夢魔
MIN:作

■ 第18章 使役2

 暫くの無言に、沙希が再び質問した。
「あ、あの〜…。沙希はこれから何をすれば、良いんでしょうか?」
 精一杯声に元気を込め、庵に質問すると
「稔さんが指示を出す」
 庵の答えは、にべもなく沙希の言葉を打ち落とす。
 ガックリと項垂れ、沙希は庵の後ろを歩く。
(庵様…今日は、冷たい…。この間、あんなに優しかったのに…。沙希の事気になるって言ったのに…、沙希の事嫌いに成ったのかな…)
 沙希は考えを巡らせ始めると、更に落ち込んでいった。
 何も話さない庵、項垂れその後にただ付いて行く沙希。

 やがて2人は、無言のまま沙希の住んでいる、学校の寮があるマンション前に辿り着く。
 マンションの前で深々と頭を下げる沙希に、庵は背中を向け
「この間風呂で言った事…忘れろ…。俺には、稔さんのように、お前にしてやれる事がない…」
 唐突に口を開き、前を向いたままボソリと呟く。
 庵はそれだけ言うと背中越しに、片手を上げてスタスタと足早に歩き出す。
 沙希は庵の突然の言葉に、物理的な衝撃を感じ、頭がクラクラと揺れ始める。
(な、何? 庵様なんて…?、忘れろ…?、何で? 庵様…。どうして…どうして、庵様はそんな事を言うの…? 沙希は、庵様には要らなくなったの…? 何か、お気に障る事をしたの…?)
 沙希は弾かれたように顔を上げ呆然と佇み、歩き去ろうとする庵の背中を見詰める。
 理由の分からない、突然の拒絶。
 沙希の足はガクガクと震え始め、力が全く入らない。
 庵は既に5m程、道路を歩いていた。
 庵の余りにも理不尽な命令。
 沙希の頬には、滂沱の涙が流れているが、それを拭う事も出来ず、ただひたすら庵の背中を見詰める。
 頭の中で飛び交っていた疑問は既に無く、真っ白になっていた。

 一方その頃、森川家の前に着いた稔達3人は、リビングに明かりが灯っている事から、梓が帰宅している事を知る。
「梓は帰ってたんですね。急ぎましょう…少なくとも、6時間は奉仕している筈ですから」
 稔は先頭に立ち、玄関の扉を開けた。
 玄関の開く音に気付いた梓が、リビングから声を掛けてくる。
「美香ちゃん? お帰りなさい…。もう少しで、ご飯にするから待ってて…」
 リビングから聞こえてきた梓の声は、明らかに疲労していた。
 稔が静かに廊下を渡り、リビングの入り口に立つと、梓はグッタリと床に座り込み、ソファーにもたれ掛かっている。
 稔に背を向けている梓は、稔の姿が見えていない。
 美香と美紀が稔の後ろに立つと、心配そうに母親を見詰めた。

 稔が一歩前に進むと、梓の頭がピクンと跳ね上がり、クルリと身体の向きを変えながら、床に正座する。
 梓は稔の姿を認めると、そのまま頭を床に擦りつけ
「申し訳御座いません…。お見苦しいところをお見せしました」
 呂律の回らない声で稔に謝罪した。
 稔は梓が平伏している側のソファーに腰を掛け、梓に問い掛ける。
「どうしたんですか?」
 稔の質問に、梓は平伏したまま
「申し訳ございません…、金田様の調教の影響が消えておりません」
 稔の質問に、少し舌っ足らずな口調で、答えを返す。
 訝しんだ稔は、梓に顔を上げるように命じる。
 顔を持ち上げた梓は、頬をピンクに染め、酔った表情を稔に向けた。

 稔は梓の顔と吐く息から、直ぐに察しが付いた。
「梓…どこから飲まされたんです?」
 稔の質問が、後ろで聞いている2人の娘には、理解できなかったが、それを母親の口が直ぐに教える。
「はい、アナルに頂きました…」
 金田は、梓の直腸に酒を飲ませたようだった。
「無茶をしますね…。下手をすれば、急性アルコール中毒になるのを、知らない訳じゃ無いでしょう…」
 稔がソッと梓の頭に手を乗せ、優しく撫でながら言う。
 梓はふらつく上半身を、必死に支えて
「大分楽には成ったんですが…まだ、目が回ります」
 稔に報告する。
「直腸洗浄は、しましたか?」
 稔は梓の身体を支えながら、質問すると
「はい、直ぐにお浣腸を頂いて、直腸を綺麗に致しました…」
 梓は、おぼつかない口調で、稔に伝えた。

 稔は梓の横にしゃがみ込むと、サッと横抱きに抱え
「美香と美紀は、ご飯の用意をして上げて下さい。僕は梓をフォローします」
 2人に指示を出し、梓の鞄を持つと、梓を連れてリビングを出る。
 稔は梓をお風呂場まで連れて行くと、手早く梓の衣服を脱がせた。
「あ、ご主人様…そんな、自分で致します…」
 梓が稔の手を煩わせる事を、恐縮し自分で脱ごうとするが、上手く行かず
「ほら、直腸の粘膜から入ったアルコールは、口から飲むより数倍吸収されるんです。今の梓は泥酔状態なんです、だから僕に任せなさい」
 稔の諫める言葉と、優しい手にその身を任せた。
 浴室に入ると稔は梓を横たえ、シャワーを手にしていつものようにヘッドをノズルに交換し、貞操帯のロックを外す。
 手早く貞操帯を外し、アナルプラグを抜いた稔は、パックリと口を開けたアナルに、ノズルを差し込みぬるま湯を流し込んだ。
「あふぉぁ〜〜〜っ…温かいです…。ご主人様…気持ちいい…」
 直腸を温かいお湯が満たし、身体を中から温める。

 梓の下腹が膨れ始めると、稔は直ぐにお湯を止め、ノズルを外してお湯を出した。
「ふ〜ん〜…、あはぁ〜〜〜っ…」
 梓は顔を欲情に染めながら、大きく開いたアナルから、ダラダラとお湯を溢れさせる。
 稔は梓がお湯を出し切った事を確認すると、もう一度お湯を直腸に送り込んだ。
 稔は横たわり悶える梓の身体を見詰め、ソッと撫でながら
「相当責められたようですね…。何をされたか言ってご覧…」
 優しく梓に問い掛けた。
 梓は稔をウットリと見詰め
「はい、ご主人様…。ご報告させて頂きます」
 稔が居なくなった、医院長室で起きた事を、克明に語り始める。

■つづき

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