夢魔
MIN:作

■ 第17章 始動2

 形成外科医室に、長身の美少年が入ると梓は扉を閉め、後ろ手で鍵を掛ける。
 扉に張り付いたまま、梓は白衣のボタンを全て外し、襟元をはだけると肩を滑らせ、脱ぎ捨てた。
 梓は、白衣の下には何も着けておらず、一つの動作で美しく艶の掛かった全裸を晒す。
 梓の両の乳首と股間には、奴隷の証のピアスと貞操帯が、窓から差し込む光がキラキラと反射する。
 梓の乳首のピアスは、意匠を凝らした庵の特製ピアスからシンプルなリング形の物に変えられていた。
 庵の特製ピアスは趣向が凝りすぎていて、慣れてない者には外す事が出来ないからである。
 稔がクルリと梓に向き直ると、梓はリノリウムの床にペタリと正座し頭を下げ、平伏した。
「午前中の診察は楽しめた? 何回イッたか報告しなさい」
 稔の声は、どこか優しく響き、梓の心を蕩かして行く。
 ウットリとした顔を上げ、稔を見詰めた梓は
「はい…全て我慢致しました…」
 午前中の結果を報告した。

 稔は梓の報告を受けると、頷いて
「僕の許可無しにイク事を拒んだの? それともお仕置きが嫌だったの?」
 梓に静かに質問する。
「お仕置きは魅力的でしたが、ご主人様の許可無しにイク事は、私の中では大変な罪で御座います。私には快楽に身を預けて、罪を犯す事は出来ませんでした」
 梓は深々と頭を下げながら、正直に稔に答えた。
 稔は、梓の答えに再び頷き、背を向けると椅子迄歩き腰を下ろす。
「お利口な牝奴隷に、ご褒美を上げましょう。こっちにおいで」
 稔の褒め言葉に、梓の身体が喜びに震え、身体を四肢で持ち上げ、高足の四つん這いの姿勢を取り、クネクネとお尻を振りながら、稔の足下に移動する。
 稔の足下に移動した梓は、再びペタリと平伏し、次の指示を待った。
 稔はユックリと足を上げ、土足のまま梓の頭の上に置くと
「梓は何がしたい? 梓の望みを聞いて上げよう」
 梓に取って極上の褒美の言葉だが、梓はそれに飛びつかず
「ご主人様の望まれる事をしたいです…。どうか、梓にご命令を下さいませ」
 額を床に擦りつけ、稔の命令をねだった。
 稔は梓の頭の上から足をどけると
「梓顔を上げなさい」
 静かに命令する。

 梓は稔の命令に、即座に顔を上げると、稔は同じ速度で身体をかがめ、梓の顔の来る正面に自分の顔を持って行き、上げたばかりの梓の唇を奪う。
 突然の口吻に梓は一瞬驚いたが、身体は直ぐに反応した。
 梓は、背筋を真っ直ぐ伸ばし顔を突き出すと、両手を後ろで組み、膝頭を大きく開いて、稔の陵辱を妨げない様に全てを晒け出す。
 唇を開き稔の舌を受け入れると、激しく口腔内を嬲られ、唾液を流し込まれる。
 梓は稔の舌に答える様に、自分の舌を絡め唾液を嚥下した。 
 その途端、梓の子宮から大量の愛液が溢れ出し、バイブに吸収され、直腸に流し込まれる。
 そして、稔の手がたわわに揺れる乳房を愛撫し始めると、梓の身体は更に激しく反応して直腸の圧迫を強めた。
 しかし、今の梓には愛液浣腸の苦痛など、微塵も感じられていなかった。
 それを塗りつぶす、稔の愛撫の快感に、忘我の域に達し掛けている。
(あぁ〜〜〜っ…ご主人様…勿体ない…こんな素晴らしいご褒美を頂けるなんて…梓、幸せです〜〜〜っ…)
 梓の身体が、ビクビクと揺れ跳ね、その度に梓の眉根に悩ましげな皺が寄った。
 梓は稔の愛撫を受けながらも、許可無く絶頂を迎える事を我慢する。
 拷問の様な愛撫。
 それは、梓本人が望み決めた苦痛だった。
(うん…梓の自制心は凄い。このままでは、自分で自分を壊しかねないな…)
 稔は梓の表情を見ながら、判断し
「梓、僕が許可するから、気持ち良くなったらイキなさい。但し、イキ過ぎて自分を見失うのは許しませんよ」
 梓の口の中に唾液と共に言葉を送り込んだ。
 稔の許可を得た梓は、途端にビクビクと震え、稔の口の中に快感を訴える。
「あふぅ〜〜〜ん…はん…はぁ〜ん…イ、クぅ〜〜〜っ…! きもちいい…きもちいいです…ごしゅじんさま〜っ…」
 梓は快感に蕩ける目を向け、稔に絶頂を迎え官能に震える姿を見せた。

 稔は愛撫の手を止めると、チラリと時計に目をやり、梓の頬を両手で持ち上げ
「今日はこれから梓には、ゲストの相手をして貰います」
 梓の目を覗き込み、静かに伝える。
 梓は稔の言葉に
(全て理解しております…。私の身体で金田を虜にし、お仲間に引き入れる役目。謹んでお受け致します)
「ご主人様のお心のままに…」
 コクリと頷き、返事を返した。
 すると稔は、梓の思いもよらぬ言葉を続ける。
「梓には頑張って貰わなければ成りませんから、ご褒美の前渡しを上げましょう」
 そう言うと梓の身体から離れ、椅子に腰を下ろし
「僕のミルクを飲ませて上げます」
 ニッコリ微笑んで、梓に告げた。
 稔の言葉に梓は驚き、その顔を直ぐに少女の様な喜びの笑顔に変え
「あ、有り難う御座います…」
 膝で擦り寄り、稔の足の間に身体を移動させる。
「時間は後15分程しかないから、梓は自分の手で慰めながら、舐めなさい。イキたければ、イッても構わないから、時間内に絞り出すんですよ」
 余りに破格のご褒美に、梓は直ぐに行動を起こす。

