夢魔
MIN:作

■ 第12章 幕間11

 狂は沙希から視線を外すと、美香と美紀に交互に視線を向けながら
「もう質問は良いのか? 無いなら終わりにするぞ」
 終了をチラ付かせ、2人の気持ちを焦らせる。
(まだ聞きたい…でも、これ以上露出して、外を歩くなんて…。沙希ちゃんは良いわよ…お家が近くないんだから…でも、私達は直ぐ側に、うるさいおばさん達もいるし…)
 美紀は心の中に、出来たジレンマと戦いながら、どうするか悩んでいた。
(稔様の事、もっと聞きたい…でも、あからさまに聞くと狂様は、不機嫌に成られる…。でも質問の量を増やすと…恥ずかしい格好で散歩させられる…どうすれば良い…)
 美香も美紀と同じように、心の中で戦っている。
 狂はそんな2人を見比べていると、思わぬ所から声が掛かった。
「質問しても、良いですか?」
 沙希はギュッと真剣な視線を、狂に向けて質問の許可を求める。
 狂はそんな沙希の、表情に驚きながら
「お、おめ〜…これ以上何を晒すつもりだよ…」
 ポツリと呟くと、沙希はいきなりお辞儀して立ち上がり、美紀の机のペン立てに有った、油性のマジックを手に持って、狂の前に座り
「これで、私の身体に好きな事を書いて下さい。それがだめなら、四つん這いでも、何でもします」
 マジックを狂に差し出して、言い切った。
 狂は沙希の根性の座り方に、思わず吹き出す。
「気に入った…、お前良い根性してるわ。解った、何でも聞けお前の身体に書き込んでやるから」
 狂は満面の笑みを浮かべ、沙希からマジックを受け取った。
「お前らも、こいつぐらい肝が据わってれば、もっといい話が聞けたかもな」
 そう言うと、狂は沙希の手を取り立ち上がる。

 美香と美紀が驚き
「え? ど、どこへ行かれるんですか?」
 狂に問いかけると、狂は2人に振り返り
「こいつは、ここまでリスクを掛けて、情報を得るんだ。何も、掛けないお前達が聞く権利はねぇだろ。それは図々し過ぎると思わんか?」
 あっさりと答えると、沙希が納得したように頷く。
 この狂の行動で、美紀はもう堪えられなかった。
「ま、待って下さい…お許し下さい狂様、私も何をされても構いません。だから、一緒に連れて行って下さい」
 美紀が狂の足に縋り付きながら、哀願する。
「さて、後は美香だけだ…お前はどうする?」
 狂が美紀を見下ろしながら、美香に質問すると
「私だけがリスクから逃げたと思われるのは、とても心外ですので、私も参加させて下さいませ」
 狂の足下にすり寄り、平伏して答えた。
(こいつも、何気に気が強いな…いや、芯が強いのか…)
 美香を見下ろして、元の場所に戻る。
 3人も同じように元の位置に戻ると、質問会が再開された。
 元の場所に戻った3人の態度は、先程の重い口が嘘のように、質問を投げ掛ける。
 それこそ、食べ物の好みから、幼い頃の出来事、大学生活とありとあらゆる質問に及んだ。
 狂は矢継ぎ早に投げ掛けられる質問に答え、少女達の身体に落書きをする。
 1時間程たった時には、3人とも身体中に公衆便所のような落書きをされ、かなりみっともない状態に成った。
 お互いの身体を見詰め、ガックリと肩を落とし、狂の指示を待つ。

 狂は3人に首輪をさせると、立ち上がり
「さあ、約束だぜ。散歩に出かけよう…30分程しか時間ねぇから、急げよ」
 3人の奴隷を後ろから、追い立てる。
 3人とも、情報のカタに2足歩行を掛け、散歩は四つん這いでする事に成っていた。
 狂の前には、3つのそれぞれ違う良さの有る、お尻がプルンプルンと揺れている。
 尻タブにはそれぞれ、<玩具奴隷><牝犬奴隷><便所奴隷>と大きく書き込まれ、腰の部分に<ご自由に突っ込んで下さい>と書かれていた。
 太ももや乳房や腕にも、有りとあらゆる隠語や絵が書き込まれ、3人の立場が一目で分かるようにされている。
 狂が美紀の部屋の扉を開けると、3匹の奴隷達は、死刑執行台に向かって歩く、囚人のように項垂れ、絶望に顔を染めていた。
 階段を下りて、玄関に向かう前に狂はリビングに有る、姿見に3人を立たせ、その姿を確認させる。
(ひ、酷いわ…なんて情けなくて、みっともない格好なの…。これで、人目に晒されたら…もうお終いだわ…)
(ああぁ〜…こんな格好で外を這い回ったら、絶対に噂になっちゃう…。もうお外出歩け無くなっちゃうよ〜…)
(だめよ…こんな格好…いくら何でも、これじゃ直ぐに噂になって、学校まで辞めさせられちゃう…)
 3人は鏡の前に立ち、更に絶望感を強めて、泣き出しそうになっていた。
 狂はそんな3人を後ろから、ニヤニヤ笑いながら見詰め
「さあ、行くぞ。覚悟は出来たろ」
 玄関に向かって、顎をしゃくり促した。
 3人はヨタヨタと、這い進み玄関に向かう。
 狂は歩みの遅い者のお尻を足で小突き、急かせると上がりがまちで止まり、靴を履く。
 そして、狂が3人に向き直ると、全く関係ない命令を下した。
「お前ら、体育座りで足を大きく開いて、オ○ンコを良ーく見せてみろ」
 狂の命令に、首を傾げながら言われた通りの格好をすると、狂が3人の開かれたオ○ンコを調べ始める。

 一番前にいた美香のオ○ンコは、殆ど濡れておらず、隣にいた美紀のオ○ンコは、潤んでいる程度だったが、2人の後ろで顔を真っ赤に染めた、沙希がそっぽを向きながら足を開くと、沙希のオ○ンコはドクドクと愛液を溢れさせ、しとどに濡れていた。
 狂は沙希のオ○ンコから溢れる愛液を掬い取り、沙希に見せると
「これは、何でこうなってるんだ? 感じてるのかお前…」
 沙希に向かって質問する。
 沙希は俯きながら、泣きそうな顔を真っ赤に染め、コクリと頷くのがやっとだった。
 狂は沙希に近づくように命じると、ニヤニヤと笑いながら見下ろす。
 沙希はまだ、言葉で嬲られるのかと思い、ガックリと肩を落として、命令に従った。
「お前は、そう言や一度露出したんだよな…。あれを思い出したのか?」
 思いの外優しい声の狂に、沙希が驚き顔を上げると、狂は初めて示す優しい笑顔で沙希を見詰め
「あれは、興奮しただろ? あの後、どこかで一発やるのが俺は好きなんだ…」
 頭を撫でながら沙希に告げた。
 呆気に取られる、3人を尻目に狂は玄関の扉に近づくと
「んじゃな! 見送りは此処までで良いぜ」
 振り返って、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「あ〜っ! 狂様…悪戯だったんですね!」
 沙希が直ぐに気が付いて、狂を指さして言うと
「馬〜鹿…お前らにそんな格好で、この近所歩かせてみろ…稔にぶっ殺される。最初からその気はねえよ…お前らが、露出に対してどんな反応するか、知りたかっただけだ」
 狂は手をヒラヒラと、振りながら扉を開けた。

■つづき

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