夢魔
MIN:作

■ 第18章 使役6

 テレビにはソファーの前でひれ伏し、金田の足の下で絨毯に顔を埋める梓が、カメラ目線で映っていた。
 金田のセッティングにより、テレビモニターを見ようとすると、その手前に有るビデオカメラに、視線が向いているように写されるのだ。
「どうだ、随分みっともない格好をしてるじゃないか? 悔しくないか? 美人整形外科医様よ…」
 金田が梓を揶揄すると、梓の頬にパッと朱が走り、目に屈辱の色が浮かぶ。
 しかし、梓の反応はそこまでで、何も言わず舌を這わし続ける。
「これぐらいじゃ、屁でもないか…? まあ、高校生…、しかも自分の娘と同級生の奴隷になるぐらいだから、これぐらい恥とは思わないだろ。俺も、結構マゾを見てきたが、お前程恥知らずは見た事無い」
 梓は金田の言葉に、テレビから目線を反らし伏せてしまう。
 何度も自分の中で起こった葛藤を金田に指摘されたのだ、古いかさぶたを剥がされたように、その言葉は梓の心に痛みを与えた。
「目を反らすんじゃない! ジッと見詰めてお前の変態さを、自分の目で確かめろ」
 金田は右足を持ち上げると、梓の後頭部に起き、グイグイと力を加える。
 梓は何の抵抗も出来ず、顔面を自分の小便で濡れた、絨毯の中に押しつけられた。

 梓が視線をテレビに戻すと、金田は後頭部から足をどけ、再び梓の背中で組み、グラスに手を伸ばす。
 金田は、グビリとグラスを煽り、梓に向かって
「酒の摘みは、変態女医様のいやらしい顔だ、お前はこれから恥知らずな顔を見せて、俺を楽しませろ。淫乱奴隷なら、簡単だろ?」
 薄笑いを浮かべながら、貞操帯のリモコンを取り出し、スイッチを入れる。
「くふぅ〜っ…、はぁ、ああぁ〜〜〜ん…」
 梓の唇から、甘い鳴き声が洩れ、背中が震え腰が動き始めた。
(ああ〜…、良い眺めだ…。こいつが、こんな風に這い蹲って恥辱に狂う様を見るのが、俺の夢だった…。それが、今現実に起きている…、しかも、こいつにはこの後何をしても構わない…。柳井稔か…、子供ながら憎い所を付いてくる…)
 金田はグラスをまた一つ煽って、テレビモニターを見詰め、稔の事を考え片方の唇の端を持ち上げ、笑いの形を作る。
 金田の足の下で梓は、送り込まれる快感がドンドン膨れ上がり、官能の甘い声を漏らしながら艶を増し、身悶えしていた。

 金田は1杯目のグラスを速いピッチで、空けてしまったため2杯目を、チビチビ舐めるように飲んでいる。
 金田の足の下の梓は、既に何度か軽いアクメを迎え、うっすらと汗を滲ませながら、悶えていた。
 テレビに映る梓は頬を赤く染め、瞳は快感に霞み、ウットリとした表情で絨毯の毛足を咥えながら、小便を啜る。
 金田はテレビに映る梓の顔を見て、絶頂を迎えかけると、リモコンを止めたり、梓を揶揄したりして、決定的な快感の開放を与えていない。
 その行為は、1時間程繰り返されており、梓の身体は快感が行き場を無くし、体内で暴れ回っている状態だった。
 そんな中、院長室に無粋なコールフォンの音が鳴り響く。
 金田が眉根に皺を寄せ、ソファーから立ち上がると、執務机に向かう。
 金田が電話に出ると、事務長が小声で慌ただしく
『柏木がそっちに行った』
 金田に告げた。
 金田はギリッと歯噛みすると、電話を切り梓に命じる。
「そこはもう良い! 机の上を片付けろ」
 梓に舐め取りを切り上げさせ、机の酒の片付けを指示すると、金田は急いでビデオを片付け、ワイシャツを羽織りネクタイを締めた。
 パンツを履こうとした時、医院長室の扉がノックされる。

