカートを捲り上げろ。ギリギリの高さまでだ、今の情報はそれ位の価値は有るだろう、次は胸元な。色々教えてやるが、お前達にもリスクをやる。話が終わった後で、この近所のお散歩だ」
 狂はそう言うと、3人を見渡し、ニヤリと笑った。
 3人の口は途端に重くなり、質問が出て来なくなる。
「何だよ、この程度のゲームも楽しめないようじゃ、大した奴隷には成れないぜ」
 狂が小馬鹿にするように、3人に言うと、美紀が負けん気を出し、狂に向かって手を挙げた。
「狂様達は、どうやってこの世界の技術を勉強したんですか?」
 美紀の質問に、狂は頷くと
「さっきも言ったけど、ほとんどがサイト関係の知り合いとのプレーだ。稔は、それに自分の知識をプラスして、あんな風になったんだけどな。あいつの特技は、あっちでもかなりもててたぜ」
 軽い口調で答える。
 狂の答えを聞いて、美香が何かに気付いて、手を挙げる。
「稔様は、あちらでおもてに成っておられたのに、どうして奴隷を作らなかったんですか?」
 美香が、狂に問いかけると、狂はムッとした顔になり
「どうだろうな…あいつは、あんまり考えてる事が、読めない時があるからな」
 ポツリと呟くように答えた。

 狂は美香に膝上15pまで、スカートを上げさせると、ワンピースを着ていた美紀には、着替えを命じ、25pの高さまで捲らせる。
 狂は質問の内容と答えの重要性により、格差を付けた。
 美紀と沙希は、超ミニのスカートで、正座しているため、股間の陰毛が丸見えに成っている。
 美香だけが、辛うじて見えない程度の長さに成っていた。
 そんな姿の中、沙希が再び手を挙げる。
「狂様! 狂様達は複数の奴隷を飼う事に、抵抗が有りますか?」
 沙希は、怒ったような、少し興奮した顔で、狂に質問を叩き付けた。
 狂は沙希の質問に鼻でクスリと笑うと
(気になって仕方ないんだろうな…稔の相手が誰になるか…)
 沙希の気持ちを見透かしながら
「多頭飼いか…俺らの中じゃ、多分誰もしない…。俺は、独占欲が強い分相手にも、それは貫く。真さんは、伴侶捜しだから有り得ねぇし、庵はああ見えても、かなり細やかに神経を使うタイプだから、多頭飼いは無理だな。出来るとしたら稔だけど、あいつも分らねぇな…なんせ、感情がねぇから…」
 狂の言葉に、3人が顔を見合わせると、狂が言葉を続けた。
「つまり、お前らの内誰かは、あぶれるって事だ…梓は、稔の奴隷としても、頭1つ出てるし…誰があぶれるかは、お楽しみだな?」
 狂が茶化すように、3人に話し掛けると、3人は鼻白んだ。
 狂が話し終わると、沙希は狂に言われる前に、ブラウスのボタンを上から3っつ外し、胸元を大きく開いた。
 沙希のたわわな乳房の谷間が、ブラウスの隙間から完全に露出している。
「沙希…後、ボタン1つ分は、有るんじゃないか? 今の情報…俺は、正当に評価して欲しいね。情報に関しては…」
 沙希は真剣な顔で、狂の言葉を吟味し直すと、頷いてボタンをもう一つ外して、シャツをはだけた。
 沙希の下着を着けていない乳房は、あと少しで乳首が見える程、大きく露出し揺れている。
 沙希は頬を真っ赤に染め、俯くと何かをジッと考え始めた。
 狂はそんな沙希を、薄笑いを浮かべながら、ジッと見つめる。

■つづき

■目次2

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