夢魔
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■ 第19章 出張9

 絶頂を迎えた縁の身体を振り解くと、溝口は裾に差し込んでいた手を縁に差し出す。
 縁は鼻に掛かった甘え声を上げよろめき、身を翻して溝口の差し出した手に舌を伸ばして舐め始める。
「それで、ここを使わせてくれた訳か…。兼久さんが帰ってきたら、俺が感謝していたと伝えてくれ」
 ピチャピチャと音を立てて、溝口の指を舐める縁が
「はひ〜わはりまひは〜」
 溝口の指から、舌を離す事無く答える。
 溝口はフッと笑うと縁の前から手を引き戻し、目の前でヒラヒラと振った。
 縁はオモチャを取り上げられた子供のような拗ねた目で、上目遣いに溝口を見て
「溝口様の意地悪…縁を奴隷モードにしておいて…。そんなつれない事するなんて…」
 身体をくねらせ恨み言を言う。
「兼久さんが許すなら、また可愛がってやるよ…。だが、主の許可無くお前を調教するわけには、いかないだろ?」
 溝口は悪戯っぽく微笑んで、縁に告げる。
「じゃぁ、どうしてこんな事…」
 縁が身悶えして、擦り寄ってくると
「主人の許可が出るまで、奴隷モードで女将業をするのも、また燃えるだろ?」
 ニヤリと笑って、縁の顎に指をかけ軽く唇をついばんで答えた。
「それは、ご命令ですか?」
 縁の瞳の奥にマゾヒズムの炎が燃え上がる。
「好きに取れば良い…。お前が望むなら、それは命令だ…」
 溝口は微妙な言い回しで、縁の心を煽った。

 自分の主でない者の命令に、自ら従う背徳感が、ゾワゾワと縁の中に拡がり始める。
「今晩お邪魔しても宜しいでしょうか…」
 縁が潤んだ瞳で、溝口に問い掛けると
「それは、俺が決める事じゃない。兼久さんか…」
 溝口は縁の主人の名前を告げ、途中で言葉を句切り、ユックリ右手の人差し指を、縁の豊満な左の乳房の正面に置き
「ここが決めることだ…」
 縁の左の乳首をユックリと乳房に押し込みながら言った。
 限界まで押し込んだ乳首を、グリグリと捻りながら
「但し…1人で来た場合は、それ相応の折檻が待ってるぞ…」
 縁の耳元に唇を寄せ、静かに告げる。
 縁は二つの快楽の中で、心が揺れ動くのを感じた。
 一つは奴隷として主人と一緒に服従を躾けられる調教。
 一つはマゾとして淫らな身体を責め苛まれる折檻。
 どちらも、縁には欲しい物だった。
 そして、それをこれから、仕事に戻り女将として振る舞う中で、選ばなければならない。
 縁の牝芯は熱く滾って固くなり、貫いているピアスがピクピクと揺れ、オ○ンコからは牝汁が溢れ出している。
 シュチュエーションだけでこれ程感じる縁に、溝口はトドメを刺す。
「足を開いて、裾を撒くって見ろ…お前が、どう言う女か自分で良く確認して、その口で言ってみろ」
 縁は溝口に言われたとおり、足を肩幅より大きく開き、和服の裾を持ち上げ、股間を晒した。

 縁の股間には陰毛が無い。
 梓のように永久脱毛しているのでは無く、1本1本毛抜きで抜いて居るのである。
 それは、毎朝欠かさず主人の前で股間を晒し、自らの手で行っていた。
 そして、無毛の恥丘には8p四方の文字で[奴]と刺青されている。
 今は見えないが、アナルの直ぐ上には対の文字[隷]が同じ大きさで刺青されていた。
 縁は和服の着付けが崩れるのも、気にしないで思い切り股間を覗き込み、真っ赤に膨れ上がった牝芯とパックリ開いたオ○ンコを見詰め、[ほぉ〜]と熱い息を吐く。
「溝口様〜、牝奴隷の縁は、溝口様の御命令でオ○ンコから牝汁が止まりません…。どうか、この惨めで淫らなマゾの身体に今宵、折檻を下さいませ〜」
 覗き込んでいた顔を上げた縁が、溝口を見詰めて告げると、溝口は縁のクリトリスに指を伸ばし、ピアスを指先で強く弾いた。
「あくぅ〜〜〜ん」
 縁は姿勢を崩さず、顔を天に向け白い喉を晒して、絶頂を迎える。
 溝口は縁をイカせると自分が手を差し込み、乱れた和服の襟を正して、縁の手に持たれた裾も戻す。
 ボーッとした顔で、溝口の為すがままになっていた縁の唇に、ソッと口吻すると
「今夜の食事は3人分で良い。俺達は医師会の宴会に出なけりゃならない…帰りは、9時頃になる」
 そう言って、踵を返し離れに向かう。

 すると、ゆかりが思わぬ速度で、溝口のスーツの裾を掴み、躙り寄ってきた。
 溝口が驚き縁に目を向けると、縁は濡れた瞳のままで、溝口に問い掛けてくる。
「あ、あの…一緒に居られた、初めて見る女性の方は…どなたなんですか?」
 縁の目に、不安が拡がっているのに気付いた溝口が
「気になるか? あれは、主人の名前も、素性も解らないが、金田に貸し出された奴隷らしい…。俺も今まで見た事がないタイプだ…兼久さんが、今日来れないことを俺は祈るよ…」
 縁に真剣な表情でソッと呟いて
「あれは、毒だ…」
 一瞬間を置き短く言い切った。
 溝口の言葉に縁はビクリと身体を震わせて、手に持った溝口のスーツの裾を放す。
 溝口は振り向きざまに、縁の唇を奪うと
「すまん…言い過ぎた…」
 呟くように言って、離れに向かって歩き始める。
 縁は不安そうな顔で、溝口を見詰めていたが、スッと頭を下げて深々とお辞儀し、溝口の姿が離れに消えると、頭を上げて背筋を伸ばし、踵を返して本館に向かった。

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