 首を伸ばし稔のズボンのチャックを歯で捉えると、首を下げてチャックを開ける。
 ボクサーパンツの前を、歯で噛み少しずつ下げて、稔の巨根を露出させ、舌を絡めズボンの中から掻き出す。
(あ、あぁ〜〜っ…ご主人様…もうこんなに大きくされて…。梓の身体は、お役に立ったんですね…)
 稔のチ○ポはすっかり元気になり、その威容を示していたため、ズボンの中から引きずり出すだけでも、一苦労だったが、梓の覚え込んだ技術は、どんな複雑な状況でも即座に対応し、主人の要求に応える事が出来た。
 あっと言う間にズボンの外に出たチ○ポに口吻すると、梓の唇が一挙に奥まで飲み込む。
 梓は喉奥を開いて、稔の亀頭を飲み込むと、両手を自分の乳房にあてがう。
 稔は準備が出来た事を確認すると、リモコンを取り出し全てのバイブレーターをオンにした。
 オ○ンコのディルドーが、アナルの栓が、尿道のカテーテルが、クリトリスのキャップが、乳首を貫くピアスが、それぞれ振動を開始する。

 梓はスイッチのオンと同時に、全ての快感器官に振動を与えられた。
 梓は主人の意志によって、一つの生殖器官、二つの排泄器官、三つの肉豆を同時に刺激され、自ら乳房を揉みしだき、口腔はその敬愛する主の一物で満たされる。
 梓にとってこの上ない従属。
 梓にとってこの上ない快感。
 梓にとってこの上ない至福。
 梓は一瞬で上り詰め、痴態を晒し、愛液を循環させ苦痛を産む。
 梓はその行為全てに酔った。
 喉奥に咥え込んだ稔の亀頭を、絶頂が襲う度に
「んあ〜っ…んあ〜っ」
 快感の声で喉を震わせ、締め付ける。

 稔はそんな梓の後頭部に手を掛け、指先で軽く手前に押した。
 梓は快楽に溺れながらも、頭を前後に揺さ振り、唇と舌を使って刺激を送り続ける。
(………し…あ…わ…せ………)
 梓は朦朧とする意識の中で、言葉にならない声を浮かべ、奉仕の官能に酔う。
 使われる事、仕える事、服従する事、それらの全てが、梓の身体の中に起こる快感を増幅し、満たして行く。
 肉体的な絶頂は数限りなく迎え、精神的な幸福感に浸り、極限の奉仕を繰り返す。
 梓のディープスロートが、10分も続いた時、稔の手が梓の頬を優しく包む。
 その感触に、梓は散り去っていた意識を集め、稔の言葉に意識を集中する。
「梓、凄く気持ちいいし、梓の感じる姿はとても綺麗だ。僕は触覚も視覚も楽しませて貰ったよ。そろそろ出すから、全部そのまま飲みなさい」
 奉仕に対する稔の褒め言葉に、梓は精神的絶頂を迎えようとした。
 そして、稔の精液が喉奥を打った時、梓は今まで感じた事のない別次元の絶頂を迎える。
 身体は炎に灼かれるように熱いのに、心は穏やかな海の拡がりを見せ、自然と涙が溢れ出す。
 梓の身体は、快感のため淫蕩なダンスを続けるが、その表情は驚くほど静かで、幸福に満ちていた。
 淫と楚、白と黒、動と静、そんな相容れぬ物が、混然と成った絶頂。
 恐らく本来なら、大量の愛液をまき散らし、潮を吹いて、失禁している筈であったが、梓の身体はそれを体外に出す事はなかった。
 それは、奴隷の証によって、全て塞がれている。
 子宮の奥から溢れ出した大量の愛液は、バイブに吸収され直腸を圧迫した。
 梓の下腹は、既にプックリと膨れ、直腸内にかなりの愛液を溜めている事が見て取れる。

 しかし、梓にはそんな事は、どうでも良かった。
 いや、感じていなかったのかもしれない。
 恍惚の表情を浮かべながら、梓は稔のチ○ポを舐め清め、尿道に残った残滓を啜り、丁寧に涎を拭って行く。
 綺麗に舐め清めた稔のチ○ポを、梓は手を使わず器用にズボンの中に納め、チャックを上げる。
 梓は全てを終わらせると、後ろに下がり深々と頭を下げ
「過分なご褒美を頂きまして、有り難う御座いました」
 稔に心から礼を言った。
「随分感じていた様だけど、どうだった?」
 稔は梓に微笑みながら、質問を投げ掛けると、梓は上体を起こし
「はい、凄く気持ち良かったです。…今までの人生で最高でした…」
 稔に顔を向け素直に答え、急に頬を染め、俯きがちに言葉を付け足した。
「そうですか、それは良かった。さあ、そろそろ時間です準備をなさい」
 稔が梓に指示を出すと、梓は再び頭を深々と下げ、入り口にわだかまっている、白衣の元へ這い進んでいく。
 白衣を手に取り立ち上がり、全裸の上に素早く纏ってボタンを留める。
 準備を終えた梓は、扉の前で深々と頭を下げ、動きを止めた。
 稔は梓の頭が下がると同時に、椅子から立ち上がり、入り口に向かって歩き始める。
 梓は稔の歩調を妨げる事無く、鍵を開け扉を開き、稔を送り出した後、その背に追従した。

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