 金田は梓を急いで呼び、執務机の下に押し込むと、そのまま下半身に何も着けず、白衣を羽織って椅子に座った。
「誰です、今は誰も来ないようにと言って有った筈ですが?」
 いつもの甲高い声で、扉に向かって怒鳴る。
 すると扉が開き、柏木が戯けた態度で医院長室に入って来た。
「義兄さん…、昼真っからお酒ですか? 勤務時間中に良いご身分ですね…」
 柏木は嫌味タップリな言い方で、金田に話し掛ける。
「来客があったんだ、お前には関係ない…」
 金田が仏頂面で柏木に答えると
「義父さんにも、同じ事が言えますか? 私には、関係ないですけど、義姉さんには関係の有る客じゃないんですか?」
 柏木は怯むどころか、更に軽口を叩いてきた。
 金田は机に両肘を突き、上体を倒した姿勢から視線だけ睨め上げ
「何を言いに来た?」
 精一杯低い声で、短く質問する。
 柏木は胸の前で両手を振り、戯けながら
「お〜恐い恐い、そんな目で睨み付けないで下さいよ。お義兄さん…」
 後ろに下がって、一人掛けのソファーに腰を下ろし、肩を竦めた。

 そんな柏木が、急に表情を引き締め、考え込みながら
「こんな下らない、話をしに来たんじゃない…。話しは…、実は森川梓の事なんです」
 溜息混じりに、ボソリと柏木が話し始める。
「最近森川君に会ったかい?」
 俯いた顔を突然持ち上げると、真剣な表情で金田に問い掛けた。
 突然の問い掛けに、ドキリとした金田は、柏木の視線から逃げる。
(会ったも何も、今ここに居る…。こいつ何を言い出す気だ?)
 執務机の上から、その下にいる梓を見ているかのように、ジッと見詰めながら考え込む。
「会ってないなら、一度見て下さい…凄い事に成ってるから。医局の方でも噂になってる」
 柏木は金田の不自然さに気付かず、梓の事を思いだしているのか、視線を彷徨わせながら話を続けた。
「あれは、何か有る筈です…。良くない薬にでも、手を出してるのかも知れません。それに、患者に与える影響も馬鹿に出来ない…。あれじゃ、医者じゃ無い…まるで娼婦だ」
 柏木は金田に誇張して梓の事を報告する。
「で、どうしろと言うんだ? まさか、態度が悪いから辞めさせろと言うのか?」
 金田は柏木の態度を見ながら、探りを入れる。

 金田の言葉に弾かれたように振り返り
「そうするのが、一番良いと思うんだ…。何か有ってからじゃ遅くなる」
 金田の言葉を肯定した。
 その表情、口調、態度から、金田は柏木が本気で梓を排除しようとしている事を理解する。
 金田は執務椅子を後ろに引き、自然な仕草で引き出しを空け、机の下を覗き込む。
 梓は柏木の言葉を聞きながら唇を噛み、氷のような視線で床を睨んでいる。
 金田は梓の表情の硬さに、訝しみながらも、このシュチュエーションを利用する事を考えついた。
 白衣のポケットに手を突っ込み、金田はリモコンを操作し始める。
 梓は突然動き出したオ○ンコとアナルのバイブに驚き、固い表情を蕩かせた。
 金田はニヤニヤと笑みを浮かべながら、梓を見下ろし梓の表情を楽しむ。
 梓は眉根に皺を寄せ哀願するような表情で、金田を見上げている。
 その表情に興奮がゾクゾクと背中を走り、金田は更にバイブレーションを掛けた。
 梓は口を大きく開け、危うく声を漏らすところを、拳を口に当て必死に我慢する。
 梓の表情は悩ましく歪み、プルプルと身体を震わせた。

 金田はそんな梓に満足し、視線を柏木に戻すと手探りで、梓の髪の毛を掴むと、自分の股間に押し当てる。
 梓は襲い来る快感で声が漏れるのを防ぐために、直ぐに金田のチ○ポに舌を絡め始めた。
 しかし、金田はこの時自分がとんでも無いミスをした事に、気付いていなかった。
 梓の舌の奉仕技術を完全に忘れている。
 足の裏を舐められ、飛び上がりそうな快感を覚えた事を、頭の片隅にも置いていなかった。
 そして直ぐに金田は、自分が選んだ事を、激しく後悔する。
(くぅおっ!! な、何だ!)
 金田は梓が始めた奉仕に、飛び上がりそうな程驚いた。
 そのフェラチオは、今まで自分が感じた事のない、快感を送り込んでくる。
(こ、これを我慢するのか…。しかし、ここで止めさせたら、俺が屈服した事になる…)
 金田の顔は驚きから厳めしい、しかめっ面に変わった。
 柏木はそんな金田の変化にまるで気付かず、梓の悪評を捏造しながら、金田に話し続ける。
 金田は計らずしも自ら、苦行を選んでしまった。

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